【一覧】業界研究がわからない?代わりにやりました!
「業界研究のやり方がわからない」とお悩みですか?ビジネスオタクの私が、代わりにやっておきました! ここでは業界研究の目的・やり方、MY就活ネット独自の業界研究記事の一覧を紹介しています。
目次
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業界研究の目的
業界研究の目的は、次の4点です。
業界研究の目的
- 自分にとっての最優良企業を絞り込むため
- 企業の見落としを防ぐため
- 動向・業績・将来性などその業界の理解を深めるため
- 志望先を絞り入社後ミスマッチを減らすため
就職活動では、応募先が「有名企業」や「最大手企業」に偏ってしまうことが多いです。 ですが、実は必ずしも知名度や企業規模が優良企業の指標とは限りません。
そこで、「個社」ではなく「業界単位」で「どんな事業に取り組んでいるのか」 「どの事業が好調なのか」「どの事業が問題を抱えているのか」などを知ることで、 自分にとっての最優良企業を絞り込んでいくことが業界研究の最終的な目的です。
特に気を付けたいのは、企業の見落としを防ぐことです。 社会には無数の企業が存在しますが、就職先を決めてしまってから「他に優良企業を見つけてしまう」のは、 多くの新卒社会人が経験してきたことです。
それを未然に防止するため、まずは全業界を調べ、それから個社の研究に入っていくという手順を踏みます。
注意点
「自分にとっての最優良企業を絞り込む」と述べましたが、必ずしも志望する業界を減らす必要はありません。 あまり減らしすぎると業界ごと不合格となるリスクが高まり、「リスク分散」のためには、複数の業界から手広く選考を受けるべきです。
業界研究のやり方
業界研究のやり方は、次の3つの手順で行います。
業界研究の手順
- 業界のビジネスニュースを検索する
- その業界に属する企業を数十社リストアップする
- 業界の主要企業のwebサイトで事業内容を調べる
この他に「業界団体のwebサイトを読む」「市場規模を調べる」等ありますが、 これらはその業界に携わっている人でないと「結局よくわからない」という結末を迎えます。
「業界を理解する」ことが重要ですから、何より効果的なのが「ビジネスニュースを検索すること」です。 業界に関する最新のニュースを検索すると「好調・不調・将来性」などに関するニュース記事がたくさん出てきます。 例えば「半導体業界」で検索すると、次のような景気の良い記事がヒットします。
参考:“半導体業界”を支える企業…高い技術に「誇りを持って」製品を供給…“世界シェアトップ”を誇る分野のメーカーも|FNNプライムオンライン
参照:賞与300万円も…東京エレクトロン、時価総額3位の秘密、利益を社員に還元|ビジネスジャーナル
参照:夏季ボーナス366万円「ディスコ」は何の会社? 半導体関連商品で世界的なシェア|デイリー新潮
調べた業界に興味が湧いたら、その業界に属する企業をリストアップしましょう。 必ずしも大手企業が良いとは限らず、売上規模数百億円~数千億円の企業にも、「独占商品を持っていて高い利益・待遇を実現している」企業がたくさんあります。 そのため、数十社はリストアップするのがよいでしょう。
その中から企業をいくつかピックアップして事業内容を調べれば、ビジネスニュースの情報とあわせて 「その業界がどんな事業を行っているのか」「十分な利益が出ているのか」「将来性はビジネス界からどう評価されているのか」などがわかります。
業界地図などの書籍は「いらない」とまでは言いませんが、ビジネスニュースを検索すれば十分な情報が手に入ります。
業界の一覧
見落としを防ぐため、まずは業界の一覧を確認しましょう。 ここでは日本取引所グループの業種分類を参考にするのがよいでしょう。 同社は上場企業のすべてを分類していますから、業界を見落とすことがありません。
水産・農林業 | マルハニチロ・ニッスイなど | 別名:食品メーカー |
---|---|---|
鉱業 | INPEX、石油資源開発など | |
建設業 | 鹿島建設、大和ハウス工業など | 別名:ゼネコン・ハウスメーカー |
食料品 | JT、サントリーなど | 別名:食品メーカー |
