【就活】逆算の自己分析|志望動機ファーストのやり方を解説!

就活で「自己分析のやり方がわからない」と悩んでいませんか?それは「価値観」や「経験の棚卸」を先にやらせる人が多いせいです。 「社風と就職活動の軸の一致」という結論を前提に、逆算する方法なら簡単にできます。 この記事では私の例を元に、「説得力ある志望動機」につながる自己分析のやり方を解説します。
目次
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自己分析とは?
将来の夢の実現ストーリーをつくること!
就活における自己分析とは、「将来の夢」の実現ストーリーをつくることです。「人生設計」と言い換えることもできます。 具体的には、次に挙げるES・面接の質問への回答を事前準備することが主な目的です。
- 就職活動の軸はなんですか?
- 自己PRをどうぞ
- 学生時代力を入れたことを教えてください
- あなたの弱みはなんですか?
- この業界を選ぶ理由を教えてください
- 同業他社でなく当社を選ぶ理由はなんですか?
- 入社後に挑戦したいことを教えてください
「社風と軸の一致」を「証明」する!
就活では「社風」と「就職活動の軸」が一致した学生が内定をもらいます。 例えば、「交通事故ゼロを目指す会社」には「交通事故ゼロを目指す学生」が採用されるというわけです。 しかし、ただ「社風に共感した」というだけでは説得力がありません。
そこで会社は、「軸に対する本気度」を測るため、上記のような質問をします。 それらすべてに対して「軸の実現のため」という視点で一貫性ある回答ができれば、志望動機に説得力が出ます。 その準備を簡単に言うと「『将来の夢』の実現ストーリーをつくること」となります。
やり方
「社風」から逆算しよう!
おすすめの自己分析のやり方は、志望先の「社風」から逆算してストーリーをつくることです。
本来は「就職活動の軸(将来の夢)」を設定するために「過去の取り組み」を棚卸して、 「自分は何を目指して生きているんだろうか」と考えるのが、正しいやり方です。 ですが、それでは無限に時間がかかってしまいます。
自己分析の目的は「軸と社風の一致を証明すること」です。 ですから、「志望先の社風」から逆算して社風に合うストーリーをつくれば、そのほうが簡単です。
例えば自動車メーカーのSUBARUには「交通事故ゼロを目指す社風」がありますから、次のようにストーリーを逆算できます。
志望企業 | SUBARU SUBARUの企業研究記事 |
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社風 | 交通事故ゼロを目指す社風 |
就職活動の軸 | 交通事故ゼロを実現したい |
ガクチカ | 交通安全のボランティア活動に携わった経験 |
自分史:高校時代 | 文化祭で「交通事故ゼロ」をテーマにした社会問題研究発表を企画した |
自分史:中学時代 | 生徒会のプロジェクトとして、地域の交通安全キャンペーンに協力し、通学路の危険箇所を地図にまとめて町内会に提案する活動を主導した |
自分史:小学生時代 | 事故に遭いそうになった経験から、安全意識が高まった |
自己PR | 心配性であるところ:あらゆる危険を察知して事故を回避する |
弱み | 意思決定が遅い:3秒ルールを設けて克服しようと努力している |
ES・面接で上記のように回答できたら、どうみても「事故ゼロ実現人間」ですよね。 以下では、「三井住友銀行を志望する場合」を例にして、ストーリーの作り方を解説していきます。
1.社風を調査する
「中期経営計画」を読もう!
最初に志望先の「社風」を調査します。
採用サイトの「プロジェクト」「社員インタビュー」を読んで「何を目指す社風があるのか」を調べると当時に、 「中期経営計画」を読んで「会社が今後何に取り組むのか」を調査しましょう。
例えば三井住友銀行では、「東南アジアの貧困層融資(マイクロファイナンス)」や「スタートアップ支援」により、「イノベーションを目指す社風」があります。 実際にこのような気概が社内に浸透しているかどうか、インターンシップ・OB訪問・会社説明会などで社員に直接質問して確認します。 特にインターン後の座談会・リクルーター面接をこのように活用することで、有望な学生であることもアピールできます。
社風 | イノベーションを目指す社風 |
---|
2.就職活動の軸を設定する
社風に一致した軸をつくろう!
