【就活】大手病の末路とその対策|知ってる会社の罠
「大手に落ちた」「大手に行けなかった」と悔やむ就活生のみなさん、安心してください。 「大手病は正しい」と思う方もいるようですが、「大手こそが優良企業」という考えの何が間違っているのかを詳しく解説します。
この記事の要点
- 大手病とは、有名企業に絞って就活をすること!
- 有名企業は採用倍率100~300倍の無理ゲー!
- 実は日本社会は、知名度のないBtoBビジネスのほうが儲かっている!
- 就活の軸を持てば、大手病を克服できる!
目次
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大手病とは?
有名企業じゃないと意味がないと思っている!
大手病とは、「有名企業にしか興味がない状態」を意味する言葉です。
例えば金融なら三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行しか認めない。 家電メーカーならソニー、パナソニックしか認めない。電力会社なら関西電力、中部電力しか認めない。 自動車メーカーならトヨタ、ホンダしか認めない・・・といった具合です。
このように、各業界の大企業の中でも特に最大手・財閥系などの有名企業しか認めない状態を、大手病と表現します。
大手病になる原因
大手病になる原因は、次の3つです。
- 有名企業=優良企業だと思っている
- 売上高が正義だと思っている
- 高学歴だから有名企業に行かねばと思っている
有名企業=優良企業だと思っている
大手病にかかる最大の原因が、有名企業=優良企業だと思っていることです。 ですが、実はそうではありません。
有名なのは、ビジネスの必要上から消費者向けに宣伝広告を行っているからです。 会社によっては就活生向けにCMを流すところもありますし、広告料を払ってリクナビ・マイナビに目立つよう掲載してもらう会社もあります。 広告を流した会社を優良企業だと思い込んでいるというわけです。
実際は、ビジネス界の有名企業と学生の有名企業は違います。 ビジネス界の有名企業は、ビジネスマンしか読まない「日経ビジネス」などの雑誌にしか広告を出さず、 またそのようなビジネス誌で特集記事を組まれても、学生は知らないままです。
売上高が正義だと思っている
もう1つ大きな原因が、売上高が正義だと思っていることです。 ですが、やはりこちらもそうではありません。
売上高が正義なのは、「まったく同じ商品を売った場合」です。そう、これは小売店を評価する指標なのです。 実際、総合商社のランキングは「売上高」ではなく「利益額」で作られます。 なぜなら、「たくさん商品を売ったとしても、利益を取れなきゃ意味がない」からです。
基本的に「汎用品」を作る会社は大量に売りますから、売上高が高くなります。 しかし一方で「高機能品」を作る会社は「少量多品種」で売り上げはあまり上がりませんが、 替えが利かないので利益をたくさん取ります。
このようにして実は、「キーエンス」「ファナック」「SMC」「ディスコ」「東京エレクトロン」「ヒロセ電機」などがとんでもない利益率を出しているのですが、 いずれも「大手病」にかかった人からはスルーされる企業群です。 大手病は、本当の勝ち組企業を逃してしまいます。
最大手に比べて売上高が低めの「準大手ゼネコン」「専門商社」に至っては、平均年収が900~1000万円あるのに、 就活では競争倍率が10倍しかないという穴場になっています。完全に「売上高」に惑わされています。もったいないですね。
→穴場!専門商社への就職|100社の業界研究・志望動機・平均年収
高学歴だから有名企業に行かねばと思っている
高学歴が大手病になる原因は、高学歴だから有名企業に行かねばと思っていることです。
周囲からそんな期待を背負っていたり、友達や先輩が大手企業に内定をもらったりすると、 自分も大手に行かなければならない気がしてきますよね。
「マーチを出たのに大手企業じゃない」「旧帝大を出たのに最大手じゃない」 という劣等感にかられたくないがために、大手企業にしかエントリーシートを提出せず、 最終的にどこからも内定をもらえないという事態を招いてしまうのです。
ですが、上でも述べた通り「有名=優良」でもなければ「売上高」も正義ではありません。 「ビジネスマンの評価する企業」と「学生の評価する企業」は違いますから、 就職すれば「優良企業」の概念がごっそり入れ替わります。
その時、こう思うことでしょう。 「なぜテレビCMをやっているだけの理由で、会社を選んでしまったんだろう」
→高学歴就活の失敗の末路とその理由|メリットを活かし有利になる方法
大手病にありがちな就活の失敗例
有名企業は競争率が高すぎる!