繊維製品 | 東レ、帝人など | 一部に化学メーカーを含む |
パルプ・紙 | 王子製紙、日本製紙など | |
化学 | 三菱ケミカル、住友化学など | 別名:化学メーカー |
医薬品 | 武田製薬、大塚HDなど | 別名:製薬業界 |
石油・石炭製品 | ENEOS、出光など | |
ゴム製品 | ブリヂストン、住友ゴムなど | |
ガラス・土石製品 | AGC、太平洋セメントなど | |
鉄鋼 | 日本製鉄、JFEなど | 別名:鉄鋼メーカー |
非鉄金属 | 住友電工、三菱マテリアルなど | 別名:非鉄金属メーカー |
金属製品 | LIXIL、日本発條など | 主に建設資材メーカー |
機械 | 三菱重工、ダイキンなど | 別名:機械メーカー |
電気機器 | 日立製作所、ソニーなど | 別名:電機メーカー |
輸送用機器 | トヨタ、ホンダなど | 別名:自動車メーカー・自動車部品メーカー |
精密機器 | オリンパス、テルモなど | 別名:電機メーカー |
その他製品 | TOPPAN、任天堂など | 印刷・ゲーム・楽器など |
電気・ガス業 | 東京電力、大阪ガスなど | 別名:インフラ業界 |
陸運業 | JR、日本通運など | 主に鉄道業界・運送業 |
海運業 | 日本郵船、商船三井など | |
空運業 | ANA、JALなど | |
倉庫・運輸関連業 | 三菱倉庫、上組など | 財閥倉庫を含む |
情報・通信業 | NTT、ソフトバンクなど | 別名:通信業界 |
卸売業 | 三菱商事、三井物産など | 総合商社・専門商社 |
小売業 | セブンアイ、イオンなど | |
銀行業 | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行など | 銀行 |
証券業 | 野村證券、大和証券など | 証券会社・外資系投資銀行 |
保険業 | 第一生命、東京海上日動など | |
その他金融業 | オリックス、三菱HCキャピタルなど | 主にレンタル・リース・クレジットカード |
不動産業 | 三井不動産、大東建託など | |
サービス業 | 日本郵政、電通など |
以上がすべての業界です。 ただし、これが「唯一の分類」ではありません。別の切り口から企業群をまとめ、次のように新たな分類が生み出されることがあります。
半導体業界
半導体に関わる企業は、化学・電機・機械・非鉄金属など複数の業界にまたがります。 東京エレクトロンやディスコなどが含まれますが、昨今のIT化・生成AIの登場などで好況を呈しています。 ニュースなどではひとまとめに「半導体産業が凋落」などと報道されますが、実は製造装置・材料は非常に好調ですので必ず確認しておきたいですね。
素材メーカー
素材メーカーは、鉄鋼・非鉄金属・化学など「製品の材料をつくるメーカー」を指す業界です。 製品は「原料・材料・部品・最終製品」という工程を経て製造されますが、そのうちの原料から材料をつくるのが素材メーカーの役割です。 この業界は経営が安定しており、また「売上規模」と「利益」が必ずしも比例しないという点で、大手から中堅企業まで優良企業がそろっています。
総合商社
総合商社は、卸売業の中でも「あらゆる製品を扱う企業」をまとめた言葉です。 三菱商事や三井物産などが含まれますが、平均年収が1200~1900万円にも上るなど、年収の高い業界として有名です。 ゆえに就職活動においては採用倍率が非常に高く、就職難易度の高い業界です。
専門商社
専門商社は、卸売業の中で「特定分野の製品のみ扱う企業」を指し、総合商社と対になる言葉です。 阪和興業や三谷商事などが含まれますが、総合商社に対して学生の知名度が低く採用倍率が非常に低い穴場の業界になっています。 待遇の割に就職難易度が低いため、ぜひ確認しておきたいですね。
準大手ゼネコン
準大手ゼネコンは、建設業の中で「売上高3000億円から1兆円程度の大手ゼネコン」を指す言葉です。 スーパーゼネコン上位5社が高い就職人気を誇る一方で、準大手ゼネコンは採用倍率が非常に低い穴場の業界になっています。 業界特有の事情によりスーパーゼネコンと比較して遜色ない待遇がありますので、見落とすのはもったいない業界です。
財閥倉庫
