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【就活】人物重視ってどういうこと?

 就活をしていて人物重視という言葉をよく見かけると思います。 いろんな企業が採用活動をする中で、説明会やホームページや面接で「当社は人物重視の採用を行っています」と宣言します。 この「人物重視」とは一体なんでしょうか。そんなにすごいことなのでしょうか。 

 

「人物重視」は当たり前

 人物重視の採用と聞いて、学歴や処理能力は関係ないと思ってはいけません。 そもそも面接をする以上、人物重視じゃない採用活動はありえません。 どの企業も人物重視の採用活動をしているのは当たり前です。

 企業だけではありません。公務員も人物重視の採用です。 公務員は試験で通るかのように思われていますが、試験は単なる面接の権利のために行われるものです。 結局のところ、面接で人物をみて判断されるのです。

 しかし現実には学歴の高い人が良い就職をしています。この理由はなんでしょうか。

 まずWEBテストで処理能力を問われます。 WEBテストは難しい問題ではなく、簡単な問題を素早く解くことが求められることからも推測できます。 処理能力の高い有名大学卒の学生がここで生き残り、そうでない人が書類選考で落とされます。

 そして面接でも評価の1つに処理能力があります。突飛な質問をして、 即座に何か答えられるかというものです。ここでも処理能力の高い有名大学卒の学生が生き残り、 そうでない人は一次面接、二次面接などで落とされていくのです。

 とはいえ、処理能力が高ければいいというわけではありません。 高学歴の就活生でも落ちるときは落ちるからです。処理能力だけが採用基準なのではなく、 その他にもさまざまな採用基準があるということです。

 採用選考の前提に「処理能力」があるのは確かですが、処理能力しか評価しないのであれば、 「採用実績校」は旧帝大や早慶くらいしか名を連ねないはずです。 しかし、実際にはそんなに極端な企業はありません。

 「処理能力」の基準でふるいにかけた上で、人物重視の採用を行っていると言えます。

 そもそも人物性だけが良くても、処理能力がなければ仕事の役に立たないのです。 企業は営利団体ですから、効率よく仕事をこなし、会社に利益をもたらしてくれる学生を求めるのは当然で、 そうでなくてはなりません。

 いくら人物重視とは言っても「処理能力」は前提として必要であり、処理能力を重視していないという意味ではないのです。

 

「人物重視」の意味

 人物重視とはどういう意味でしょうか。就活生の処理能力だけで採用を決めていないとしたら、 それ以外の採用基準は「人物性」ということになります。

 しかしこの「人物重視」を単なる「性格の問題」ととらえてはいけません。 会社がどんな人を採用したがるかに立ち返ってみましょう。

 会社は、バリバリ活躍してくれそうな就活生を採用したがります。 ここで重要なのは「熱意」だけではありません。「会社と志を同じくしているかどうか」も重要です。 会社と同じ志をもち、バリバリ活躍してくれそうな就活生が、会社の採用したい就活生です。

 「会社の志」とはつまり「経営理念」です。経営理念就職活動の軸がどれくらい一致しているかが一つの判断基準になります。

 就活生は就職活動の軸を中心に、「将来の夢を実現するために」エントリーシートを書きます。 しかし会社は書類だけ受け取っても、就活生が本気で夢に向かってがんばっているのかどうかわかりません。 もしかしたらエントリーシートの添削を受けてそれっぽく書いただけかもしれませんし、 たまたま論理的に組みあがっただけかもしれません。

 それを確認するために会社は就活生を呼んで面接を行います。 ですから、就活生は「就職活動の軸」に対する一貫した姿勢をアピールすることが必要です。

 とはいえ、面接で見ているのは「熱意」や「就職活動の軸への一貫性」だけでもありません。 いろんな観点から総合的に判断します。だからこそ「採用基準」を明確化できず、 「弊社は人物重視です」としか言えないのです。

 この「人物性」はいろんな要素がありますので、つかみにくい採用基準です。 一言に「性格」といっても「長所はこれで、短所はこれで、性格の明るさはこれくらいで」 といった「正解」があるものではありません。

 「趣味がこれなら採用」「特技がこれなら採用」「学生時代に頑張ったことがこれなら採用」 というように採用基準が決まっているのであれば簡単ですが、そんなに詳細な採用基準は誰も決めることができません。

 人事部採用担当は毎年「採用方針」を決めて採用活動をするのですが、 細かくは採用基準を決めていません。それぞれの面接官が実際に面接してみて、良いと思ったら合格、 悪いと思ったら不合格というふわっとした基準で選考しているのが実情です。

