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リクナビ、マイナビはなぜ無料なのか

 就活生なら誰もが知っているリクナビマイナビ。 リクナビやマイナビは、会社の求人広告を大量に掲載している就活サイトです。 ほとんどの就活生がリクナビやマイナビを通じてプレエントリーをしたり、会社説明会を予約したり、 エントリーをしたりします。 

 リクナビマイナビは、就活生が利用する分には無料です。 一切お金はかかりません。リクナビ、マイナビには利用料金がないのです。 なぜこれらは無料なのでしょうか。月額105円でも取れば大儲けできそうなのに。

 しかし学生に対して有料にすることはできません。 法律で決まっているためです。職業安定法第32条の3第2項に定めがあります。

有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。

 つまり、新卒就活サイトでも転職サイトでも、 就職活動、転職活動をしている人からお金をとってはいけないのです。

 それではリクナビマイナビ等就活サイトはどこで利益を得て営業しているのでしょうか。 それは、採用活動をする企業の掲載料です。 リクナビの掲載料金は200万円を超えると新聞に書いてありました。掲載だけで200万円超です。

 

なぜ合同説明会でQUOカードがもらえるのか

 合同説明会に参加するとQUOカードなどの景品がもらえることがあります。 私は就活ラボの合同説明会で、500円分のQUOカードをもらった経験があります。 2016年卒ではマイナビが「イベントスタンプラリー」を行い、7ヶ所回った就活生に5万円分のプレゼントをしていました。

 アップルウォッチやiPad、ディズニーランドのパスポート、デジタル一眼レフカメラなど、豪華な景品が用意されていたようです。 もちろん就活生はマイナビにお金を払ったわけではありません。ではどこからこのお金が出ているのでしょうか。

 これもやはり、企業から集めた就職イベントの参加料です。

 リクナビやマイナビなどの就活サイトは、就職イベントを開催し、参加企業から参加料を徴収します。 就職イベントが流行れば流行るほど、参加したがる企業は増えていきます。すると同時に集まる参加料も増えていくわけです。 さらに就活サイトが有名になれば有名になるほど、「うちの会社の採用情報も載せてくれ!」と依頼が増えます。

 就職イベントを盛り上げれば盛り上げるほどもうかるのです。これがリクナビやマイナビのビジネスモデルです

 就職イベントに参加してQUOカードや景品がもらえるのは、就職イベントを盛り上げて企業にアピールするためなのです。 私が就活をしていた2013年卒ではせいぜい500円分のQUOカードがもらえる程度でしたから、 5万円分ものプレゼントがもらえる今、マイナビは参加料がかなりたくさん集まるようになったといえます。

 

スカウトメール

 リクナビマイナビで「スカウト」というメールが来るのは、 掲載料に加えてオプション料金を支払った企業の宣伝活動です。 リクナビ、マイナビのトップページに出てくる企業もまたオプション料金を支払っているのです。

 リクナビ、マイナビで特集を組まれる会社は本当にリクナビ、マイナビが優良企業だと思って善意で書かれているのではありません。 単に企業がひいきしてもらうために情報掲載料を払っているのに過ぎません。

 スカウトメールを受け取って喜んでいる場合ではありません。スカウトメールを送ってくる会社は、 リクナビやマイナビに追加料金を支払ってもっと効果的な広告を出させてもらっているにすぎません。 そういう意味ではスカウトとは到底呼べないしろものです。

 別のページで企業にとって採用活動はお金がかかると書きました。 説明会の会場設営費、採用担当の人件費、交通費等に加えて、 リクナビやマイナビへの情報掲載料もかかっているのです。

 おそらくリクナビ、マイナビの情報を必要としない人もたくさんいるでしょう。 自分で企業を探し、企業の公式WEBサイトでプレエントリーする人も多いはずです。 リクナビやマイナビに情報を掲載するまでもなく有名な企業は何もしなくても勝手に自社サイトでプレエントリーしてもらえるはずです。

 ではなぜそれでもリクナビ、マイナビに自社の宣伝を載せるのか。 元々自社に興味のない学生より、「以前からこの会社に入社しようと思ってました!」 という学生のほうが熱意があっていいと思います。

 

企業が志望者を集めたがる理由

 とある高炉メーカーに就職した先輩から聞いた話によると、 「優秀な学生を採用したいため、母数を増やしたい」 ということでした。企業側から見れば志望者数を増やし、 優秀な学生を囲い込みたいのです。リクルーター面接はその典型です。

 ここまで学生側は無料でできるのですから、「うちってすごい会社なんだぜ」と宣伝すればプレエントリーは増えます。 そしてその中からリクルーターをつけて囲い込むのです。

 わざわざその会社に興味のない学生までプレエントリーさせて、 結局興味がないと判断された学生は落とされ、「熱意がある」と気持ちをねつ造した学生を採用します。 もちろん会社を知ってから熱意が湧いた人も多いでしょうが、 元々その企業を志望している学生の内定をもらえる確率を下げているのだから迷惑な話です。

 

採用活動はお金がかかる

 さらに迷惑な話であるのは、企業が「採用活動はお金がかかる」と言い出すところです。 学生にとっては知ったこっちゃありません。優秀な人材がほしくて勝手にお金をかけているのは会社側です。

 何も学生が「リクナビに情報掲載してくれ」と頼んだわけではありません。 それで「お金がかかる」等と言い、そのかかったお金を回収するため、 生涯そこで働くという熱意を表明しなければ内定が出ないのですからとんだ茶番です。

 

リクナビ、マイナビを使うメリット

 一方でリクナビ、マイナビの就活ビジネスにはメリットもあります。 経済の知識に欠ける学生にとってはいろんな企業を知る機会が与えられ、 コネがなくても会社のことを知る機会も生まれます。 またプレエントリーの手間が省けるというメリットもあります。

 よく勉強している学生にとってはメリットに乏しいです。 会社の宣伝なんて学校に求人票を送るだけでいいはずです。 求人票をみただけでは興味を持たないような、 リクナビ、マイナビの情報を受動的に受けるだけで自ら情報収集を図らないような学生が優秀であるとはとても思えません。

 企業はいかに情弱学生が興味を持つ広告を作れるかに固執し、そこにお金をかけ、 学生はリクナビ、マイナビの言うとおりに説明会に参加し、 就活マニュアル本に書いてある通りに「オンシャガー」「シャフウガー」「貴重なお話ありがとうございました」等と定型文を発し、 最後には企業から「貴方の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます」等というふざけたメールを受け取るのです。 いわば就活ごっこ。とてもくだらないと思います。

 

「就活」に従うしかない

 しかし学生には抵抗する力がありません。 お金も権力も職業もないのです。今このような体制に逆らったところで何も為せません。 学生が就活を苦に自殺したところでこのような状況は変わりません。

 今は我慢して就活ごっこに興じ、自らお金と権力を得て、 そのとき就活の仕方を変えてください。

 口先だけの「熱意」ではなく学生自らの努力による就活を実現したいものです。