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【就活】証券会社・外資系投資銀行の業界研究・志望動機・平均年収

 証券業界への就職に役立つ就職難易度や選考・面接対策、エントリーシート・志望動機の書き方の他、強みや年収・ランキングなどを解説しています。



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証券会社・外資系投資銀行の業界研究と将来性

 証券会社・外資系投資銀行とは、株式債券の流通を担う会社を指します。 株式や債券は投資家本人が所持するわけではなく、証券会社を通して注文します。 「取引の代行」によって手数料を徴収するビジネスモデルです。

 

証券会社の仕事内容

 証券会社仕事内容について解説します。証券会社ではどのような仕事を行っているのでしょうか。

 証券会社と聞いて「トレーダー」をイメージする方は多いと思います。 パソコンのモニターとにらめっこしながら、株や通貨、債券などを売買し続けるイメージですね。 しかし、それはもう昔の話です。

 今では株式や通貨、債券の売買はコンピュータが自動で取引しています。 人間がトレードするとどうしても感情が入ってしまいますし、入力ミスで何百億円という損失を出すこともあります。 最適なタイミングで最速で売買を行うためには、コンピュータによる自動化が必須なのです。

 では証券会社ではどんな仕事をするのでしょうか。 それは、営業です。

 証券会社の営業には大きく分けて2種類あります。法人営業個人営業です。 法人営業では会社向けに「増資」や「M&A」「上場」「財テク」などのサポートをし、 個人営業では株式や債券の売買を促し、投資信託を販売して利益を得ています。

 証券会社は意外にも、株式のトレードで儲けているわけではありません。 確かに収益のうち30%ほどは株式等のトレードで出しています。 しかし、残りの70%のうちほとんどが手数料なのです。

 法人では増資やM&A、上場などで手数料を取ります。案件が大きければ大きいほど莫大な手数料を徴収できます。 特に増資では、法人が新規に株を発行してお金を集める手助けをするのですが、 増資の金額の5%が手数料として証券会社に支払われます。何億円、何十億円という莫大な利益です。

 一方で個人は、株式や債券の売買の仲介手数料や、投資信託の手数料で利益を得ています。 1回の取引で数千円という手数料しか取れませんので、お客さんにはとにかく何度も何度も売買してもらうか、 投資信託を買ってもらうかしなければ利益が出ません。

 ですので、証券会社の主な仕事は

 法人営業の場合:増資やM&A、上場をすすめ、企業の資産管理コンサルティングを行う

 個人営業の場合:おすすめの株式を紹介する等して、売買の回数を増やしてもらう。 新規顧客を獲得して取引をしてもらう。投資信託を買ってもらう。

 という内容になります。

 

日系も外資も激務

 証券会社に就職して始めに配属されるのは、個人向け営業です。 個人とは言っても一般消費者とは異なり、投資家です。 これがなかなか厄介な仕事です。

 顧客に「取引」を注文してもらって初めて収益になりますから、お客さんに電話をかけて、 「次は○○会社の株を買いましょう!」ともちかけ、取引の回数を増やしてもらわなければなりません。 「買ってください」「売ってください」と電話をかけまくることになります。

 支店ごと、部署ごと、担当者ごとに毎日ノルマが課せられており、 昼までに取引何回、夕方までに取引何回というノルマを達成できないと罵声の嵐です。

 銀行もそうですが、証券会社も「上司に詰められる」ことが非常に多く、 上司は上司でその上のエライ人に詰められており、毎日がストレスとの戦いです。 電話を終えて詰められ終わったら外回りです。

 また、営業の仕事は株式市場があいている平日9時-15時に限りません。 投資家が取引を終えた15時以降が電話営業と訪問営業の本番です。 プライドを捨てた「裸踊り」で野村證券が取り沙汰されますが、実は証券会社ならどこも同じです。

 SHOWROOMを起業した前田裕二氏はUBS証券出身ですが、その著書「人生の勝算」で下記のように述べています。

 「苦手なコールも、ほとんど裸でアイドルソングを踊ることも、プライドを捨てて、すべてやり切りました。 藤井さんとタッグを組んで芸人の域を超えた裸芸をしてお客さんが爆笑していたときのことを、今でも鮮明に覚えています。」

 世界最大のプライベートバンクとして有名なスイスの外資系投資銀行であるUBSですらこれです。 何も野村證券に限った話ではなく、どの会社でもお客さんの歓心を引くためであれば、 なんでもやっていると考えられます。

 

証券会社の花形「プライベートバンク部門」

 そんな証券会社ですが、金融資産1億円以上の顧客を対象に「プライベートバンク」を行っています。 上記のUBSなど、スイス系の企業がプライベートバンクでは有名ですが、 実は日本の野村證券をはじめ、様々な証券会社がプライベートバンク部門を持っています。

