【就活】積水化学工業の就職難易度|強みや志望動機・選考情報!
積水化学工業の就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | 積水化学工業 |
---|---|
就職難易度 | 高い |
売上高 | 1兆2565億円 |
採用人数 | 事務系:40名程度 技術系:80名程度 |
初任給 | 学部卒:240,000円 院卒:257,000円 |
平均年収 | 912万円 |
年間休日 | 125日 |
経営理念 | 積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。 |
参照:積水化学工業|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:積水化学工業|募集要項(初任給・年間休日)
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就活情報・選考の流れ
積水化学工業の選考は、ES提出と同時にWEBテストが行われ、面接は3回です。 加えて10月1日から募集開始とかなり早いです。また「住宅」「化学」それぞれカンパニー別での応募となっています。 一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度は、高い!
積水化学工業の就職難易度は、高いです。 化学メーカーではありますが、住宅部門の「セキスイハイム」で有名なため、就職人気は高いです。 採用人数は文系40人、理系80人とメーカーでは多めですが、就職が難しいことに変わりはありません。
ただし内定者の学歴に偏りはなく、よってESの内容、人物重視で選考が行われますので、誰でもチャンスがあります。 特にインターンシップを通じて早期に接触し、会社理解を深める・活動中に高評価を得ることは、 本選考においても有利に働くでしょう。
積水化学工業に必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
面接は、3回!
積水化学工業の面接は、回数は3回で、一次面接のみグループ面接で、後は最終面接まで個人です。 面接内容は、いずれも次のような質問がされ、雰囲気は和やかです。
- 学生時代頑張ったこと
- 入社後に挑戦したいこと
- 志望動機
- 海外勤務に抵抗はないか
- 英語への意欲
ESに沿った内容で進められますが、すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社では、リクルーター面接やインターン優遇制度などはありません。 しかし特に化学メーカーである同社は事業のイメージがつかみにくく、 プレエントリーまで待っていると会社の理解が追いつきません。
インターン参加者は裏で評価シートをつけられており、活躍すれば必ず評価されます。 またESも書きやすくなるため、志望度が高い場合はインターンシップへの参加が必須でしょう。 特にインターンの段階で同社を知る人はかなり少ないので、有利に参加できると考えられます。
特に「英語への意欲」や「素材メーカーの中でもなぜ鉄鋼・非鉄ではなく化学なのか」「化学メーカーの中でもなぜ積水化学工業なのか」は、 主に二次面接で突っ込んで問われます。「TOEICの受験」や「志望動機」の準備は事前にしっかりやっておきましょう。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
積水化学工業へのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESの内容は「学生時代頑張ったこと」「自己PR」「将来どんなことに挑戦したいか」の3本です。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
積水化学工業の志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。 同社の経営理念は、次の通りです。
積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。
ここから導き出せる志望動機は以下の通りです。
- 環境・社会課題に及ぼす影響が大きいから
- ものづくりの根幹のリーディングカンパニーであるから
- 新しいことに挑戦する姿勢に惹かれた
- 世界に驚きと感動を与える仕事
- 変化に強い経営基盤に魅力を感じた
- 非常に幅広く事業を展開しており、技術の応用に積極的であること
- 新技術の応用をする仕事がしたい
- グローバルな環境に魅力を感じた
- 様々な技術を結集して作られる製品にモノづくりの魅力
- 社会に新しい価値を提供したい
志望動機では同業他社との比較検討が欠かせません。一般的には会社の強みで比較したくなるものです。 ですが、「事業ごとの売上高」や「事業内容」「海外売上比率」などで比較するのは得策ではありません。 というのも、同業他社はどこも同じ事業をやっていて、就活生の視点で比較するのは至難を極めるためです。
最適なのは「経営理念・ビジョン・社風」と「就職活動の軸」の一致具合をアピールする方法です。 経営理念や社風といったものはその会社に唯一無二のものであり、 会社の持つ「夢」とあなたの持つ「夢」が一致しているほど、志望動機として説得力のあるものは他にありません。
先にも少し触れましたが、エントリーシートは「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」 と述べる「『将来の夢』実現ストーリー」になるように構成されています。 このように、志望動機に書くことは最初から決まっているのです。
「就職活動の軸」が海外に関連するものであれば、「海外展開に積極的な社風」、 環境に関連するものであれば「環境問題に積極的」というように、会社の性格で一致したものを書きましょう。
ですから、ここにある志望動機もほんの一例にすぎません。 あなたの将来の夢と、会社の企業理念・ビジネスの目的を結びつけて考えて、志望動機をつくるのです。
そのためにはまず、自己分析をして、就職活動の軸を導き出さなければなりません。
また、文系向けに「メーカーの志望動機の書き方」を例文付きで、次の関連記事で解説しています。 同社のESでも使える内容ですので、ぜひ参考にしてください。
→【文系専用】メーカーの志望動機|必要な人材認定をもらうコツ
「Unistyle」という就活サイトでは、積水化学工業に実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
積水化学工業の強み・特徴
同業他社とは経営理念で比較しよう!
