【就活】熱意とは?|志望動機や自己PRでの伝え方
就職活動において、「熱意」をどのように伝えるかは非常に重要です。 しかし、単に「貴社が第一志望です」と述べるだけでは、説得力に欠けます。 効果的な熱意の伝え方は、エントリーシート全体を通して「なぜその会社を志望するのか」を一貫して示すことです。
目次
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就活の熱意とは?
貴社と私は、同じ目的のために生きている!
就職活動で問われる熱意とは、入社意欲のことです。
ですが、ただ「貴社が第一志望です」と述べても説得力がありません。 そこで、「第一志望である」ことの根拠をエントリーシート全体で表現する必要があります。 その方法が、「会社の経営理念・社風と一致した就職活動の軸」と、「就職活動の軸に対する一貫した強い姿勢」をアピールすることです。
例えば自動車メーカーのSUBARUは「交通事故ゼロを目指す会社」です。 志望動機には「交通事故をなくしたい」と書くのですが、それだけでは不十分です。 ですが、もし「学生時代頑張ったこと」に「交通事故をなくすために取り組んだこと」を書いていれば、その志望動機に説得力が出ます。
その上でエントリーシート上に「企業の求める人物像」の要素をアピールしていれば、 企業は「自社への熱意がある」と判断できるということです。
一方で、ただ「交通事故をなくしたい」「社風にあこがれた」「経営理念に共感した」と書くだけで、 その想いを裏付けるようなエピソードがエントリーシート上に見られなければ、熱意がないとみなされてしまいます。
企業が採用選考で重視する3項目
重視するのは「人柄」「熱意」「可能性」!
企業が採用選考で重視しているのは、次の3項目です。
- 1位:人柄:93.9%
- 2位:自社への熱意:76.5%
- 3位:今後の可能性:67.4%
これは就職みらい研究所が企業向けに実施したアンケート結果で、例年この3つが上位を占めています。 就職活動で問われる「熱意」には「人柄・自社への熱意・今後の可能性」の3つが含まれています。 特に志望動機では「貴社でなければならない」という熱意を示す必要があります。
ですが、ただ「貴社でなければならない」といっても説得力がありませんよね。 そこで志望動機の根拠として、エントリーシートすべての項目を利用するのです。
就職活動の軸を持とう
自己分析はすべての大前提!
熱意を表現するのに前提となるのが「就職活動の軸」です。 これは「自身の価値観や経験を元にした人生の方向性」のことですが、例えば以下のようなものを指します。
- 交通事故をなくせる会社に入社したい
- 「家事をなくしたい人」が多い会社で働きたい
- 「楽をしたいという面で」人の役に立ちたい
- 「自動化の面で」社会貢献がしたい
これが「会社の事業内容・経営理念・社風などと一致している」ことが熱意を伝える前提条件です。 ゆえに、エントリーシートを作成する前に「就職活動の軸」を持っておくことが必要です。 この作業のことを「自己分析」と言いますが、済んでいない場合は次の記事を参照してください。
志望先の経営理念や社風を調べておこう
貴社の求める理想はなんですか?
熱意を表現するには、志望先の経営理念や社風を事前に知っておく必要があります。 そこで、次のような方法でこれらを調査しておきましょう。
- 企業のwebサイトを熟読する:特に経営理念・社長メッセージ・採用メッセージ・求める人物像など
- 採用パンフレットを熟読する:その企業が事業を通じて何を目指しているのかを知る
- 社員に質問する:インターンシップ、OB・OG訪問、会社説明会などで、仕事で感じるやりがいや実現したい理想について質問する
- 企業の中期経営計画を検索して読む:企業が3~5年間で達成したい目標が記述されている
熱意が伝わるエントリーシートの書き方
ES全体をストーリー化しよう!
