【例文】学生時代頑張ったことの書き方|面接の定番質問に対応!

学生時代頑張ったこと(ガクチカ)を、面接での定番質問に対応した上で、志望動機にも説得力が出せる書き方を解説します。 例文では筆者の私の「サークルでのゲーム制作の経験」を使用し、「価値創造での社会貢献がしたい」という就職活動の軸を前提にしています。
目次
おすすめ・人気記事
学生時代頑張ったこととは?
ポイント | 「社風への共感」の根拠づけ |
---|
学生時代頑張ったこととは、志望動機の「社風への共感」に説得力を持たせるための項目です。
新卒就活では、例えば「交通事故ゼロを目指す会社」には「交通事故ゼロを目指す学生」が内定をもらいます。 ですが、いきなり「私は事故ゼロを目指しています」と言っても説得力がありませんよね。 そこで、この項目で「その本気度」を問うのです。
「目指している夢」を就活用語で「就職活動の軸」と言いますが、以下の例のように軸に関連した取り組みを書く必要があります。
価値創造での社会貢献がしたい | ゲーム制作の経験 |
---|---|
創造力を活かした仕事がしたい | イラスト制作の経験 |
交通事故ゼロを実現したい | 交通安全ボランティアの経験 アルバイト先の安全対策の経験 |
心理を鷲掴みにする仕事がしたい | モテるためにダイエットを頑張った経験 マーケティング理論の勉強の経験 |
このように「軸に対する本気度」を示すことが重要であり、「軸と社風の一致」が前提です。 軸をまだ作っていない場合、「志望企業の社風から逆算して軸をつくる方法」を次の関連記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
また、「頑張ったことがない」という方に向けて、「無から有を生み出す文章術」を次の関連記事で解説しています。 ほとんどの人は「頑張ったつもりがない」だけなのですが、本当に何もない場合は参考にしてください。
アルバイトや学業の例文について、専用の記事を用意しました。それぞれを選ぶ際の注意点や特別な書き方を解説しています。
面接での深掘りに備える
ポイント | 面接対策を盛り込もう |
---|
面接では、ガクチカについて次のような質問がされます。
- なぜそれを頑張ろうと思ったのか(→就職活動の軸)
- 設定した目標と、達成に向けた具体的な取り組み内容
- 取り組みの中で、直面した困難とそれを乗り越えた方法
- 何かを成し遂げた経験
- 経験から得られた学び
ガクチカは面接の定番質問であり、特に一次面接・二次面接では上記例のように深掘りされます。 そこで、予めこれらの要素を盛り込んでおくことで面接対策になります。
書き方
学生時代頑張ったことの書き方を、私の「ゲーム制作の経験」を例にして解説します。 まず、ここまでを踏まえた必須要素は以下の6つです。
1.結論 | 何を頑張ったのか |
---|---|
2.動機 | なぜ頑張ったのか(就職活動の軸を理由にする) |
3.目標 | どんな目標を設定して取り組んだのか |
4.工夫 | 取り組みで直面した困難と、それを乗り越えた方法 |
5.結果 | 目標を達成できたのか、もしくはその達成率 |
6.学び | 取り組みで副次的に得られた学び |
1.結論
ポイント | 結論ファースト |
---|
ガクチカの書き出しは、結論から述べることが重要です。 「私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました」というように、一文に結論以外の要素を入れないようにしてください。
新入社員が最も指摘されることは「結論から話せ」です。 ガクチカの場合、「何を頑張ったのか」がわからない状態で話をされても、読み手にとって何も頭に入ってこないためです。 以下の「悪い例」のように話してしまうと、どれだけ内容を詰めてもすべてが無駄になります。
良い例
私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました。
悪い例
私は学生時代、ゲーム制作サークルに所属していました。活動の一環として大学祭に出展することになり、ゲーム制作を頑張りました。
2.動機
ポイント | 軸の実現のため |
---|
「動機」は、「軸の実現」です。
私の場合は「価値創造での社会貢献がしたい」という軸を設定し、価値創造のためにゲーム制作に取り組んだことを伝えます。 前述の通り、ガクチカは「社風への共感」という志望動機に対して「軸への本気度」を示す項目です。 ゆえに、取り組んだ理由が「就職活動の軸」になければなりません。