就職活動の軸は、社風に一致するものを設定します。
そのまま「イノベーションを起こしたい」とするのも良いですし、言葉を変えてみるのも良いでしょう。 実は、多くの企業の中期経営計画に「新たな価値創造」というキーワードが入っています。 そこで「価値創造」を軸に設定することで、多くの企業のES・面接に対応可能になるというわけです。
そこで、ここでは「価値創造での社会貢献」を就職活動の軸として設定します。 ちなみに、軸の作り方や例文などは次の関連記事で解説していますので、併せてご覧ください。
就職活動の軸 | 価値創造での社会貢献 |
---|
3.ガクチカを考える
軸の実現のためにやったこと!
次に、学生時代力を入れたこと(ガクチカ)を考えます。
「価値創造のためにやったこと」という体で書きますが、「好きでやっていたら価値創造ができた」というものでもよいです。 私の場合、サークル活動でのゲーム制作の経験がありますので、こちらを採用します。 「海外留学」や「体育会」など華々しい実績は不要で、「軸の実現のためにやったこと」が重要です。
軸が「価値創造」である場合、他にも次のようなガクチカが考えられます。
学生団体の立ち上げ | 「地域活性化」をテーマにした学生団体を立ち上げました。大学が地方にあり、地域住民と学生の交流が少ないことを課題と感じていたため、「学生と地域をつなぐイベント」を企画することにしました |
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アルバイト先での新サービス | カフェのアルバイトで、作業しやすい席とWi-Fi環境を整え、ワークスペース需要を取り込むことを提案し、成功させました。 |
ゼミ活動で社会課題を解決 | 地元の高齢者向けにスマートフォン講習会を企画しました。この講習会は非常に好評で、講習を受けた高齢者の多くが「これからもデジタル機器を活用したい」と答え、さらに地域コミュニティが活性化するきっかけとなりました。 |
サークルの改革 | 軽音楽サークルに所属していた際、ライブイベントの観客動員数が年々減少していることに気づきました。問題の一因が「イベントの情報が十分に周知されていないこと」だと考え、SNSを活用した広報戦略を提案しました。 |
ガクチカは面接で特に深掘りされる項目です。 「取り組みの中で直面した困難と乗り越えた方法」「リーダーシップ経験」「経験から得られた学び」などは定番質問です。 次の関連記事では、このような質問にも対応したガクチカの書き方を解説しています。
ガクチカ | ゲーム制作の経験 |
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4.自分史をつくる
軸にまつわるエピソードを幼少期にさかのぼって探そう!
ES・面接では「自分史」を問われることがあります。 大学時代のみならず、幼少期にまでさかのぼって「将来の夢」実現人間であることを確認されます。
そこで、小学生時代・中学時代・高校時代それぞれで「軸にまつわるエピソード」がないか探してみましょう。 私の「価値創造」の場合、次のようなものが考えられます。
小学生時代 | 単なる「鬼ごっこ」に飽きて「かくれんぼ」と組み合わせたり「雑巾」を使うなど工夫して遊んでいた |
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中学時代 | プログラミングを始めてウェブサイト制作やCGIゲームの改造に挑戦した |
高校時代 | 使用できるプログラミング言語を増やし、アプリ開発に挑戦した |
自分史で重要な要素は「軸の実現に関わること」です。 上記例のように「価値創造に目覚めた経緯」「小さいながらも価値創造をしてきた経験」などを書きます。
5.自己PR
軸に役立つ強みと、それを裏付けるエピソード!
