【就活】食品メーカーの就職は難しい?|44社の業界研究!
食品メーカーへの就職に役立つ就職難易度や選考・面接対策、エントリーシート・志望動機の書き方の他、強みや年収・ランキングなどを解説しています。
この記事の要点
- 就職難易度は、非常に高い!
- 文系でも就職できる!むしろ求められている
- 最強スキル「マーケティング」が身につく業界
- TOEICスコアが低くても書いて、英語のやる気をアピールしよう
- 定番商品が次のヒット商品を生む好循環!
目次
おすすめ・人気記事
食品メーカーの就職は難しい
就職難易度は、非常に高い!
食品メーカーの就職難易度は非常に高いです。 BtoC業界であるため学生への知名度が高く、就職人気は高く、ライバルとなる学生が非常に多いためです。 応募者数は各社5,000~6,000人にもおよび、就職倍率は200~300倍にもなります。
採用大学は東大・京大をはじめとした旧帝大・有名私大・海外大学で占められ、 かつ内定者のスペックも高く、「留学経験・起業経験(NPO法人・会社)」など華々しい実績を持つ学生が多いです。 ゆえに学歴フィルターは「MARCH・関関同立以上」だと言えます。
そのため、高学歴な学生でもインターンシップで活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができません。 特にビール大手4社(サントリー、キリン、アサヒ、サッポロ)日清食品、JT、味の素などのテレビCMや広告を通じて知名度の高い会社は、就職が非常に難しいと言わざるを得ません。
ですが、インターンシップの段階で完成度の高いエントリーシートをぶつけることができれば、 学歴に自信がなくても選考で有利になることができます。 食品メーカーを志望するなら、必ずインターンに参加しておきましょう。
就職できる大学は?
MARCH・関関同立以上なら大丈夫!
食品メーカーに就職できる大学は、MARCH・関関同立以上の大学群、理系大学では東京理科大学・東京農工大学・東京農業大学も目立ちます。 これらの大学群ならば、学歴フィルターで落とされるということはありません。
しかし日東駒専・産近甲龍クラスになってくると一部学歴フィルターのかかる企業があります。 そこでまずは、学歴フィルターのかからない「Aグループ」、大手ではかかる「Bグループ」、多くの企業でかかる「Cグループ」の3つに分け、それ以下は「Fランク」とします。
Aグループ | 旧帝一工・早慶上・上位国公立大・MARCH・関関同立・東京理科大学・東京農工大学・東京農業大学 |
---|---|
Bグループ | 日東駒専・産近甲龍・地方国公立大(広島大学・千葉大学・岡山大学・金沢大学・奈良女子大学・滋賀大学) |
Cグループ | 成城大学・成蹊大学・明治学院大学・獨協大学・國學院大學・武蔵大学 |
次に、大学グループごとに採用実績のある会社を表にまとめました。 これはあくまで「学歴フィルター」の表であり、企業ランクとは関係ありません。
Aグループ | サントリー・アサヒビール・キリン・JT・明治・味の素・コカコーラ・森永乳業・J-オイルミルズ・ミツカン・キッコーマン・日清食品・江崎グリコ・カルビー・日清製粉 |
---|---|
Bグループ | サッポロ・アサヒ飲料・キーコーヒー・雪印メグミルク・ニチレイ・ハウス食品・不二製油・ホクト・エスビー食品・日本ハム・伊藤ハム・丸大食品・森永製菓・亀田製菓・日本製粉・昭和産業・山崎製パン |
Cグループ | 宝・カゴメ・キユーピー・日本食研・ロッテ・マルハニチロ |
Fランク | 伊藤園・ヤクルト・テーブルマーク・東洋水産・プリマハム・井村屋・フジパン |
文系でも就職できる?
今、文系スキルが最も必要になっている業界!
