【就活】就職留年を成功させるやり方|内定が取れる過ごし方
「不利」と言われがちな就職留年を成功させるやり方を解説します。 就職留年とは、就活で不本意な内定しか得られなかった場合や、内定が得られなかった場合に、 翌年度も新卒として就活するために留年することを言います。
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就職留年と就職浪人の違い
就職留年と就職浪人の違いは、大学に在学しているかどうかです。 前者は「卒業しない場合」で、後者は「卒業した場合(既卒とも呼びます)」を指します。
一般的に「既卒」よりも「新卒」のほうが有利だと言われています。 あえて単位を落とすことで留年し、翌年度も就活をやり直すことを「就職留年」と言います。
かつてバブル崩壊後の就職氷河期では、「新卒採用」か「中途採用」しかなかったため、このような就活のやり方が始まりました。 ですが、その後のリーマンショック後の就職超氷河期では「第二新卒」という制度ができ、 現在では「既卒」であっても新卒の枠に応募することができます。
また、「現役での就活に失敗した」場合の他に、「公務員試験に失敗した」場合も就職留年する人が多いです。 近年では大手志向が強まっており、「満足のいく内定」をもらうために翌年度の再挑戦を志すわけです。
不利になる?
「就職留年は不利」だとよく言われます。 「22歳と23歳では、22歳のほうが人気がある」という理論です。 ストレートで大学4年間を過ごし、そのまま就活をして新卒採用されるほうが難易度が低いと言われています。
また「ポテンシャル」という言葉を持ち出す人もいます。 22歳で面接官に認められた大学生と、22歳のときに面接官に認められなかった大学生では、 前者のほうが優秀で、現役の就活生よりポテンシャルが低く、不利だというのです。
ところが実は、年齢が1つや2つ高いくらいでは、ほとんど影響がありません。 「今が優秀なら良い」という考え方は、社会人ではよくある考え方です。
社会人生活は40年弱あるわけです。出世して取締役になると、定年というものがなくなります。 このとき「入社した年齢が23歳だったか24歳だったか」なんていうのは些細なことです。 何の問題にもなりません。実際、会社には浪人や留年の経験のある人はけっこう多いものです。
私が入社した会社では2浪2留の人が部長をやっていますし、私の同期にも2浪している人もいます。
会社内の階級は、年齢ではなく入社年度と役職です。 留年した、浪人した、大学院を卒業したなどは関係がありません。 いつ入社したかとなんという役職かが重要なのです。
就職留年は確かに有利ではありませんが、不利とも限りません。
ただし、採用担当者も結局は人ですから、「就職留年は出来損ない」という考え方をする人もいるでしょう。 ゆえに決して有利ではありません。
就活で浪人・留年経験を強みに変える
私が内定を得た会社では、私の浪人経験が決め手となりました。
一般的に浪人・留年経験はマイナス方向に働くことはあっても、プラスに働くことはないと考えられています。 しかし私は浪人をしていたために内定を取れました。なぜでしょうか?
そもそも会社で働くということは、頭を下げることが必須スキルになります。 私は営業職ですが、お客さんより上司や他部署に頭を下げることが多いくらい、 頭を下げる機会には恵まれています。あまり楽しいものではありませんが。
そこで浪人経験が活きてきます。役員面接だったのですが、
「浪人を経験したため、同い年の人相手でも頭を下げる事には慣れています。」
と述べたところこれが大好評。「その言葉が聞きたかった!!」と言わしめて内定です。
ここから言えることは、浪人・留年経験をデメリットとして考えず、 メリットに変えてしまう考え方をすればよいということです。 ピンチをチャンスに変える、とはこのことですね。
成功に導くやり方
1年目の就活に失敗した理由を考え、対策を取らない限り、そのまま「なんとなく就活」を続けても失敗します。 失敗の原因がどこにあったかしっかり検討し、万全の準備をして2回目の就活に挑み、就職留年を成功させましょう。
MY就活ネットでは筆者の失敗談の他に、筆者やその友人が「あっさり内定」を取った方法について、 次の記事で具体例を挙げて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
反省点1:スタートが遅かった
就活は「政府のルール上の期間」よりよっぽど早く始まり、早く終わります。 大学3年生の3月に始まると思っていたら、実際は大学3年生の6月に始まっていたことに後から気づく人が多いでしょう。
これは、インターンシップや説明会を「選考とは関係ありません」と念を押す会社にも責任の一端があります。 とはいえ愚痴を言っていても始まりません。2年目は夏のインターンシップからがっつり参加しましょう。
「内定直結インターン|優遇選考で早期内定」の記事でも解説していますが、就活は年々時期が早まっており、 企業は優秀な学生を早期に囲い込もうとします。その主戦場がこれまでリクルーター面接だったのに対して、 最近では夏~冬に行われる「1日インターンシップ」に移ってきています。
早期にたくさんの会社に接触すればするほど、持ち駒が増えて有利になります。 このように「新卒特有の就活のやり方」を知っておくことが、成功の秘訣です。
反省点2:チェックした会社が少なかった