 面接官のフィーリングで、自社に合っていると思った学生、自分の部下にしたいと思った学生を、 二次面接、三次面接、最終面接に進ませているのです。

 企業の採用活動はシステマチックではなく、けっこう面接官の個人的な思いで行われています。 面接官が学生を採点して、人事部はそれを集計し、得点の高い人から順番に次の面接に呼んでいるのです。

 つまり、人物重視とはその面接官に気に入られるかどうかという意味なのです。

 

なぜ「人物重視」と宣言するのか

 そもそも人物重視の採用選考など、面接をしているのですからどこの企業でも当たり前です。 人物性を重視しないのなら、大学名を入力するだけで「採用です」「不採用です」と一瞬で決まるはずです。 ではなぜ「当社は人物重視の採用選考です」とわざわざ宣言するのでしょうか

 これは、就活生の間に広まっている「噂」のせいです。

 「マーチ以上の学歴でないと内定が出ないらしい」「TOEICのスコアが750点以上じゃないと不採用らしい」 「海外留学の経験がないと内定が出ないらしい」「スポーツが趣味じゃないとだめらしい」 といったものです。

 企業はそんなにシステマチックな採用選考をしていませんので、 「マーチ未満の学歴だから」「TOEICスコアが700点しかないから」「海外留学をしたことがないから」 「体育会系の部活に入っていなかったから」と勝手に諦められては困るのです。

 しかし下手なことを言うと就活生のいらぬ憶測を呼びかねません。例えば「エムワイ大学の学生でも採用します!」 などと言おうものなら「エムワイ大学をバカにしている!やっぱり学歴差別がある企業だ!」と言われかねませんし、 「学閥があるのかもしれない」「じゃあエムワイ大学と同じ偏差値のアリオト大学はだめなのか?」などと思われてしまいます。

 そこで簡単に「学歴とか海外経験でシステマチックに不採用にはしていませんよ」とアピールできる言葉が、 「人物重視の採用選考をしています」なのです。

 決して処理能力を軽視しているわけではありません。前提として「処理能力が高いこと」は求められています。 しかし、「学歴がマーチ未満なら不採用」「TOEICのスコア750点未満は不採用」といった明確な基準があるわけではありません。

 処理能力があり、面接官に気に入られる性格であれば細かいことは気にしませんよという意味を、 簡単な言葉で学生にアピールしているのに過ぎないのです。

 

「人物重視」の面接の対策

 「人物重視」の面接対策ですが、 どの企業でも人物重視が当たり前なことを考えれば、特に「人物重視の会社だから」という対策はありません。 特に「人物重視」を宣言していない会社でも、人物重視の面接だからです。

 さらに「人物重視」とは言ってもシステマチックなルールはありませんので、 当日たまたまあたった面接官に気に入られるかどうかが内定の成否を分けます。 面接官とはいえ一人の人間ですから、どんな面接官にも気に入られるようなテクニックはないのです。

 そのため結局のところ、面接は運ゲーとまで言えてしまいます。

 明るくハキハキしゃべれると有利だとよく言われますが、求められるスキルは部署によって違います。 明るくハキハキと「営業志望です!」と言っても、面接官が経理部の人間なら「営業には向いてるんじゃないかな?」 と高得点をつけてもらえる可能性もありますが、逆に「こんなうるせーやついらねーよ」と思われる可能性もあります。

 真面目な雰囲気の就活生が、一次面接で経理部の面接官にあたり「経理部にぜひ欲しい!」と高得点をつけてもらえても、 二次面接で総務部の面接官にあたれば「うちの生産管理部とうまくやっていけそうにないな」と思われて、 低評価を受ける可能性もあるのです。

 これこそ「面接に正解はない」と言われる理由です。

 こうなるといくら志望度の高い企業でも、何回も面接をする中で、運悪く相性の悪い面接官にあたってしまい、 不採用になってしまう可能性は大いにあります。面接の最大の対策は、面接に落とされても大丈夫なくらい、 いろんな会社の採用選考を受けることだと言えます。

 やはり就活は「いくつプレエントリーして、いくつエントリーシートを出して面接に呼ばれるか」 が勝負の分かれ目になりますね。

 しかし、「会社と志を同じくしている」というアピールはどの会社に対しても有効です。 総合職でも一般職でも、同じ夢をもった人と働きたいのは誰でも思うことです。 やはり面接でも「就職活動の軸」が重要になりますね。