食品メーカーは文系でも就職できます。 それは、マーケティングという今後重要になるスキルがあるためで、これは文系の主な仕事内容です。
食品メーカーは生産部門、つまりは理系の採用が多い一方で、 採用枠が20~30人と少ない文系は就職が難しいと言わざるを得ません。 ですが、文系にはマーケティングという会社の命運を左右する重要な役割があります。
マーケティングは「商品開発」「市場調査」「営業」などを「ブランドイメージ」によって一貫して取り組み、 「売れるモノ」「売れるしくみ」をつくる役割です。 競合の多いこの業界では生き残りに必須のスキルであり、そのスキルが文系に開かれています。
特に味の素は「マーケティング」で有名で、ビジネス界ではP&Gや花王と並んでマーケティング企業として有名です。 マーケティングは理系と文系の橋渡しも重要な役割ですから、文系の花形部門です。 食品メーカーへの就職で文系が不利ということは決してないと言えます。
有利になる資格
TOEIC以外はあまり役に立たない!
大卒総合職として応募する場合、食品メーカーへの就職で有利になる資格は「TOEICスコア」のみです。 「フードアナリスト」「食品表示検定」「危険物取扱者」などは就職後に取得するものであり、新卒採用の時点では特に有利になりません。
なぜなら総合職は「販売面」で活躍するのではなく、マーケティングなど経営の根幹に関わる部分での活躍を期待されているからです。 食品関係の資格は「工場責任者」や「販売店」でこそ必要になるものの、総合職には本来必要ないものです。
一方で英語の資格は有利に働きます。
人口減少が続く限り、食品メーカーは「海外展開」が今後の課題になります。 すでに海外比率が高まっている面もあり、英語は必須です。 TOEICなら700~750点程度あるとよいでしょう。
ですが、就活の時点でTOEICでスコアがとれている必要はありません。 私が説明会に参加したときも「TOEIC600点しかないけど入社していきなり海外赴任した」という方もいました。
これはどういうことかというと、英語力は入社後に強化することもできるからです。 会社として英語の研修制度をもうけていたり、海外赴任が決まった時点で英語教室に通えば間に合う面もあり、 「今」高得点がとれている必要はないのです。
とはいえ、英語を勉強する意欲があるかどうかは問われます。 たいしたスコアが取れなくてもTOEICを受験しておいて、 「海外赴任を目指して勉強中です!」と言えたら合格です。
おすすめ企業
この3社に入れたら圧倒的勝ち組!
食品メーカーのおすすめ企業は、次の3社です。 これらの企業はマーケティングに強く、ヒット商品を連発し、定番商品を持っているところに特徴があり、 食品メーカーの優良企業だと言えます。
味の素は「うま味」という味覚を発見して、世界中の教科書に加えさせたほどの企業であり、 加えて「化学調味料は怪しい」といった無知からくる風評に勝ち続けてきた実績があります。 日本屈指のマーケティング企業だと言えます。
サントリーはビール大手の競争を後目に「ハイボールで乾杯」という文化を定着させ、得意商品のウイスキー人気を高めることに成功しました。 スーパーの「棚割り主幹」の地位をコカ・コーラから奪う、今度はジンのソーダ割りの普及を狙うなど、 マーケティング力は非常に高いです。
日清食品は勝手に売れる定番商品をいくつも持っており、その収益を商品開発に回すことで、 「定番商品が次々に生まれる」という好循環に、乗りに乗っている優良企業です。 日経ビジネスなどでは「日本一のマーケティング企業」とよく話題に上がっています。
定番商品は、営業コストをかけなくても売れます。例えばカップヌードルはどのコンビニ、どのスーパーにも置いてありますよね。 これらが会社に多大な利益をもたらします。そして、その利益を元に商品開発に取り組むことができ、 次のヒット商品につながっていくわけです。
連続してヒット商品を生み出すそのスキルが「マーケティング」であり、 ここで紹介している企業群は特にそのスキルが強く、世界でも戦える力を持っています。 つまり、将来性が高いと言えます。
この企業群に就職することができれば、近年その重要性が認識されてきたマーケティングのスキルが身につき、 部長・役員待遇のヘッドハンティングすらあるほど、一生食うに困らない人材になることができるでしょう。
選考対策
インターン参加でES作成を有利にしよう!