就活はどれだけたくさんの会社をチェックしたかが成否を分けます。 エントリーシートを提出する数は30~50社は必要ですし、プレエントリーに至っては70~100社は必要です。 「行きたい」と思う会社をそれだけ見つけるのは至難の業です。
特に普段から名前を知っている「有名企業」に偏りがちです。しかし、有名企業とは消費者向けのビジネスを展開するBtoCビジネスに限られ、 このやり方では日本企業が本当に強いBtoB企業をすっかり見落としてしまいます。
「会社名」ではなく、「ビジネス」の視点で会社を選びましょう。 電機メーカーや機械メーカー、化学メーカー、 専門商社には優良企業がたくさんありますし、 消費者に知名度はないものの、高シェアを獲得している隠れ優良企業も紹介していますので、参照してみてください。
反省点3:エントリーシートの出来が悪かった
就活に失敗する最大の理由が「エントリーシートの出来が悪かった」ことです。 面接に呼んでもらえない原因は、エントリーシートにあります。
まず、選考で最も重要なのは「就職活動の軸」であり、 これと「社風」が一致していることをアピールできて、初めて土俵に乗れます。 もちろん単に「社風に共感した」というだけでは説得力がありませんから、その根拠として「自己PR」や「長所・短所」を構成するのです。
これをMY就活ネットでは「ES全体のストーリー化」と呼んでいますが、 ESがこの書き方になっていなかった場合、選考に落ちる原因はそれかもしれません。 この具体的なやり方は次の記事で解説していますので、参照してください。
就職留年の前に試すべきこと
上記の通り失敗を踏まえて、今年度中に就活を終わらせられないか、あきらめずに試してみるべきことがあります。
まずは、エントリーシートを作り直すことです。作り直して完成度が高まったエントリーシートは来年も使えます。 二次募集や三次募集で受かればもうけものですし、提出すれば完成度が高まったかどうかの確認もできます。 エントリーシートは今すぐ書き直しましょう。
また、今からでも間に合う内定の取り方があります。 もし就職留年が本意でなく、できれば今年度中に就活を終わらせたいと思っているなら、この方法を試してみましょう。
MY就活ネットのおすすめは、 「OfferBox」 です。
OfferBoxは「待ち」型の就活サイトで、SNSの要領でプロフィールを充実させていくと、 あなたに興味を持った企業の人事から「スカウト」が送られてくる就活サイトです。 時には「一次面接免除」「いきなり最終面接」などの優遇選考に招待されることもあります。
他のスカウトサイトとの大きな違いは、「企業による一斉送信ができない仕組み」になっていて、冷やかしの宣伝メールが来ないことです。 企業は限られた数のスカウトしか出せないため、本気のスカウトだけが来るのが特徴です。 これが人気を博し、就活生24万人が利用(OfferBox 2024年卒利用実績データより)しています。
一流企業やベンチャー企業はもちろん、BtoBの隠れ優良企業など15,000社以上が利用しています。 すでに学部3年生(修士1年生)の受付も開始しており、早い段階なら採用枠がフルで空いています。
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理由を聞かれたらどう答えればいい?
就職留年の理由を面接で問われることがあります。 「なぜ留年したの?」と聞かれるのです。厳しい質問だと感じ、「面接官が冷たい」と思う就活生も多いです。 これにより「就職留年は不利」だと思い込む大学生が多いのです。
しかし、面接官は留年したことを咎めているのではなく、単に面接のネタとして質問しているだけです。 留年の理由を予め考えておけば、それほど厳しい質問ではありません。
正直に話す
就職留年の理由を問われたとき、最も良いのは「正直に話す」ことです。
- 「どうしても御社に入社したかったので留年し、今年も御社の面接を受けに来ました」
- 「納得のいく内定がもらえなかったので、今年も再挑戦することにしました」
- 「去年は就活を軽視していて失敗したので、今年は万全の準備をしてきました」
といった具合です。1つ目は特に会社への熱意を示すことができますし、 2つ目は便利なもので、内定がなかっただけでも納得のいく内定がもらえなかったと言い換えれば、 去年全く内定が無かったという印象を回避できます。
3つ目は失敗を直視し、軌道修正をするという点で「素直さ」と「向上心」がアピールできます。
将来の夢のため
就職留年の理由として2番目に説得力のあるものは、将来の夢のためという理由です。
- 「どうしても受けたい講義がかぶってしまったので留年しました」
- 「やりたいことのために1年の空白期間を設けました」
海外旅行や海外留学、放浪の旅、創作活動、学問や研究など、「どうしてもやりたいことがあった」から留年したという理由です。 このような「前向きな留年」であれば、エントリーシートのネタにもなりますし、 面接官に「おもしろい」と思わせることもできます。
あえて留年した年に単位を取りまくり、「もっと勉強したかったのでわざと留年しました」というのも面白いかもしれません。
NG回答例
就職留年の場合、下手に嘘をつくほうがかえって危険です。 また、以下のように「事実だけを述べる」のは避けましょう。
- 「単位が足りなかったので留年しました」
- 「単位の計算を間違えていました」
- 「去年は就活に失敗しました」
