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参入障壁の高い業界

 参入障壁高い業界を紹介します。 就活でホワイト企業や待遇の良い会社を探す際に考えるべきことは、参入障壁です。 自由競争を免れ、参入障壁に守られている業界は、比較的安定しており待遇も良い場合が多いです。

 参入障壁にはメリットとデメリットがあります。 

 

参入障壁とは

 参入障壁意味は、その業界に新規参入することを困難にしている原因のことです。 ある業界に起業しても(新規参入)仕事を取ることができない、そもそも仕事をさせてもらえない、 そもそも起業できないなどの状況を意味するのが参入障壁です。

 その業界でやっていくのが完全に不可能でなくても、新規参入が難しければ参入障壁があると言っても差し支えないでしょう。

 参入障壁の高い業界では、自由競争が起こらず、すでにある会社のみで競争を行います。 新しい会社が出てきて仕事を奪われるということはありません。

 参入障壁があると業界の会社の数が限られるので、 熾烈な価格競争も起こらず、利益をある程度確保できます。 ライバルがいない、ライバルが少ないという状態は会社にとって大きなメリットです。

 参入障壁のない業界では、なんとか疑似参入障壁を作ろうとします。 特許や商標がその例です。メーカー系企業は特許や商標、意匠を登録することで、 その分野を独占しようと努力します。

 参入障壁のある業界では、特許も商標も取らなくてもその業界全体を独占あるいは寡占できるので、 安定して利益を出すことができます。

 その一方で「価格が高い」「競争がないので成長しない」などといった批判もあります。

 

参入障壁の例

 参入障壁高い業界といえば、 電力会社が最たる例でしょう。電力業界に新規参入することはできません。

 一般企業が太陽光発電などで発電し、自社工場などで使用することは可能ですが、 一般家庭や他の企業に電力を売ることはできません。国から許可がないと送電できないのです。

 一般企業が発電した電力は、電力会社に売るしかありません。関東なら東京電力、近畿なら関西電力に、 電力を卸すのです。そのため太陽光発電や風力発電をしたところで、電力業界に新規参入したとはいえません

 電力会社は複数ありますが、エリアごとに分かれています。 許可を受けたエリアで発電し、送電するので基本的には他の電力会社とエリアが被ることはありません。 そのためその地域では独占企業となるわけです。

 国の許可が必要な業界参入障壁高い業界であることが多いです。 参入障壁の高い業界のとしては、テレビラジオ電話も挙げられます。 電力業界の他の例としては、鉄道高速道路も許可が必要です。

 実は建設業界高い参入障壁があります。 国や地方自治体相手の建設業は参入障壁が顕著です。

 国や地方自治体相手の仕事といえば、競争入札になります。 競争入札には参加資格が必要です。参加資格とは、国の建設業許可以外にも参入障壁になるものがあります。 それは施工実績です。

 国や自治体の発注した工事を施工したことがないと、競争入札に参加できないのです。 新規参入しようにも、工事をしたことがないので競争入札に参加できません。 これは大きな参入障壁です。

 たばこも参入障壁があります。たばこ葉を育てるには国の許可が必要です。 JTの他、海外のたばこ会社があるのみで、日本で新しくたばこ会社を設立することは不可能です。

 

参入障壁のメリット

 参入障壁メリットは、その業界が安定するということです。 独占市場となることで、利益は守られ、雇用も守られます。参入障壁に守られた企業はメリットを享受します。

 参入障壁のメリットは、利益の守られる会社だけではありません。 一般消費者や他の業界にも参入障壁のメリットがあるのです

 例えば電力会社の場合、電力会社が最優先しなければならない業務は「電力の安定供給」です。 停電が起こればあらゆる工場が止まり、パソコンは強制シャットダウンします。 経済活動が停滞するのです。

 飲食業界のように過当競争になってしまうと、品質が低下します。 安さを追求した結果食中毒を引き起こすように、電力業界が価格競争で疲弊すれば、 停電が予想されます

 参入障壁を作り、電力会社にお金の心配をさせないことで、安定供給を可能にします。 電気を使う人みんなが、参入障壁の恩恵を享受しているのです。

 鉄道や高速道路も、参入障壁によって品質が確保されています。 簡単に崩壊するような線路や道路では困るのです。 それでも事故がないわけではありませんが、自由競争だった場合はもっと不便な世の中になっているはずです。