食品メーカーの選考フローは、3月のES提出・WEBテストの後に面接が3~4回行われて内定へと至ります。 表立ってインターン参加者向け優遇選考を行っている会社はありませんが、参加者は必ず評価シートを書かれてチェックされています。 志望度が高ければぜひ、参加しておきましょう。
食品メーカーの就活は、インターンの時期である大学3年生の6月までにエントリーシートを完成させることが重要です。 幸い、どの会社もESは以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方はエントリーシートの記事で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
各社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
食品メーカーのキーワードは「マーケティング」です。 消費者心理をわしづかみにして「有名ブランドをつくりたい」「モノ以上の価値を生み出したい」という方は、ぜひこの業界を志望しましょう。
食品メーカーの志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
電機メーカーの志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
なぜなら、「ものづくり」は理系の仕事であり、文系の役割は「企業のブランドの育成」にあるからです。 BtoCはもちろん、BtoBでも例外ではなく、「企業の社風」に一致した学生が内定をもらいます。 そこで、志望動機は「ものづくり」「技術力」などではなく、「就職活動の軸と社風の一致」にするべきなのです。
書き方の詳細については、次の関連記事で解説しています。メーカー志望の方なら誰でも使える内容ですので、ぜひご覧ください。
食品業界のビジネスの特徴は、食品を加工して「おいしさ」を提供する、マーケティングが優れているというものでした。 本来、だれにでも作れる食品ですが、それに「おいしさ」を付加し、売り方を研究して利益を上げる。 非常に頭脳プレイがおもしろい業界です。
「お客さんの研究」が必須な業界で、常にお客さんがどんな食品を求めているのか調査しなければなりません。 これからは日本国内に限らず、世界を相手に「食に対するニーズ」を研究していくことになります。 世界を相手にした頭脳戦。心が躍りませんか?
食品は一度ハマればずっと同じものを購入してもらえる可能性が高いです。 キューピーのマヨネーズで育った人は、キューピー以外のマヨネーズを認めないのではないでしょうか。 はごろもフーズのシーチキンで育った人は、シーチキン以外は認めないのではないでしょうか。
こんな風に、誰でもつくれるものなのに、「マーケティング」によって「ファン」を獲得し、 食品メーカーとして地位を築いていく・・・そんな仕事におもしろさを見いだせる人は、頭脳戦、 つまりは「マーケター」としての資質があります。
ですから、志望動機では「マーケティングがやりたい」「食を通じて世界に豊かさを提供したい」「グローバル化を推し進めたい」 などがキーワードとして使えます。
また、「Unistyle」という就活サイトでは実際に内定を取ったエントリーシートが無料で読み放題です。 この業界はもちろん、あなたの志望企業に内定した歴代就活生がどう書いたのかを見れば、 ESの方向性が合っているかどうか確認することができます。これを使わない手はありませんね。
食品メーカーの業界研究
定番商品が次のヒット商品を産む好循環に乗る!
食品メーカーのビジネスモデルは、定番商品を生み出し、その収益で次の定番商品を開発することです。
食品の研究開発には当然費用がかかるわけですが、一度定番商品を生み出せば、 リニューアルにかかる費用以外はかからないのです。 その分で浮いたお金を研究開発に回せます。
定番化すればプロモーション費用やマーケティング費用をかけることなく売れ続け、 安定継続した収益になりますが、定番商品を持たなければ、 費用ばかりかかって利益が出ない構図になってしまいます。
近年では「安ければいい」の時代が終わり、顧客の「健康志向」「品質志向」「味覚志向」の高まりを受けて、 食品の「嗜好品化」つまり、「ちょっとしたぜいたく品」が流行るようになっています。 先進国として、生活に少し余裕ができると自分へのご褒美として「ぜいたく品」を欲しがるのは当然の流れです。
また、女性の社会進出・晩婚化・一人暮らし世帯の増加に伴い、 「家事負担を軽減したい」というニーズは男性・女性にかかわらず多く存在します。 食品メーカーでは手間のかかる家事を軽減する「冷凍食品」や「レトルト食品」でこのニーズに対応しています。
食品メーカーは人間が生活するのに最低限必要な「衣」「食」「住」の「食」を担当しており、 永久的に必要な業界であり、人口減少問題はありますが、ぜったいになくならない業界です。 「加工食品の海外輸出」もまだまだ可能性があり、楽しみな業界でもあります。
食品業界で忘れてはいけないのが、ビールやお酒、ソフトドリンク、お菓子、たばこなどの嗜好品業界です。 ビールやお酒、ソフトドリンク、お菓子、たばこは、なくても死にはしません。 というよりこれらはむしろ健康を害するものですが、「ちょっとしたぜいたく」に欠かせない商品です。
嗜好品は「豊かさの象徴」であり、生活に余裕がないと買えないものですので、実に先進国らしい「豊かさ」です。 ですが、現在ではこれらの企業も海外展開を狙っており、まさに「世界に豊かさを提供する」業界であるとも言えます。 特に日本のお菓子は外国人旅行客に人気で、北朝鮮ではロッテの「チョコパイ」が通貨のように機能しているくらいです。
日本人は「味」にうるさく、お米すらものすごいこだわりを持っているほどです。 海外展開のうまい「味の素」「サントリー」「JT」などのように、 今後は「日本のおいしい食品」が海外にどんどん輸出されていく時代が到来すると思います。
また、飲料メーカーについては別で専用の記事も用意していますので、 そちらもご覧ください。
食品メーカーの将来性は高い
将来性は、高い!