エントリーシートを、熱意が伝わる書き方にするためには、エントリーシート全体をストーリー化することを心がけてください。 これを例にすると、以下の通りです。
私は「交通事故をゼロにする(就職活動の軸)」という大きな目的があります。 そのために学生時代は「子どもの通学を見守るボランティア活動(学生時代頑張ったこと)」に力を入れて取り組み、 その中で「興味のないことでも愚直にやり抜けるという長所」を見出しました。
一方で「うっかりミスが多いという短所」がありますが、「指差し確認を習慣化して克服しよう」と取り組んでいます。
以上より、「交通事故をゼロにする」ことを全社で共有している貴社は、 私が目的を果たすに最適な企業であり、志望するに至りました。
自己PRでの熱意の伝え方
自己PRでの熱意の伝え方は、「就職活動の軸を前提とする」「企業の求める人物像であることをアピールする」の2点に注意することです。
SUBARUの例では、採用サイトにて「求める人物像」として次のように掲げられています。
- 想いをカタチに出来る人材
- バイタリティー(課題達成力)
- 創造力(課題形成力)
- コミュニケーション力
これらに合致した人材であるとアピールできれば、「熱意」に説得力を出すことができます。 そこで自らの取り組みの中から、これらに当てはまる要素を書き出してみましょう。
想いをカタチに出来る人材 | 交通事故をなくしたい |
---|---|
創造力 (課題形成力) | 落ち着きのない子どもに、交差点で立ち止まってもらう必要を感じた |
コミュニケーション力 | 子どもに人気のタレントの振る舞いをアレンジして、みんなで一時停止を呼びかけ合う習慣を形成した |
バイタリティー (課題達成力) | 自身は興味のないタレントを研究し、目標を実現することができた |
そして、下記の通りに清書します。
熱意を伝える自己PRの例文
私は、想いをカタチに出来る人材です。
その根拠は、「交通事故をなくしたい」という想いを元に、 通学する子どもに「交差点で一時停止する」習慣を身につけてもらうことに成功したことです。
学生時代は「子どもの通学を見守るボランティア活動」に力を入れて取り組みました。 この取り組みの中で、落ち着きのない子どもに交差点で立ち止まってもらう必要性を感じました。 しかし、口頭で注意するだけでは言うことを聞いてもらえません。
そこで、子どもに人気のタレントの振る舞いを研究し、それをアレンジしてポーズをとってみせて、 子どもに真似をしてもらうという対策を講じました。 これが功を奏し、みんなで一時停止を呼びかけ合う習慣を形成することができました。
以上より、私は自身を「想いをカタチに出来る人材」であると自負します。
冒頭を結論で始め、最後も結論で締めくくる構成を「PREP法」と呼びます。 「結論・理由・具体例・結論」の順番に記述することで、伝わりやすい文章になります。
参考:PREP法とは?【例文付き】で相手に伝わる文章の練習方法をわかりやすく解説|Chatwork
志望動機での熱意の伝え方
志望動機での熱意の伝え方は、次の3点に注意することです。
- 就職活動の軸と経営理念・社風の一致をアピールする
- 社風を確認した具体的な方法
- 自身が企業の求める人物像に合致していることをアピールする
ただし、前提としてエントリーシートの他の項目が、志望動機の根拠となるように書いていなければ、 この方法を利用しても説得力が出せず、熱意がないとみなされてしまいます。 ゆえに、必ずエントリーシート全体をストーリー化することを心がけてください。
上記3点の要素を取り入れた例文は、次の通りです。
熱意を伝える志望動機の例文
貴社の「交通事故をゼロにする」という社風と、私の「交通事故をなくしたい」という将来の夢が一致しているため、入社を志望します。
私は就職活動にあたって貴社webサイトを拝見し、安全を重視する経営理念や事業内容に共感しました。 それを現場で確認するため貴社インターンシップに参加し、多くの社員の方と話をする中で、 「交通事故をゼロにする」ことを全社共有の目的としていることを確認できました。
これまで述べてきた通り、私は「交通事故をなくす」という大きな目的に向かって、 創造力を働かせ、コミュニケーション力を活かし、バイタリティーを発揮してきました。 恥ずかしいことでも愚直に取り組む私の姿勢は、貴社の求める人物像と一致していると自負しています。