積水化学工業の強み・特徴は、汎用品から高機能品、そして住宅と川上から川下までの総合化学メーカーである点です。
積水化学工業は「住宅・社会インフラ」に強い化学メーカーで、素材から高機能品まで建材関連商品のラインナップが目立ちます。 加えて「セキスイハイム」のブランドで知られる住宅まで事業展開しており、「ハウスメーカー」としての側面も持ちます。 一方で培った技術力を背景に「電子部品」や「自動車部品」にも進出しており、新領域に挑戦的な会社だと言えますね。
同社は、長期ビジョンに込めた思いとして「フロンティア開拓」を挙げています。
フロンティア開拓
積水化学グループに脈々と流れるフロンティア開拓精神をもって、事業の深堀と領域拡大を行うと共に、新たな価値を創出します。
フロンティア開拓では「裾屋の幅広い事業展開」をしている点で社会の接点が多く有利です。 セキスイハイムという「ブランド」を生み出した実績のある同社は、マーケティングのスキルがあるとも言え、 「BtoC事業」の開拓すら可能であるという強みがあります。
フロンティア開拓の具体例として「快適な暮らし」を挙げていますが、 「電子部品」や「内装資材」を組み合わせれば、住宅のみならず、航空機や鉄道・駅の待合室など、さまざまな場所で活躍できる余地があります。
ビジネスモデル
儲かる高機能品に注目!
積水化学工業を始めとした素材メーカーには、「量産品」と「高機能品」の2つのビジネスがあります。
前者は大量生産によって「いかに安く作れるか」が勝負のカギとなり、 悪く言えば薄利多売です。企業規模がモノを言い、「1位以外は負け」という厳しい世界です。 はっきり言って量産品は儲かりません。
後者は替えが効かないことが勝負のカギとなり、職人気質の日本企業が大得意とする分野です。 企業規模とは関係なく、少数精鋭で爆益を叩き出すことが可能です。 つまりは高機能品は儲かると言えます。
日本企業は工場用地や人件費、為替などの関係で量産品が不利な一方で、 職人気質が幸いして世界を独占する高機能品をつくるのが得意です。 よって、この業界は「知名度」や「売上規模」ではなく「儲かる高機能品をどれだけ持っているか」という視点で注目しましょう。
化学メーカーの経営が安定している理由
生産の上流工程だから!