食品メーカーの将来性は高いと言えます。 というのも、食品メーカーは従来、日本が苦手としてきた「マーケティング」に力を入れているからです。
マーケティングへの取り組み状況は会社によって異なりますが、 サントリー・味の素・日清食品は特にマーケティングが強く、顧客の開拓に強みがあります。
マーケティングとは「消費者理解」を「製造」につなげ、「顧客が真に求めているものを製品化する」ための取り組みですが、 「とりあえずビール」に飽きた消費者に向けて「とりあえずハイボール」の文化を定着させたサントリー、 「お金はないけど本物のビールが飲みたい」という需要を発掘して「本麒麟」を発売したキリンビールなどが典型です。
また、味の素は「アミノ酸」を主軸とした調味料の会社ですが、日本国内だけでなく海外売上も好調で、 世界と戦える企業でもあります。
これらの超大手企業に限らず、日本の食品メーカーは品質が良く、 お菓子やインスタント食品がインバウンド客を取り込んでいることはスーパーや百貨店でも実感できると思います。 「日本」というブランドを武器にマーケティングにより、世界で活躍できるでしょう。
ランキング
食品メーカーを売上高でランキングにし、平均年収とともに一覧にしました。 食品メーカーでは、一番売上が高いのはビールやお酒、たばこの「嗜好品メーカー」です。
食品メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
サントリー | 3.2兆円 | 1133万円 | 121日 酒造 |
JT | 2.8兆円 | 927万円 | 120日以上 |
キリン | 2.1兆円 | 957万円 | 123日 酒造 |
アサヒ | 2.7兆円 | 1233万円 | 123日 酒造 |
明治 | 1.0兆円 | 1013万円 | 122日 |
コカ・コーラ日本 | 8240億円 | 非公開 | 123日 |
サッポロ | 5186億円 | 899万円 | 121日 酒造 |
ヤクルト本社 | 4830億円 | 850万円 | 120日 |
伊藤園 | 4316億円 | 600万円 | 120日 |
宝 | 3506億円 | 748万円 | 124日 酒造 |
江崎グリコ | 3325億円 | 823万円 | 126日 |
ロッテ | 2820億円 | 非公開 | 129日 |
カルビー | 2793億円 | 769万円 | 123日 |
ダイドー | 2133億円 | 736万円 | 123日 |
森永製菓 | 1943億円 | 770万円 | 120日以上 |
不二家 | 1055億円 | 539万円 | 120日以上 |
ブルボン | 973億円 | 466万円 | 121日 |
亀田製菓 | 949億円 | 547万円 | 120日 |
JTは世界を相手にたばこの販売をしており、実はものすごいグローバル企業です。 売上の50%以上は海外売上で、海外でのブランド展開が非常にうまいことで知られています。
特にM&Aでブランドを買収する技術は非常に評価が高く、 JTのM&Aの成功率の高さから、それがなぜなのかを書いた本が出版されているくらいです。 食品メーカーでグローバル化と言えば、JTと味の素でしょう。
また、「サントリー」「キリン」「アサヒ」「サッポロ」の4社は「ビール業界」とも呼ばれ、 日本のビール市場を寡占しています。かつてはキリンがラガービールで圧勝していましたが、 現在ではその地位をアサヒスーパードライに奪われています。 サントリーは「生ビール」では勝負せず、プレミアムビールである「ザ・プレミアムモルツ」で成功しています。
ビール市場は「嗜好品」として非常に注目度が高く、飲み会好きの学生からの人気も高い業界で、 かつ売上高も非常に高い巨大市場です。
またこれらの企業はソフトドリンクも展開していますが、自動販売機がメチャクチャもうかります。 ソフトドリンク業界の勝利の方程式は、「自動販売機の設置数」にあるといっても過言ではありません。