以上より、私は「交通事故をゼロにする」という目的に向かって、 それをカタチにしていく仕事がしたいと思い、貴社を志望するに至りました。
志望動機の作成に関して、詳しく解説した記事がありますのでそちらもご覧ください。
面接での熱意の伝え方
面接での熱意の伝え方は、次の4点に注意することです。
面接で熱意を伝える方法
- 最初に結論を述べる:理由や具体例で詰まっても、結論さえ述べていれば面接官は聞いてくれる
- 明るく大きな声で話す:「言い間違い」より「声が小さくなること」のほうが減点対象
- エントリーシートの内容を丸暗記しない:ストーリーとキーワードで覚える
- 会社を褒めることに終始しない:就職活動の軸と経営理念・社風の一致が最重要
最初に結論を述べるのは、エントリーシートと同様にビジネスシーンでの常識です。 結論のわからない話は頭に入ってこない一方で、結論がわかっていれば、 たとえ理由や具体例で言葉が詰まってしまっても面接官がリードしてくれます。
なぜなら、緊張で詰まる学生は珍しくなく、それは入社後に新人教育で鍛える能力だからです。 同様に明るく大きな声で話すことを忘れないでください。 声が小さくなると「自信のなさ」と捉えられてしまいます。
加えて、エントリーシートの内容を丸暗記して臨んだ場合、「本心ではないから丸暗記したのだ」と思われてしまいます。 あえて「書いた通り」を外すことで、内容が本心であると認めてもらえます。
上記の志望動機の例では、重要なのは「交通事故をなくしたい」ことです。 それが企業と一致していることさえ言えたら、あとは理由を付け足していくだけです。 話慣れている必要はないので、その点は安心してください。
また、面接での立ち振る舞いのコツについては、次の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
逆質問での熱意の伝え方
面接では逆質問で熱意を伝えることができます。 「最後に一言」や「言い残したことなどはありませんか」などと聞かれた際に、効果的な質問を紹介します。
熱意が伝わる逆質問
- 内定後はどのように過ごされたか教えてください。
- 仕事をする上で役立った本を教えてください。
- 新人時代に「あれを学んでおけばよかった」と思ったことを教えてください。
- 今大学生に戻ったら、何を学びたいか教えてください。
- 営業部に配属されるには、新人研修でどのような活躍をすれば良いか教えてください。
- 優秀だと思う後輩の条件を教えてください。
熱意の伝わる質問は、入社後のことを質問するのが良いでしょう。 多少前のめりではありますが、「この学生はもう内定をもらった気分だ」と思わせることができれば、 「内定を出せば迷うことなく入社を決めてくれそうだ」と入社意欲の高さを認めてもらえます。
逆に次のような質問はNGです。
- 調べたらわかるような質問:「業績について」「初任給や勤務地について」
- 応募前に聞くべき質問:「経営理念や社風について」
- 待遇に関する質問:「残業について」「ボーナスについて」
これらは面接官に「企業研究が不十分」と判断されたり、「回答によっては内定を出しても辞退するのではないか」と疑念を抱かせます。 また同様に、単に「御社が第一志望です」と言うのもやめましょう。志望動機で十分に言ったことのはずだからです。
熱意の伝え方のまとめ
熱意を伝えるためには、エントリーシート全体を通じて一貫したストーリーをつくり、 具体的なエピソードで「志望動機の根拠」を示すことが重要です。
企業研究では「その企業が事業を通じて何を実現しようとしているのか」を見極め、 またインターンシップやOB・OG訪問、会社説明会などを通じて社員と接触し、 社風を肌で感じましょう。
こうすることでより一層、熱意を効果的に伝えることができます。
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志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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