 これらのことは通常、当たり前のことになっているので気付きにくいのですが、 参入障壁にはこのようなメリットがあるのです。

 

参入障壁のデメリット

 参入障壁デメリットは、値段が高くなることと、 サービスの向上がないというものです。競争がない分、価格競争もサービス向上競争も起こらないのです。 そのため、値段は高く、サービスは悪いという状況が発生しがちです。

 日本の電気料金は海外に比べて高く、新幹線や高速道路の料金も高いままです。 公定料金となるため、割引や値引きも自由にはできません。 独自性も出しにくく、サービスの向上は望めません。

 さらに何もしなくても利用客が大勢いるという状況も、 サービス向上を阻害する要因です。安定して利益が見込めるため、 利益を増やすための挑戦や努力がなくても、会社としては生き残れるのです。

 殿様商売が可能であり、利用客に対し横柄になりがちです。 「嫌なら使わなければいいんじゃない?」という態度が取れますが、 利用客はその会社のサービスを利用せざるを得ません。

 また新規参入ができないため、新たなサービスを思いついた人がいても、 そのサービスが実現されることはありません。企業しても参入障壁のために、 仕事をすることができないためです。

 このように参入障壁には様々なデメリットがあります。

 また、政権交代などで参入障壁が撤廃された場合、自由競争の経験のない業界は、 競争に押しつぶされ、価格競争やサービス競争で敗北し、倒産したり品質が悪化する可能性もあります。 民主党政権のころは、電力会社などはヒヤヒヤしたことでしょう。

 

参入障壁と就活

 就活参入障壁に目を付けるのはセンスがあります。 あらゆる企業が参入障壁の作り方を研究し、特許や商標、意匠のみならず、 時には談合やカルテルなど、違法行為に手を出すことすらあるのです。

 カルテルやトラストなど、他社と共同で価格をつり上げたり、 独占市場や寡占市場にしてしまった場合、通常は公正取引委員会から制裁を受けます。 医師会もインフルエンザ予防接種のカルテルで排除措置命令を受けています。

 しかし参入障壁の高い業界は、違法行為に手を染めなくても独占市場、あるいは寡占市場を持っているのです。 会社は安定し、利益も確保できます。就職先としてはかなり良い条件です。 一般的にホワイト企業と言われる会社も、参入障壁の高い業界であることがほとんどです。

 参入障壁は、国が関わるところにできます。国の許可が必要な業界、 国が補助金を出している業界、国が元々運営していた業界など、 参入障壁の高い業界は様々です。

 製鉄業も参入障壁が高いと言えます。というのも、元は国が建設したほど、 「製鉄業を起業しよう!」と言って始められないほど莫大な資金が必要だからです。

 就活生にとって参入障壁のデメリットといえば、採用人数が少ないことと、 将来的に参入障壁が撤廃される可能性もあるということです。

 参入障壁の高い業界は採用人数が少なく、志願者も多いため就活では激戦区になります。

 しかし、国の許可や補助金は、打ち切られる可能性があることを肝に銘じておく必要があるでしょう。 電力会社はその「安定供給」という使命によって、発送電分離や電力の自由化などは行われないはずだと思っていましたが、 世論の流れに逆らえず発送電分離、電力の自由化は既定路線になってしまいました。

 電話や鉄道、高速道路、建設業界なども参入障壁がなくなる可能性もあります。

 そんな中でやはり強いのはテレビ局鉄道業界です。まずテレビ局は国から電波の使用許可を得て放送するわけですが、 突然免許を取り上げられたら間違いなくテレビ局は倒産します。誰の目にみても倒産が確実で、影響を受ける人が多いテレビ局から、 ある日突然免許を取りあげるような政治家はまず、いません。

 もう1つの鉄道業界は、いまさら新たに線路を敷いて採算ラインに乗せるのはほぼ不可能だからです。 鉄道を敷くには用地買収が必要です。用地買収に線路を敷くのにかかる費用、道路をまたぐ高架橋をつくる費用、 既存の線路をまたぐ高架橋をつくる費用など、莫大過ぎるお金がかかります

 そして、すでに人の集まる地域には線路が敷かれています。田舎にしか線路を敷けません。 田舎はすでに車社会であり、電車に対する需要はありません。 さて、お金がかかりすぎて儲からないことが明白な鉄道業界に誰が参入するのでしょうか。 鉄道業界は国の許可の有無にかかわらず参入障壁が非常に高いといえそうです。