大手病にかかった人は、知っている会社かどうかが会社選びの基準になってしまいます。 ですが、就活生がもともと知っている会社は「BtoC企業」に限られ、 要は一般消費者の感覚であり、ビジネスに携わる社会人としての感覚ではありません。
有名企業の採用倍率は100~300倍にも及び、そのわずかな枠を「学歴」だけで取れるはずがありません。 結局は書類選考、よくても一次面接で落ちまくるのが大手病の就活失敗例です。
そもそも就活は「優秀な人」が採用されるのではなく、「会社のビジョンと一致している人」が採用されます。 「就活の軸」を前提とした就活をしなければ、有名企業以前の問題になります。
BtoBをナメてはいけない
日本は知名度の低いBtoBのほうが得意!
「BtoB?有名企業のほうがBtoBでも有利に決まってるでしょ!」
そう、それこそが一般消費者の感覚です。一般消費者は「なんとなく」で買い物しがちです。 CMなどを通じて名前を知っている会社の製品を「なんとなく」買います。 ですが、ビジネス界ではまったく違います。
会社の調達部門は「品質の要求水準」「価格」「納期のスケジュール」など様々な事情を総合的に考慮して、 合理的に購入します。「テレビCMで見たことがある」なんて理由で仕入れ先を決めようものなら、 クビになるでしょう。
技術力やアフターケア体制がモノをいう世界で、日本企業はBtoBビジネスが大得意です。
例えば「半導体産業」では、NECや富士通の他、ソニーやパナソニックのテレビ・パソコン・スマホはどれもうまくいっておらず、 サムスンやアップルにやられっぱなしですよね。ですが、その中身はほぼ日本のBtoB企業がつくった部品なのは知っていると思います。
これを単に「サムスンやアップルの下請け」程度に考えるのも、やはり一般消費者の感覚です。
本当に強いのは替えが効かない会社!
ビジネス界では替えが効かない会社こそが強いのです。 中国や韓国がたびたび「半導体材料」「半導体製造装置」の貿易問題で大騒ぎしますが、 それは、日本の化学メーカーや機械メーカーが売ってくれなくなったら、文明が崩壊するからです。
ほかの企業にはつくれない高度技術で圧倒的シェアを取っている製品が多く、 問題になっている「フッ化水素」や「レジスト」の他にも「半導体封止材」「シリコンウエハー」など、 日本企業が50%以上のシェアを持っているものが非常に多いのです。
これらが手に入らなかったらBtoC企業は商売になりません。
このようなBtoB企業群は日経ビジネスなどのビジネス誌では頻出の超有名企業ですが、 一般消費者は知りません。なぜなら、一般消費者を相手にしたビジネスではないからです。
このような感覚のまま就活をして、「知っている会社」に就職してしまったら悲惨です。 取引先に「ビジネス界では有名」な替えが効かない会社が続々出てきて、 調べたらそっちのほうが待遇が良かったり、ホワイト企業だったりします。
真面目に就活すればよかったと後悔すること間違いなしです。
そして、そのような学生には無名の大手企業には、スカウト型就活が有効な手段です。 実は、大手企業ほどスカウト型採用をしているデータと理由があり、 「中小企業ばかり」「ブラックばかり」と疑問を持っている方は次の関連記事をぜひ参照してください。
大手病の基準
有名な最大手ばかり狙うのは自爆行為!
大手病の基準は、自慢するために会社を選んでいることです。
「会社名を自慢したい」という気持ちが少しでも入っていれば、それは大手病です。 一方で「製鉄業界なら高炉メーカーがいい」「化学メーカーなら誘導品メーカーがいい」「プラント業界なら製鉄系がいい」のように、 自慢目的でない場合は、志望先が最大手であっても「大手病」とは言われません。
「こういう事業がいい」「こういう社風がいい」といったビジネスに注目した会社選びならOKというわけです。
マーチの大手病
学歴に見合った会社などない!