例文
私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました。なぜなら、ゼロからイチを生む価値創造に相応しいと考えたためです。
就職活動の軸の作り方については、次の関連記事で解説していますので、併せてご覧ください。
3.目標
ポイント | 数値目標を設定する |
---|
取り組みにおける具体的な目標を設定します。「数値目標」を設定するのが理想的です。
単に「頑張った」というだけでは足りず、ESや面接では「目標を設定して取り組んだこと」が問われます。 実際にはそこまで考えて取り組んでいない場合がほとんどかと思いますが、目標があったことにしましょう。 ここでは「目標設定の理由」まで盛り込んでおきましょう。
例文
私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました。なぜなら、ゼロからイチを生む価値創造に相応しいと考えたためです。
大学祭でのプレイ人数200人を目標に設定しました。 この数値は大学人口の5%に相当し、各サークルブースの過去の来場者数と比較して「シェア1位」を名乗れるためです。
4.工夫
ポイント | 困難を乗り越えた方法 |
---|
目標に対する具体的な取り組み内容を書きます。 単に「ストーリーをつくってプログラミングをした」というような「当たり前の内容」ではなく、 「直面した困難とそれを乗り越えた方法」を書くと、面接の定番質問に対応できます。
面接では特に「チーム内での意見対立」という困難がなかったか質問する企業が多いです。 「複数の案が出ただけで『対立』というほどではなかった」場合でも「意見対立があった」としておきましょう。 そして、自らの働きで対立解消に至ったエピソードを用意します。
例文
私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました。なぜなら、ゼロからイチを生む価値創造に相応しいと考えたためです。
大学祭でのプレイ人数200人を目標に設定しました。 この数値は大学人口の5%に相当し、各サークルブースの過去の来場者数と比較して「シェア1位」を名乗れるためです。
活動では「ゲーム性を重視する」か「ストーリー性を重視する」か、意見対立が発生しました。 これに対し、私は近年の「流行ったゲーム」について「ゲーム性」「ストーリー性」のどちらが評価されているか、SNSを通じて調査しました。 調査結果を踏まえて論理的に結論を出すと同時に、反対意見にも共感を示すことを意識しました。
その結果、大きな衝突に至らず意見対立を解消でき、「若者ウケの良いストーリー」をテーマに制作活動に集中することができました。
「工夫」は自分の長所をPRするチャンスでもあります。 困難の解消に向けて「アイデアをたくさん出すことで『対立』から『最適解の選択』へと視線誘導した」「反対意見にも共感を示すことを意識した」など、 自分が理想の上司であることをアピールするとよいでしょう。
また、リーダーシップ経験のアピールでは、「バイトリーダー」のような肩書は不要で、 「みんなを活躍させた」というエピソードが重要です。 これについて、詳しくは次の関連記事で、例文付きで解説しています。
5.結果
ポイント | 達成・未達どちらも可 |
---|
「結果」は要素として必須ですが、「達成した」「達成できなかった」はどちらでも構いません。 ただし、達成できなかった場合は必ず「悔しかった」「今後の活力の源泉になった」など、 「感情」と「向上心」をアピールしましょう。
例文
私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました。なぜなら、ゼロからイチを生む価値創造に相応しいと考えたためです。
大学祭でのプレイ人数200人を目標に設定しました。 この数値は大学人口の5%に相当し、各サークルブースの過去の来場者数と比較して「シェア1位」を名乗れるためです。
活動では「ゲーム性を重視する」か「ストーリー性を重視する」か、意見対立が発生しました。 これに対し、私は近年の「流行ったゲーム」について「ゲーム性」「ストーリー性」のどちらが評価されているか、SNSを通じて調査しました。 調査結果を踏まえて論理的に結論を出すと同時に、反対意見にも共感を示すことを意識しました。
その結果、大きな衝突に至らず意見対立を解消でき、「若者ウケの良いストーリー」をテーマに制作活動に集中することができました。