そして、お菓子も売上高の高い食品メーカーです。 お菓子は糖分補給にとてもよく、また「自分へのご褒美」として買う「ちょっとしたぜいたく品」です。 お菓子1個当たりの価格は安いものの、大量に売れます。
注目すべきは、外国人旅行客が喜んで日本のお菓子を買っていくところでしょう。 これは「予期せぬ成功」の類で、味にうるさい日本人相手に商売をしていたら、 日本のお菓子メーカーはあまりにもおいしいものをつくるのに得意になってしまっていたのです。
私も海外旅行へ行って現地のお菓子を食べたのでわかりますが、 お菓子は絶対日本のお菓子のほうがおいしいです。
お菓子は非常に軽く、また賞味期限も長いため、海外輸出に向いています。 お菓子メーカーに就職し、グローバル化を推し進める仕事をするのも非常に面白いと思います。
次に、「加工食品メーカー」です。
加工食品メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
日本ハム | 1.2兆円 | 847万円 | 123日 加工食品 |
伊藤ハム | 9226億円 | 702万円 | 121日 加工食品 |
日清製粉 | 7986億円 | 857万円 | 123日 加工食品 |
日清食品 | 6692億円 | 790万円 | 122日 加工食品 |
ニチレイ | 6622億円 | 702万円 | 115日 加工食品 |
雪印メグミルク | 5843億円 | 724万円 | 124日 加工食品 |
森永乳業 | 5256億円 | 774万円 | 121日 加工食品 |
東洋水産 | 4357億円 | 621万円 | 123日 加工食品 |
プリマハム | 4307億円 | 779万円 | 120日 加工食品 |
エスフーズ | 3992億円 | 488万円 | 118日 加工食品 |
ニップン | 3655億円 | 724万円 | 120日以上 加工食品 |
フィードワン | 3079億円 | 668万円 | 123日 加工食品 |
ハウス食品 | 2750億円 | 807万円 | 120日以上 加工食品 |
丸大食品 | 2219億円 | 597万円 | 125日 加工食品 |
わらべや日洋 | 2070億円 | 747万円 | 120日 加工食品 |
これらは食品メーカーの中でも「衣食住」の「食」を担う加工食品メーカーで、 生活をするのに絶対に必要なものを販売している企業群です。
上でも述べた通り、単に「安い」ものではなく、近年では「嗜好品化」が進んでいて、 多少高くても「オーガニック食品」を買う、「国産にこだわる」、「おいしいものを求める」傾向があります。 品質を高めることは日本人は得意です。これからは「低価格」より「おいしい」が求められる時代になるでしょう。
これらの企業はどれも「おいしさ」を追及する企業であり、少なからず海外展開もしています。 ですが、すでに海外展開が十分進んでいる自動車メーカー、家電メーカーなどに比べたら、 まだまだ成長の余地があります。
最後に「調味料メーカー」です。
調味料メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
味の素 | 1.3兆円 | 1048万円 | 124日 調味料 |
キユーピー | 6188億円 | 790万円 | 125日 調味料 |
不二製油 | 5574億円 | 941万円 | 125日 調味料 |
日清オイリオ | 5565億円 | 721万円 | 120日 調味料 |
キユーピー | 4550億円 | 639万円 | 122日 調味料 |
昭和産業 | 3350億円 | 699万円 | 127日 調味料 |
J-オイルミルズ | 2604億円 | 753万円 | 123日 調味料 |
カゴメ | 2247億円 | 800万円 | 123日 調味料 |
三井製糖 | 1633億円 | 919万円 | 125日 調味料 |
ヱスビー食品 | 1206億円 | 576万円 | 121日 調味料 |