マーチは疑う余地のない高学歴な大学群です。 しかし、マーチなどの高学歴な大学生ほど大手病にかかってしまいます。
なぜなら高学歴ゆえに、「大手企業に入社しなくてはならない」という無駄なプレッシャーが発生するからです。 親戚や友人を安心させたい、学歴に見合った会社に入りたいという気持ちもあるでしょう。 しかし、実は「学歴と有名企業」には何の関係もありません。
有名企業は単に「テレビCMをして消費者向けのビジネスをしている」に過ぎず、 それが儲かっているかどうか・将来性があるかどうかとは全く関係がないからです。 このことに気づかないまま就活をすると、内定がもらえないまま時期を逃します。
そしてそのまま卒業して既卒になったり、就職留年をしてなお有名企業を狙い続け、 また失敗するという繰り返しになってしまいます。
大手病の末路
就職留年しても無駄!
大手病の末路は、就職留年・浪人の繰り返しです。
実は内定がもらえる条件は、「学歴」ではなく「ビジョンの一致」です。 これに気づかないまま有名企業ばかりに突撃していると、書類選考・一次面接落ちを繰り返す羽目になります。 留年して「面接に慣れた」「文章力がついた」程度ではどうにもなりません。
会社名が自慢になるのは「学生の間だけ」です。 就職すればビジネス目線で会社を見ることになるので、優良企業の基準がガラっと変わります。
「有名企業以外」を後回しにするのはやめて、今すぐビジョン重視の就活に切り替えましょう。
大手病を克服する
就活の軸を持とう!
大手病を克服するには、就活の軸を持つことが必須です。 仮に応募先が有名企業であっても、そうでなくてもビジョンがなければ総合職の内定は取れないからです。
総合職とは「経営幹部候補生」であって、将来的に起業家のように会社を背負って立つ役割を求められます。 そこまで「当事者意識」をもって働くには、「理想の未来をビジネスで実現したい」という強い気持ちが必要です。 それゆえ、就活ではビジョンの一致を前提にして内定が出るのです。
もちろん「あなたのビジョン」が有名企業の経営理念と一致しているなら、応募してかまいません。 しかし、ビジョンが一致していない会社には応募するだけ無駄です。 ビジョンを軸にして会社を選ぶから「就活の軸」というのですね。
そう、結論はあくまで「就職活動の軸」であり、その他の要素は置いておきましょう。
就活の軸・ES作成の支援アプリを使おう!
就活の軸・ES作成には、「【キャリアチケットスカウト】 」という就活アプリ(完全無料)を使うのがおすすめです。
このアプリでは5つの質問に、回答を選択するだけで自己分析が完了し、アプリ起動から「3分」で就活の軸を持つことができます。 またESの定番である「自己PR」「他己分析」「自分史」などもテンプレートに穴埋めするだけで作成でき、 説得力あるESがスマホ1つでできるようになっています。
加えて、作成した「就活の軸」「自己PR」を企業の人事が見て、特別選考にスカウトされる機能もあります。 もちろん辞退してもいいのですが、スカウトが来れば説得力あるESができた証拠になりますよね。 すでに書類選考突破の状態ですから、そのまま選考を受ければ早期内定を確保することも可能でしょう。
11月の今から最短で内定をもらうには?
志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)
模範解答があれば憂いなし!
あなたのエントリーシートは100点満点ですか? …と言われても、わかりませんよね。自己採点するにしても、その基準となる模範解答がなければどうしようもありません。
もしこのまま提出して、果たして大丈夫でしょうか。
そこで先輩が実際に内定をとったエントリーシートを使いましょう。 それと比較して何が足りないのか、どう書けばいいのかがわかれば、自ずと完成度が高まっていきます。
「Unistyle」では、歴代就活生の合格エントリーシートを無料閲覧できます。
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ぜひ自分のエントリーシートの見直しのために、作成の参考のために手に入れておきたいですね。
自分にぴったりのインターンシップを見つけよう
インターンから内定まで口コミが満載!
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そこで、ワンキャリアのサマーインターン特集を見てみましょう。 締め切り前のインターンが一覧で表示されていて、詳細ページに進むとそのインターンの口コミを読むことができます。 また、会員登録すると「自分の大学での人気企業」が見れたり、「内定・選考直結型インターン」への参加申し込みもできます。
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
→Xのアカウントページ
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