自己PRとは、「強みとそれを裏付けるエピソード」を述べるものです。
ここで選ぶ強みはもちろん、軸の実現に役立つものです。価値創造の場合、「アイデア出しが得意なところ」などが使えます。 そして、それを裏付けるエピソードはガクチカから引っ張ってきましょう。 こうすることで、「自己PR」と「ガクチカ」の一貫性も出すことができます。
以下は、軸を「価値創造」、強みを「アイデア出しが得意なところ」とした自己PRの例文です。
私の強みは「アイデア出し」で、チームで新しい価値を創り出すことに情熱を注げるところです。 大学時代、ゲーム制作サークルで学園祭限定のオリジナルゲーム制作に取り組みました。 他大学との差別化を図るため、「リアルタイムで来場者が対戦できるアクションゲーム」を提案。ゲームを通じて交流の場を作る新しい価値を目指しました。
制作過程ではプログラムの複雑さやスケジュールの問題で意見がまとまらない場面もありましたが、私は一人ひとりと話し合い、それぞれの得意分野に集中できる役割分担を提案しました。 チーム全員がモチベーションを保ちながら完成させ、当日は多くの来場者から「また遊びたい」という声をいただきました。
この経験から、多様な意見やスキルを結集し、形にすることで価値創造が実現することを学びました。 御社でも、この強みを活かしてチームで協働し、新しい価値を提供していきたいと考えています。
また、自己PRの作り方は、次の関連記事でも詳しく解説していますので、併せて参照してください。
自己PR | アイデア出し |
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6.弱み
弱みは正直に!克服する姿勢とセットで!
「軸への本気度の証明」でも、「いいところ」だけをアピールしてもやはり、説得力がありません。 何か商品を買うときに「悪いレビュー」を見るように、就活でも「自分の弱み」を話す必要があります。
ここで重要なのは、「弱みを正直に話す」ことと「克服しようと努力している姿勢」をセットでアピールすることです。 「悪いレビュー」を隠した星5つの商品が信用できないのと同様に、「弱みを隠す」「ごまかす」ことは、「ミスをごまかす悪い新人」を彷彿とさせます。 一方で「素直さ」「向上心」がアピールできると、「教育しがいのある理想の新人」になります。
弱みと克服方法には、例えば次のようなものがあります。
優先順位に迷う | サークル活動では、最終的なゴールをメンバーと明確に共有し、その目的に合ったアイデアを優先する判断力を意識的に鍛えました。 |
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スケジュール管理が苦手 | この弱みに気づいてからは、進捗を定期的に確認することで、克服しようとしています。 |
背負い込むところ | メンバーに適切に役割を振り分け、信頼して任せることで、全員が力を発揮できる体制を意識しています。 |
また、弱みの選び方については次の関連記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
弱み | 優先順位に迷う |
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7.完成
完成!
ここまで考えたものを一覧にまとめます。
社風 | イノベーションを目指す社風 |
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就職活動の軸 | 価値創造での社会貢献 |
ガクチカ | ゲーム制作の経験 |
自分史 | 価値創造に熱意を抱いた経緯 価値創造にまつわるエピソード |
自己PR | アイデア出しが得意なところ |
弱み | 優先順位に迷うところ メンバーと目的を設定することで克服しようとしている |
これで「価値創造人間」であることがアピールできるようになりました。 あとは志望動機で「社風への共感」を書き、挑戦したいことに「価値創造での社会貢献」を書くだけです。 三井住友銀行の例では、次のようになります。
金融業界の志望動機 | イノベーションによる価値創造にいくつも取り組めるから(メーカーでは1つずつしか取り組めない) |
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三井住友銀行の志望動機 | イノベーションによる価値創造を重視する社風に共感したから |
入行後に挑戦したいこと | 中小企業のビジネスマッチングでイノベーションを生み出したい |
MY就活ネット独自の企業研究記事では、「価値創造」を軸にした志望動機を各社に合わせた形で例文を掲載しています。 志望動機では「ビジネス理解」「社風の理解」が重要ですから、ぜひ企業研究に役立ててください。
また、「入社後挑戦したいこと」についても専用の記事を用意しています。
さらに完成度を高めるには?
