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【公務員】大阪府職員の年収と昇給|何歳で役職についていくらもらえる?

 大阪府職員の年収・昇給・昇進を、条例をもとに調査しました。 大阪府は財政再建のため、給料が低いと言われます。しかし調査の結果、大阪市や大阪府と変わらず、 特別給料が低いわけではないことがわかりました(公務員自体が薄給です)

この記事の要点

  1. 大阪府職員の平均年収は、659万円
  2. 大卒1年目の年収は、353万円
  3. 大半の職員が、主査止まりで公務員人生を終える!
  4. 残業代と昇給は、予算のつく部署に配属されるかどうか!


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大阪府職員の年収目安

 大阪府職員の平均年収は、662万円

 大阪府職員平均年収は、659万円です。 これは基本給と諸手当(残業代、地域手当、住居手当など)を含めた年収であり、新卒から部長まで全てを平均した年収です。 ちなみに神戸市は662万円で、差はほぼありません。

神戸市職員の年収と昇給も確認する

 

大卒1年目の年収

 大卒1年目の年収は、353万円

 まず、大阪府の初任給を例に、計算式を示します。

 大卒初任給は、基本給が「199,400円(地域手当含む)」とされています。 大阪府のボーナスは「勤勉手当」「期末手当」という名前ですが、合計で月給の4.1倍分もらえます。 つまり、1年間で「199,400円×(12ヶ月+4.1ヶ月)」の給与がもらえることになります。

 そこに「住居手当」の最大である「27,000円×12ヶ月」を加算します。 すると、大卒1年目の年収は353万円となります。

 

年齢別年収一覧

 同様に役職を考慮して大阪府職員年齢別年収一覧を作成しました。 ※大阪府の職員の給与に関する条例を元に作成しています。

年齢役職年収
23主事3,534,340
29副主査4,271,559
35主査4,836,508
41課長補佐6,327,690
47参事8,344,770
50課長9,401,172
52次長11,453,318
56部長12,726,136

※基本給+地域手当+住居手当+管理職手当にボーナスを加えた年収です。 残業代は算入していません(後述)。

 大阪府の役職・役付は大きく分けて8段階です。「主事」は会社で言う「平社員」に相当します。 「副主査」は「主任」、「主査」は「係長」です。大阪府の場合、およそ6年スパンで昇進します。

 参事になると年収800万円に到達します。 大企業だと40代で年収1000万円に到達しますし、会社によっては30代中盤で年収1000万円を超えることと比べると、 大阪府職員はそれほど給料が高いというわけではありません。

 中小企業に比べると参事の給料は良く見えます。しかし、「大阪府職員の年収が高い」とまでは言えません。 41歳で課長補佐になれる人すら、ほんの一握りだからです

 

公務員は出世競争が厳しい

 大半の職員が、主査止まりで公務員人生を終える!

 公務員は出世競争が厳しいです。47歳で参事に昇進できる人はほとんどいません。

 会社と違って公務員の世界では、課長は1つの課に1人だけです。 参事になれる人数も決まっています。出世争いに勝てた人だけが昇進できるのです。

 大阪府職員の場合、主査まではスムーズに6年ごとに昇進します。 出世競争が厳しくなるのは主査になってからです。まず、課長補佐争いで1位になれないと、41歳で課長補佐にはなれません。 そんな精鋭の中のさらに精鋭だけが、ようやく参事になれるのです。

 残念ながら、ほとんどの職員が主査止まりで公務員人生を終えます。 つまり、大阪府職員のほとんどが主査として年収500~600万円台で過ごし、公務員人生を終えるのです

 私企業ではだいたいの社員が30代後半~40代で課長になり、年収800~900万円をもらうのに対し、 大阪府職員の場合は年収800万円をもらえるのは、ごく一部のエリートだけという厳しい事情があります。

公務員の給料は高い?|ほとんどが課長にすらなれない

 

公務員は残業代がもらえない!?

 議会で予算がつかなければ、いくら働いても残業代はナシ!

 公務員残業代もらえないことが非常に多いです。

 大阪府職員の年齢別年収一覧でも、残業代を含めていません。 これは、公務員は残業代をもらえないことが多いためです。

 法律や条例に従うならば、残業をしたらその分残業代が支払われなければなりません。 しかし公務員の給料は県議会や府議会などで組まれる「予算」から支払われます。

 残業代を払えるほどの十分な予算がない限り、残業代を払おうにもお金がないのです。

 さて、どうでしょう。今どき「残業代もしっかり予算に組み込もう」と言ってくれる優しい議会はあるでしょうか? 大阪府議会でも、大阪市議会でも、県議会でも国会でも「公務員の給料を減らせ!」と厳しいことを言っています。

 残業代がまともに予算に組み込まれるわけがありませんね

 議会では「残業は悪だ!定時で帰れるように管理職がしっかり指導しろ! 残業代は予算に組み込まない!」と言われるわけです。 するとなんとか多めに予算を取り、節約して、浮いた分を残業代にあてるしかありません。

 公務員の世界では、予算をいくら取ってこれるかで残業代が変わります。 がっつり予算がつく部署なら残業代もある程度はつくのですが、 小さな部署、お金を使わない部署、田舎の出先機関はあまり予算がつきませんので、節約で浮かせられるお金もなく、残業代は出ません。

 予算はなくても仕事はたくさんあるわけです。何しろ公務員を削減しているわけですから、 昔は2人でやっていた仕事も1人でやらなければなりません。 1人あたりの仕事量は増え続けているのです。

 「残業をしても、残業代が払えない・・・そうだ!残業していないことにしよう!

 そんなわけで、公務員は部署によってはサービス残業が異常に多い世界なのです。

公務員はサービス残業が多い?|出先機関ってまったりじゃないの?

 

昇給も昇進も所属する部署次第!?

 予算のつく部署に配属されるかどうかが、出世に大きくかかわる!

 公務員昇給は、順調にいけば毎年6000~7000円です。 しかし実はこれも、予算次第なのです。

 昇給は「予算の範囲内で」行うことが条例に明記されています。 つまり、予算がない部署では昇給ができないのです。

 「予算がつかない」ことの問題点は、残業代や昇給だけではありません。 なんと予算がつかないと、昇進もできないのです

 昇給は人事考課に連動して行われます。昇給ができないということはつまり、、 人事考課で高い評価をつけることができないということなのです。

 そうです。予算のない部署に異動になると、残業代はつかないわ昇給はしないわ、 評価も低いために昇進もしないという三重苦なのです。 そのため、公務員は小規模な出先機関に飛ばされることを嫌がります。

 いったん小さな部署に配属されてしまうと、出世競争から外れてしまうことになるのです。 これが、僻地に転勤になることを「飛ばされる」と表現する理由です。

 そのため実は、「47歳で参事になれるかどうか」はもっと早くにわかってしまうのです。

 ヒラである主事の間に良い仕事ぶりをすれば、予算のつく部署に異動させてもらえます。 高い評価を得てどんどん昇給し、副主査、主査、課長補佐と順調に昇進していきます。 そして47歳になるころ、高い評価ばかり得ている人が、最初に参事に昇進するのです。

 予算のつく部署ばかりに行っている人が、その世代の出世頭というわけです。

 誰が出世するのかはかなり早い段階でわかってしまいます。 もし自分以外の人が出世頭で、自分はそうでないとわかったとき、 そのまま仕事を頑張り続ける事ができるでしょうか。

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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。 →Xのアカウントページ