 プライベートバンクは上記の民間営業とは異なり、単なる手数料ビジネスではありません。 顧客の資産を預かり、代わりに運用して、その利益から手数料を取ります。 つまり、顧客が儲かれば証券会社も儲かるシステムです。

 通常の営業では顧客が儲かろうが損をしようが受け取る手数料は一定です。 そちらはネット証券の流行で縮小していくかもしれません。 ですが、プライベートバンクは大丈夫だと思われます。

 実はタックスヘイブンなどの租税回避、節税のプロでもあり、 通常の株式取引だけでなく債券、先物、不動産、非上場銘柄など様々な資産を組み合わせて運用します。 お金持ちの資産管理会社の経営を請け負うところもあるくらいです。

 プライベートバンク部門では非常に優秀な頭脳とたゆまぬ勉強が求められ、 顧客である富裕層より優秀でなければなりません。その代わり得られる報酬も莫大で、 非常に夢のある部門です。

 

証券会社・外資系投資銀行の一覧と売上高・平均年収

 証券業界の会社を一覧にして紹介します。

 

証券会社の一覧と売上高・平均年収

 国内証券会社を売上高でランキングにし、平均年収とともに一覧にしました。

証券会社のランキング
会社名売上高平均年収備考
野村ホールディングス1.7兆円1451万円
大和証券グループ6100億円1072万円
SMBC日興証券3900億円1215万円
みずほ証券3800億円1608万円
三菱UFJ証券3700億円1436万円
SBIホールディングス2600億円778万円

 

外資系投資銀行の一覧と売上高・平均年収

 外資系投資銀行を売上高でランキングにし、平均年収とともに一覧にしました。

外資系投資銀行のランキング
会社名売上高平均年収備考
JPモルガン(米)10.9兆円
バンク・オブ・アメリカ(米)9.5兆円メリルリンチ
シティグループ(米)7.8兆円
ドイツ銀行(独)3.8兆円
モルガン・スタンレー(米)3.7兆円3144万円
UBS証券(スイス)3.7兆円3272万円
ゴールドマンサックス(米)3.5兆円3708万円
RBCキャピタル・マーケッツ証券(加)4.4兆円2076万円
バークレイズ(英)3.0兆円
クレディスイス(スイス)2.2兆円2493万円
RBS証券(英)1.9兆円

 ※申し訳ありませんが、英語の有価証券報告書が読みきれず算出できませんでした。

 モルガン・スタンレー、ゴールドマンサックス、クレディスイスについては、 英語の有価証券報告書の中に「従業員数」と「人件費」の記載がありましたので、 単純に割って平均年収を算出しました。

 なお、日本で知名度の高いメリルリンチはバンク・オブ・アメリカの子会社です。

 RBSは全世界平均年収が480万円ですが、5025人が1460万円以上、934人が3600万円以上、83人が1億4600万円以上の年収があります。

 

年収

 証券会社年収は非常に高額です。 特に外資系証券会社では20代でも年収1000万円が可能です。 国内の証券会社でも30代で1000万円は超えるようです。

 他人から預かったお金を自動取引して莫大な利益を上げます。そして、増資やM&A、上場では、 証券会社はリスクがありません。ただ企業のやりたいことを手伝うだけです。 それでも莫大な利益が出ます。

 そして、個人の株式の取引手数料ももちろん証券会社にリスクはありません。 投資信託も結局はお客さんのお金ですので、株価が下がった時にも損をするのはお客さんです。 証券会社は非常にもうかるビジネスなのです。

 そしていずれにしても、証券会社の収益は社員の営業活動によってもたらされます。 増資を呼びかけ、M&Aを呼びかけ、株式の取引を呼びかけ、投資信託を販売してお金を集めます。 営業がいなくては成り立たない商売なのです。

 そのため証券会社の年収は非常に高いのです。

 野村証券では初任給は23万2300円、大和証券では初任給は24万円と、 初任給は他の業界と比べて少し高い程度で、大きくは変わりません。 しかし、銀行と同じく「何万円」という単位で昇給していきます。

 外資系金融ゴールドマン・サックスJPモルガンなども就活で人気ですが、 初任給はなんと月60万円で、実力次第で20代で年収1000万円~6000万円も可能です。 国内証券会社では考えられないほどの超高収入企業です。

 その代わりにノルマを達成できなければ詰められ、罵倒されます。 旧態依然とした昭和的な体育会系組織が生き残っており、飲み会だの、 宴会だの、一発芸大会だのが好まれます。