ただの無能アピールで終わらせてはいけません。この経験を前向きに活かす姿勢が重要です。 正直に話した上で、「理由1」のように「前向きな姿勢」をアピールし、 または「理由2」のように「将来の夢のため」に活かすのです。
面接官に「留年してる間って暇でしょ?何してたの?」と聞かれることもあります。 就職留年をして学んだことや、挑戦したことなどがあればなお、良いですね。 「学生時代頑張ったこと」とは別に、「就職留年をして頑張ったこと」も準備しておくのです。
就職留年は2~4単位だけ残して行われることが多いです。残った時間は自由時間です。 もちろんアルバイトなどもあるでしょうが、留年している間は自由時間が増えるのです。 この時間を有効に活用して、一人旅に行くとか、海外旅行に行くとか、 資格などの勉強に打ち込むなど、何かやってみましょう。
就職留年を成功させ、一流企業に入社した人はいくらでもいます。 就職留年を就活だけに費やすのではなく、「留年してよかった」と思えるほどに有意義で、 楽しい生活を送ってください。
就職留年のやり方
就職留年のやり方には、3つの方法があります。
休学する
私立大学では「休学」を申請すれば認められる大学もあります。 就活に失敗したと感じたら、休学を利用してもう1年大学に在籍できるようにするのです。
休学している間にインターンシップに参加したり、会社説明会にいったり、 エントリーシートを事前準備したりして対策を進めましょう。
ですが、「休学」には海外留学や病気やケガといった理由を要求される場合も多く、 特に国立大学では使えない手段です。そんな場合は「就職留年のやり方3」を活用しましょう。
卒業延期制度を使う
大学によっては単位がそろっていても、就職留年を認めてくれる場合もあります。 関東では学習院大学、早稲田大学、青山学院大学、中央大学、成城大学、成蹊大学、日本大学。 関西では関西学院大学、同志社大学などが卒業延期制度=就職留年制度を採用しています。
卒業延期制度のある大学では、単位をそろえて卒業できる状態であっても、 学費を10万円ほど払うことで卒業を1年先送りすることができるのです。
理由の要求される「休学」よりはるかにハードルが低く、使いやすい制度ですが、 やはりこの制度も国立大学にはありません。
わざと単位を落とす
就職留年の方法として最も簡単なのは、単位をわざと取りこぼすことです。
2単位、あるいは4単位だけ残しておくのです。単位が足りなければ卒業できませんから、 いくら大学が「就職留年は認めない」といっても卒業させられてしまうことはありません。
私のいた大阪大学では就職留年はおろか、休学も認めてもらいにくい大学で、 さらには体育会の大会関係で講義を欠席しても公欠扱いにならない大学でした。 それでも単位が足りなければ卒業できませんから、就職留年ができます。
そして大学4年生の履修登録で2~3科目登録しておき、就活に成功すれば試験を受けて単位をもらい、 失敗すれば試験も受けず、単位ももらわないという方法です。
しかし内定をもらっても卒業できなければ意味がありませんから、 持ち込み可の講義やゼミを選んで、試験を受ければ確実に単位がもらえる講義を、 大学4年生で履修できるようにしておかなければなりません。
特にゼミはとりあえず出席しておき、就活に失敗したときに、 教授に「単位を出さないでください」とお願いすればだいたい聞き入れてもらえますのでおすすめです。
来年も同じ会社を受けるのはアリ?
就職留年して同じ会社の選考を受けるのは、大アリです。 「留年してでも入社したかった」と強い理由を言えるようになりますし、説得力もあります。
去年とまったく同じエントリーシートを提出しても、受かる見込みはありません。 なんといっても去年は選考に落とされているわけですから、 そのエントリーシートでは会社とマッチしていないと判定されたわけです。
ここでは「留年してでも入社したかった」とまで強い希望を持つのに至った経緯が必要です。 就活は「就職活動の軸」と「経営理念・ビジョン・社風」の一致が最重要ですから、 「私の将来の夢を実現するにはどうしても貴社以外の選択肢はありえなかった」とまでエントリーシートで述べる必要があります。
一方で、「内定をもらったのに留年して入社できなかった」場合は、同じ会社を受けてもダメでしょう。 内定者が単位が取れず留年をするのは、会社にとっては非常に迷惑な話で、 採用計画に従って採用人数を確保し、各部署への配属人数も決まっていたのにそれを裏切られるわけです。
会社にとっては入社直前に「内定辞退」をされたようなもので、いくらその就活生に熱意があったとしても、 一度裏切った人に対しては甘くありません。
私の在籍していた会社でも、「去年留年して来れなかった内定者が今年もエントリーシートを出してきた」と人事部が怒っていました。 「去年内定出したからって今年も内定がもらえると思ってるな?そりゃねえだろ!」と何度も繰り返しいっていました。 その就活生に苦言を呈する電話やメールをしたわけではありませんが、社内では相当イラついていました。
このような場合は同じ会社に応募しても、ほぼ不合格ですので別の会社の選考を受けましょう。
11月の今から最短で内定をもらうには?
志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)
模範解答があれば憂いなし!
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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