調味料は、実は案外誰でもつくれるものです。マヨネーズはキューピーだけでなく、 いろんな中小企業がつくっていることはご存知だと思います。業務スーパーにいけば、 名前も知らない企業のマヨネーズが並んでいますよね。
だからといってこれらの企業が過当競争に巻き込まれているわけではありません。 それは、マーケティングを研ぎ澄まし、上手に売る方法を研究しているからです。 味の素は特にマーケティング企業として有名で、何冊も本が出ているほどです。
これからIoTの進展、ロボット化の進展により、どんな業界もコアとなる商品がコモディティ化していくはずです。 するとそのとき必要なのは「マーケティング」なのです。 調味料業界ではすでに「マーケティング」が重視され、かなり研ぎ澄まされています。
ですから、マーケティングを学びたい人は、調味料メーカーに就職するのがよいでしょう。
食品メーカーと近い農林水産業界
農林水産業界は、基本的に農家や漁師が耕作や漁獲を行うため、あまり企業が関わっているという認識はないかもしれません。 しかし、食品メーカーとして有名なマルハニチロは、水産が売上高の20%以上を占めているのはご存知でしょうか。
マルハニチロは直接船に乗って漁業に出るわけではありません。 では水産業とどう関わっているかというと、水産物の買い付けと販売です。 漁師から水産物を買い取り、築地などの市場や問屋に卸す、またはそのまま店舗に卸すのです。
さらに海外に輸出したり、養殖事業を行ったりもしています。 つまり、マルハニチロは「水産物の商社」と言えます。
水産物の他、畜産業も行っていて、それをもとに食品加工を行って「食品メーカー」として有名になりました。 一般消費者と関わるのは「冷凍食品」や「レトルト食品」ですので、「水産業の会社」としてではなく「食品メーカー」として有名になったのは、 ある意味当然ですね。
マルハニチロは「世界においしいしあわせを」という理念のもと、地球上全ての人に食を提供することを目的にしています。 就職活動の軸が「社会貢献」や「食」にかかわるものであれば、マルハニチロを志望するのもよいでしょう。
マルハニチロには「日本水産」という強力なライバル企業がいます。農林水産業では「マルハニチロ」と「日本水産」の2社が業界を二分して争っていると言えます。
食品専門商社も併願しよう
食品業界は食品メーカーだけで構成されているわけではありません。 食品メーカーが製造した食品は、各地域のスーパーやレストランまで配送される必要があります。 その役割を担っているのは実は食品メーカーではなく、食品専門商社です。
全国各地域のスーパーやレストランすべてに商品を配送するには、 食品メーカー1社ではとても対応しきれません。常に「新しいスーパーができた」と調査しなければなりませんし、 「マヨネーズ1ケース」のような小規模ロットの注文でいちいち契約書を交わすのはあまりに時間の無駄です。
そういった顧客開拓、契約業務を代行し、小規模ロットの注文をまとめて大規模ロットの注文をつくってくれるのが、 食品専門商社です。
食品専門商社は自社では食品を製造しませんが、それゆえいろんな食品メーカーから商品を選び、 顧客に販売することができます。また、実際にスーパーやレストランと取引をする主体ですので、 現場でどんな食品が必要とされているか、どんな食品が売れるのかなど、マーケティングの調査や提案も、 食品専門商社ならではのビジネスです。
食品メーカーも食品専門商社も、「食を通じて社会貢献する」という点では同じです。 志望動機も書きやすく、併願すればエントリーシートもほとんどコピペで済んでしまいます。
専門商社はBtoBの業界であり一般には知名度がほとんどありません。そのため就活でも穴場です。
MY就活ネットでは、この他にも多数の業界研究記事を用意しています。 優良企業の見落としを防ぐため、さまざまな業界を調べてみましょう。
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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