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なぜ太陽光発電が流行っているのか

 就活をしているとたびたび耳にする「電力事業もやっています。」 なぜ社会でなぜ太陽光発電が流行っているのか。 

 何も自社ビルの電力をまかなうためでも、自社工場の電力をまかなうためでもない。 電力会社に売るためだ。それではなぜ電力会社は太陽光発電の電気を買うのか。

 再生可能エネルギーの中でも太陽光発電や風力発電は、原発の代わりにはならない

 まず土地がない。どこにでも住宅があり、そのそばで風力発電をしようものなら、 騒音で住民が眠れなくなる。原発一基分の発電を太陽光発電でまかなおうとするなら、 山手線の内側すべてを太陽光パネルで埋め尽くすほどの土地が必要である。

 次に、気候の問題である。台風が来るなど、風もあちこちから吹くので風力発電は向かない。 曇ったら当然、太陽光発電はできない。

 工場というものは24時間体制で3交代制をとっていることが多い。 決して止められないラインがある。そこで曇ったから、台風だからと停電に陥ってしまったらどうなるかは想像するに容易である。

 そんな不安定な太陽光、風力発電の電気をなぜ電力会社が買うのだろうか。

 就職活動中に、とある太陽光発電もやっているという会社のリク面でこんなやり取りがあった。

俺「太陽光発電で得た電力は何に使っているのですか?」

社「電力会社に卸しているんだよ」

俺「なぜ電力会社は電気を買うのですか?

社「うーん、向こうも供給量を確保したいからね」

 何を言っているんだ。法律で決まっているからだろう! 誘導尋問であるが、答えがあまりにもひどい。 曇ったら発電できない太陽光発電がなんの供給量の確保になるというのだろうか。 曇ったらみんなが電気使わないから大丈夫!などとでも言うのだろうか。

 固定価格買取制度というものが、民主党政権下で確立した。 太陽光、風力、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギーを用いて発電した電気を、 無理やり電力会社に買い取らせる制度である。 最近電力事業をはじめました!というような会社に電力供給を任せられるだろうか。

 否。電気は一瞬でも飛ぶと工場のラインは止まり、データが飛び、経済活動が数時間停滞する。 その例が四日市瞬時電圧低下事故である。 なんと0.07秒、電圧が低下するだけで100億円という損失を出す企業がある。 ましてや太陽光や風力といった24時間365日同じだけの電力を供給し続けられない電力事業など、 「供給量の確保」の何の役にも立たないのである。 それならば原発をもう一基建設したほうが安い。

 なぜそのような制度が始まったのか。新自由主義に基づく太陽光利権である。 電力会社のもうけを「太陽光発電代」として財界に差し出し、 国家の基盤である電力会社を自由競争に巻き込もうという魂胆である。

 果たして電力自由化はいいものなのだろうか。 電気料金の価格競争で値下げが起こる、というのは聞こえはいい。 しかしデフレの時代に価格を下げるなど一層デフレを深刻化させるものであるし、 第一価格競争でサービスの質が下がるという予想は立てられなかったのだろうか。 極端な例だが、安いコンビニと高級ブランド店のどちらのサービスが良いかと問えば一目瞭然である。

 一定の顧客を獲得できなければもうからない。 もうからないなら人件費やサービスをカットするしかない。 従業員のやる気とサービスの質が低下するとどうなるか。 停電である。

 前述のように停電は経済活動の停滞を引き起こす。 家の電気がつかないくらいは大したことはない。 問題は会社と工場である。会社のパソコンは突然電源が切れ、 工場はラインが停止し、物を作れなくなる。 2,3時間停止した分をどう取り返せばよいというのか。 「2,3時間長く働けば?それができないのが工場である。 24時間3交代制でギリギリまで働いて製品をつくりあげている。 土日も稼働しようものならいつ製造装置のメンテナンスをする? 土日にかかる人件費は? 停電でラインが停止している間の従業員の給与の支払いは? 平日に出来上がらなかった材料が土日に作られれば、加工する工場も土日に稼働しなければならなくなる。 結果、すべての工場が土日に稼働し、ラインが停止している間の人件費に加えて、 土日の人件費まで支払わなければならなくなる。 ここまでならまだ労働者が得られる所得が増えるので、その分買い物をしてもらえば済む話ではある。 しかし土日に働いても足りないほど生産ができなくなってしまったらどうなるだろうか? また停電した分取り返そうとした土日に停電が発生したら納期を完全に逃してしまう。

 停電さえしなければこれらの問題は発生しない。 停電させないためにはどうすればよいか? 電力事業を保護すればよいのである。

 新自由主義はなんでも自由競争にさらそうとするが、 今、自由競争の場にいない企業はその必要があって保護されている。 なぜ保護が必要なのか(だったのか)考え直してほしい。