化学メーカーは、就活では「隠れ優良企業」と呼ばれます。 儲かっていて給料が高く、その一方で残業や休日出勤は少なめでほとんどがホワイト企業という業界です。
化学メーカーの高待遇を支えるのは、その経営の安定性です。
それはほかの素材メーカー(製鉄・非鉄金属業界)と同様、素材メーカーであることが大きな理由です。
一般に、消費者を相手としたBtoCビジネスは経営が安定しません。 というのも、消費者は製品の「性能」より「雰囲気」や「流行」などあいまいな基準で購入を判断するからです。
日本国内でも性能面だけを見れば、国内電機メーカーのつくるスマートフォンのほうが良いにも関わらず、 iPhoneが売れ続けます。ディスプレイもソニーやパナソニックではなく、サムスンやLGが売れますよね。
ですが、素材メーカーにとっては消費者がどの会社の製品を手に取ろうが、関係ありません。
ソニーが売れなければ、サムスンに材料・部品を売ればいいからです。
このように「原料→材料→部品→最終製品」という一連の工程で、 上流工程を抑えている会社ほど経営が安定するというメーカーの特徴があります。
これが化学メーカーの経営が安定していて、高収入を実現する秘密です。
主要取引先
積水化学工業の主要取引先は、事業が非常に多岐に渡るため、取引先も多いです。 そのため積水化学工業はあまり直接顧客とは取引をしていません。基本的には建材商社、総合商社などを相手に取引を行っています。
商社をはさむメリットといえば、なんといっても「与信調査」と「顧客のまとめあげ」をしてくれることです。 積水化学工業は顧客が多岐にわたりますが、例えばゼネコンやメーカーを1つ1つ調べて「商品の代金を払ってくれそうかどうか」なんて調査していられません。 「代金が支払われるかどうか」の調査を「与信調査」と言いますが、商社はこれを代行してくれます。
また、工場などから注文を受けて商品を製造するのでは効率が悪すぎます。 そこで、商社が注文をつのって取りまとめ、「大口注文」として積水化学工業に発注するのです。
そして、積水化学工業が独自に顧客を開拓するより商社はもともと販売ルートを持っていますから、 商社に任せた方が楽にたくさん売れるというメリットがあります。 その分、研究開発、新製品の開発、販売促進に力を注げるというわけです。
競合他社
積水化学工業の競合他社は、主に旭化成など建材を取り扱う化学メーカーに加え、汎用品では三菱ケミカルや住友化学などの総合化学メーカーが競合他社となります。 ですが、建材や電子材料などの高機能品は各社で住みわけができており、あまり激しく競合しているわけではありません。
高機能品は高い技術力が必要で、かつすでに安定した製品群があり、あまり激しい競合もしていないことから、 基本的に競争は研究開発で起きると考えられます。 この点、積水化学工業は「川下まで」の事業展開をしていることからビジネスチャンスへのアンテナが高く、この点で有利に立てるでしょう。
加えてコモディティ製品はすでに必要な技術水準を満たしてしまっていますから、 この分野で大きな利益を取ることはできず、企業規模の大きい会社ほど安く作れることから「プラスチック」「塩化ビニル」の素材の面では、 積水化学工業にとってはいずれ不利になります。
そのための「フロンティア開拓」であり、もとより技術力を活かして他分野に進出してきた実績のある同社は、 危機を予測して対応する力は非常に高いということができます。
弱み
積水化学工業の弱みは、「カーボンニュートラル」への圧力の高まりです。 石油化学を手掛ける以上、二酸化炭素の発生は避けられず、それが環境活動家からバッシングを受ける原因になります。
これが「炭素税」などの新たな課税の他、禁輸措置などで政治利用されることも考えられます。 加えて植林活動などでCO2の回収・減少に取り組むのはシンプルに「コスト」としてのしかかるだけでなく、 活動家のヒステリックなバッシングでは「CO2を排出している」部分にのみ着眼されることもあるでしょう。
特に自動車分野では欧州で「日本車排除」を目的としているとしか思えない規制(ハイブリッド車規制など)を連発しています。 積水化学工業には外国政府に対するロビー活動や、大規模な海外拠点を増やしてグローバル化を一層進めるなどの対応が必要でしょう。
ただし、化学メーカーのみならず鉄鋼・非鉄金属などの素材メーカー、 それを利用する部品メーカー、果ては自動車や家電などの最終製品メーカーに至るまで、モノづくりの企業は同じ条件です。 ゆえに、積水化学工業特有の弱みというわけではありません。
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積水化学工業のような優良企業に内定をもらうには?
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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