大学祭での来場者数は180人と、目標に対し一歩及ばず悔しい思いをしました。 しかしこの経験が活力の源泉となり、サークル全体で「市場調査を重視する姿勢」を持つようになりました。
6.学び
ポイント | 社風に合った学び |
---|
「学び」は社風に合ったものを選びましょう。
特に面接では「この会社に入って挑戦したいこと」を問われることが多いです。 仕事内容や社風に照らし合わせて、それに役立つ学びを得たとしておくと、「志望動機」や「挑戦したいこと」の説得力につなげることができます。
例文
私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました。なぜなら、ゼロからイチを生む価値創造に相応しいと考えたためです。
大学祭でのプレイ人数200人を目標に設定しました。 この数値は大学人口の5%に相当し、各サークルブースの過去の来場者数と比較して「シェア1位」を名乗れるためです。
活動では「ゲーム性を重視する」か「ストーリー性を重視する」か、意見対立が発生しました。 これに対し、私は近年の「流行ったゲーム」について「ゲーム性」「ストーリー性」のどちらが評価されているか、SNSを通じて調査しました。 調査結果を踏まえて論理的に結論を出すと同時に、反対意見にも共感を示すことを意識しました。
その結果、大きな衝突に至らず意見対立を解消でき、「若者ウケの良いストーリー」をテーマに制作活動に集中することができました。
大学祭での来場者数は180人と、目標に対し一歩及ばず悔しい思いをしました。 しかしこの経験が活力の源泉となり、サークル全体で「市場調査を重視する姿勢」を持つようになりました。
この取り組みでは「自分たちの『好き』」だけでなく「潜在顧客が真に何を求めているか」を盛り込む重要性を学びました。 この経験を活かし、貴社への入社後は「提案営業による価値創造」で活躍したいと考えています。
注意点
ガクチカの作成では、次のことに注意しましょう。
1.志望動機につなげることを意識する
ポイント | 長所をPRする |
---|
ガクチカは、志望動機につなげることを意識しましょう。そのため「会社で役立つ長所をPR」しておくことが重要です。
志望動機では「どのように会社に貢献するか」という要素を含める必要があります。 私の例で言えば、ガクチカで「課題解決力」をアピールしていますので、志望動機に次のような一文を足すことができます。
学生時代の経験から得た「課題解決力」をもって、貴社での「提案営業の仕事」で貢献したいと考えています。
また、志望動機の書き方については、次の関連記事で解説しています。
2.肩書自慢をしない
ポイント | 肩書は伏せる |
---|
「肩書自慢」をしてはいけません。「バイトリーダー」「部活の部長」などの肩書は伏せたほうがいい場合すらあります。
私の参加したグループ面接で、「バイトリーダーをやりました」と述べる学生がいました。 面接官はバイトリーダーという言葉が出た瞬間にイヤな顔をし、ダルそうに姿勢を崩した上で何も質問をしませんでした。
ガクチカでは「リーダーシップ経験」を問われることも多いのですが、肩書・役職が問われているわけではありません。 特に「バイトリーダー」「サークルリーダー」などを自称する学生が非常に多いため、 その言葉が出た瞬間に興味をなくす面接官もいることに注意してください。
私の例ではあえて「肩書」を出さず、「反対意見にも共感を示す」というリーダー的なエピソードだけを書いています。 面接官が聞きたいのも「エピソード」ですので、肩書は伏せておくのがおすすめです。
3.「やらされたこと」は書かない
ポイント | 「主体性」が重要 |
---|
「やらされたこと」「義務」を書いてはいけません。
「アルバイト」「勉強」をネタにするのが難しいと言われる理由は、「決まった業務」や「単位取得」をテーマに書いてしまうためです。 これら「指示されたこと」「やらされたこと」は「主体性がない」と判断され、落ちる原因になります。 内容は「自らの思いつきでやったこと」でなければなりません。
逆に言えば、「命令されていないのにアルバイト先にIT技術の導入を提案・実現した」 「他学部のゼミに入れてもらい、マーケティング理論を学んだ」など誰の命令でもない取り組みであれば「アルバイト」「勉強」をガクチカに使うことが可能です。
これに関連して、次の記事では「アルバイト」をテーマにした書き方・例文を解説していますので、ぜひご覧ください。