最終面接までブラッシュアップを続けよう!
最終面接までは、自己分析の完成度を高め続けることが重要です。
特に日本製鉄や住友電気工業、鹿島建設のように、 何度もリクルーター面接を繰り返す企業では、志望動機の深掘りが徹底的に行われます。 この際、軸を持つに至った経緯・軸への本気度・取り組みから志望動機へのつながりなどが何度も確認されます。
ゆえに、質問の回答に困ったところを常に修正していくことが必要になります。 その時に備えて、予め自分で自分を圧迫面接しておくのがおすすめです。
1.自分で圧迫面接する
自己分析が甘いと、次のような質問がされます。
- 「なぜそれを頑張ろうと思ったの?(学生時代頑張ったことに対して)」
- 「その強みはうちの会社で役に立つの?」
- 「その弱みがあると、会社で働けなくない?」
- 「うちのビジネスをやりたいと思った理由を教えてください」
- 「〇〇部を希望する理由は?」
- 「他の業界でもできるんじゃない?」
面接でこのような質問を投げかけられると辛いですから、自分で圧迫して対応策を考えておきましょう。 一方で、十分に準備したにもかかわらず、答えられない質問が出た時などの対応は、次の関連記事で解説しています。
2.周囲の人のフィードバックを受ける
第三者の目を入れると説得力アップ!
「他己分析」と言いますが、友人や家族、バイト仲間などから自分の強み・特徴について意見をもらう方法です。
「自分は頑張ったつもりがない」「自分は強みだと思っていない」ことはたくさんあります。 自問自答で「第三者の目」になれたらよいのですが、それより周囲の人に聞いてしまったほうが手っ取り早いです。
「最近、プログラミングがんばってるよな」「そういえば、絵がうまいよな」などの意見がもらえるでしょう。 それを「頑張ったこと」にして、「就職活動の軸」にしてしまいましょう。
面接では「周囲の人にどんな人物だと言われますか?」と聞かれることもありますので、 自力で自己分析ができた場合も、フィードバックは受けておくとよいでしょう。
3.適性検査や自己分析ツールを利用する
本番さながらのツールで矛盾がないか確認しよう!
就活では書類選考の際に「適性検査」を受けることが多いですが、その結果は自分で見ることができません。 会社の人事だけがあなたのエントリーシートと適性検査の結果を照らし合わせて、 ウソをついていないかなどを確認します。
そこで、「OfferBox」の適性検査ツールを利用しましょう。
本番さながらの適性検査を受検でき、結果を見ることができます。 10万人のデータを活用した本気の検査ですので、その精度はぴか一です。
つまり、これを利用して出た結果をもとに自己PRをつくれば、 自己PRと性格検査が矛盾しないというわけです。
私の検査結果ですが、このように100万人のデータと比較して、各「ビジネス力」がどれくらい高いのかわかります。 この中から特に高い項目・低い項目を自己PRや長所・短所に利用すればよいわけです。
私の場合、「計画力」と「規律性」が低く出ています。 しかし、低いところを高めようとして本番で調整したり嘘をついてはいけません。 本番では「矛盾した回答」も測定されます。それに、なんでも完璧だとむしろ不自然ですよね。
「結果を良く見せる」のではなく、悪い結果を克服しようとしている姿勢をアピールするのが重要です。
便利なことに強みと弱みを自動でまとめてくれます。
何が長所で短所なのか、本番では社員が同じ結果の資料をもって面接をします。 あらかじめ結果がわかっていれば、面接で有利になりますよね。
ぜひ「OfferBox」で検査を受けておきましょう。
MY就活ネット独自の自己分析ツール
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まずはアプリをインストールして、自己分析から始めてみましょう。もちろん完全無料です。
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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