 特に外資系金融の場合は「結果が出せない=実力不足=解雇」とつながることが多く、 入社して数年で辞めてしまう人が後を絶ちません。

 仕事自体もストレスがたまるのに、上司からもストレスをぶつけられ、 終業時刻を過ぎてもストレスをためるのです。出勤も早く、退勤も遅く、 高い年収以上のストレスを受ける羽目になることは認識しておきましょう。

 

証券会社への就活

 それでも証券会社就職したい場合は、どんな就活をすればよいでしょうか。

 証券会社はとにかく営業力です。コミュニケーションが得意な学生でないと厳しいでしょう。 特に上下関係を重んじ、コミュニケーション能力に優れていると思われがちな体育会系の学生が有利です。 体育会系でなくてもコミュ力をアピールできるエピソードやガクチカは必須となります。

 野村証券などの国内の証券会社はリクルーター面接を何度も行うことで有名で、 銀行と同様、10回ほどのリク面を経て本番の面接に移行します。 会社説明会に顔を出し、エントリーシートを早々に提出して、リク面の連絡を待ちましょう。

 ゴールドマン・サックスやJPモルガンなどの外資系金融はインターンシップ内定に直結します。 経団連と関係のない外資系企業は「倫理憲章」を守る必要がありませんから、 他の企業よりもっと早い段階で選考を進めてしまいます。

 外資系金融に就職するならば、大学3年生の夏に行われるインターンシップには参加が必須です。 インターンシップなしに就活解禁を待っていると、いつの間にか選考は終わってしまっているでしょう。

 証券会社への就活で必要なのはコミュニケーション能力と、ストレス耐性です。 エントリーシートではコミュニケーション能力はもちろん、ストレス耐性もアピールしましょう。

 部活で忍耐強く練習を続けたエピソードや、テレアポのアルバイトを続けたことや、 ナンパを頑張った経験、クレーム処理をひたすら頑張った経験など、 コミュニケーションストレス耐性の両方をアピールできるエピソードを準備しておきましょう。

 リク面が非常に多いため、就活ではスケジュール管理も重要です。 逆にリク面に呼ばれなければ、もう選考に落ちたものと考えて別の業界を検討するようにしましょう。

【関連記事】 エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせるコツ  

証券業界の志望動機

 証券業界の志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。 以下のような「社風」を志望動機に組み込みましょう。

  • 自分自身が付加価値となって働けること
  • 直接的な形で地域経済の発展に資すること
  • 日本経済に貢献すること
  • 企業の挑戦をサポートできるのは直接金融である証券会社
  • 投資の社会的な意義を広めること
  • 不測の事態の際に経済的な面で人を支えること
  • 目には見えない「将来の安心」を提供すること
  • 人の未来を一緒に考える仕事
  • 人や社会に影響を与えられる仕事
  • 親身になって人を支えていくこと

 証券業界のビジネスの特徴は、企業の資金調達と企業・個人の資産運用というものでした。 証券会社の本質は「企業の資金調達」にあり、企業が新規事業や設備の増設を行う際に、 証券会社が他の企業や個人から資金を集めてきて、株式投資という形でお金を出資するところにあります。

 そのため、ビジネスを創出し、成長させることに深くかかわることになります。

 ですから、志望動機では「ビジネスを成長させる」「企業と出資者をつなぐ」「日本経済に貢献する」 などがキーワードとして使えます。

 志望動機では同業他社との比較検討が欠かせません。一般的には会社の強みで比較したくなるものです。 ですが、「事業ごとの売上高」や「事業内容」「海外売上比率」などで比較するのは得策ではありません。 というのも、同業他社はどこも同じ事業をやっていて、就活生の視点で比較するのは至難を極めるためです。

 最適なのは「経営理念・ビジョン・社風」と「就職活動の軸」の一致具合をアピールする方法です。 経営理念や社風といったものはその会社に唯一無二のものであり、 会社の持つ「夢」とあなたの持つ「夢」が一致しているほど、志望動機として説得力のあるものは他にありません。

 先にも少し触れましたが、エントリーシートは「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」 と述べる「『将来の夢』実現ストーリー」になるように構成されています。 このように、志望動機に書くことは最初から決まっているのです。

 「就職活動の軸」が海外に関連するものであれば、「海外展開に積極的な社風」、 環境に関連するものであれば「環境問題に積極的」というように、会社の性格で一致したものを書きましょう。

 ですから、ここにある志望動機もほんの一例にすぎません。 あなたの将来の夢と、会社の企業理念・ビジネスの目的を結びつけて考えて、志望動機をつくるのです。

 そのためにはまず、自己分析をして、就職活動の軸を導き出さなければなりません。

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【関連記事】 【一覧】業界研究がわからない?代わりにやりました!

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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。 →Xのアカウントページ




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