財閥倉庫は、倉庫業の中で「三菱倉庫・三井倉庫・住友倉庫・安田倉庫・澁澤倉庫」の5社を指す言葉で、業界上位を占める存在です。 事業内容がわかりにくいため「倉庫」というイメージが先行し、仕事が楽そうな印象を持ってしまいます。 しかし、実際はまったくの逆ですのでしっかり確認しておくことが必要です。
鉄道業界
鉄道業界は陸運業に含まれますが、「物流」とはビジネスモデルが異なるため別の分類にするのが適切です。 そのビジネスモデルとは、鉄道資産を活かした沿線開発です。 特に文系の場合、ビジネスモデルの理解なしに内定を取得することは極めて困難なので、研究を深めておきましょう。
高速道路
高速道路は鉄道業界と同様、「道路資産を活かした沿線開発」というビジネスが可能な業界なのですが、 「高速道路の新設・維持管理」で手一杯で、まだ次のビジネスに本腰を入れられていないのが現実です。 つまり、「資産を活かした新規事業」のチャンスが多く眠っているということです。
メーカーの業界研究
メーカーとは、工場で製品を製造する業界を指し、非常に広範な概念です。 この業界は数多くの企業を含んでいますが、一般に「残業が少ない」「年間休日数が多い」業界として知られています。 「メーカー」に属する業界には、次のものがあります。
1.化学メーカー
化学メーカーは、製品の製造工程で化学反応を利用する企業の総称ですが、簡単に言い換えると「金属以外の何かの材料をつくるメーカー」です。 樹脂やフィルムなど新素材を発明し、特許権を取得して独占販売を行うビジネスモデルのため、 「売上規模」よりも「独占商品をどれだけ持っているか」が重要で、また大手企業から中堅企業までホワイト企業がそろっていることでも有名な業界です。
2.鉄鋼メーカー
鉄鋼メーカーも、化学メーカーと同様のビジネスモデルです。 中でも「高炉メーカー」と呼ばれる日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼所は非常に高い就職人気を誇り、それに見合った待遇が用意されています。 こちらも同様に「素材の新開発」が利益を大きく左右しますから、ビジネスモデルを理解した上で応募しましょう。
3.非鉄金属メーカー
非鉄金属メーカーは、銅・スズ・ニッケルといった「鉄以外の金属」を製造するメーカーで、同様に「素材の新開発」をビジネスモデルとする業界です。 特に光ファイバーケーブルや自動車用ワイヤ―ハーネスなど「素材」にとどまらず「半導体部品」「自動車部品」まで製造し、 それらで大きなシェアを有しています。こちらは就職難易度の低い穴場ですので、ぜひ確認しておきましょう。
4.機械メーカー
機械メーカーは主に工場設備を製造するメーカーで、 素材メーカーから仕入れた素材を「切削研磨」「切断」「溶接」といった作業を行う装置を、顧客工場に納品します。 実は日本企業が非常に得意としている分野で、ビジネス界では世界的に有名な企業がそろっています。待遇も申し分ないため、ぜひ確認しておきたいですね。
5.電機メーカー
電機メーカーのうち、BtoBビジネスに取り組む企業は機械メーカーと同様のビジネスを行っています。 三菱電機や安川電機など比較的有名な企業もありますが、名前を知らない企業こそ就職難易度の低い穴場です。 製造装置や部品は「替えの効かない企業」が強く、中堅企業でも申し分ない待遇が用意されています。
6.食品メーカー
食品メーカーは就職難易度が極めて高い業界ですが、ここで身につくスキルは文系にとって最高峰です。 この業界では、単に「品質の良いものをつくる」のではなく「売れる仕組みづくり(マーケティング)」をします。 「消費者に対する深い理解」が必要になりますが、このスキルはヘッドハンティングの対象で将来性が高いです。
7.自動車メーカー
自動車メーカーも就職難易度が極めて高い業界ですが、 待遇はもちろんのことマーケティングのスキルも身につけることが可能です。 環境意識の高まり・EV化で激動の時代がやってきますが、そんな時代も生き抜くスキルを身につけたいですね。
また、この業界ではトヨタ自動車が絶好調ですが、 就職先として本当にトヨタ一択なのか、他の企業の魅力について次の関連記事で解説しています。
8.製薬業界
製薬業界は、すでに激動の時代を迎えています。 医薬品メーカーの高い利益を守っていた「薬価制度」は次々に改正され、また莫大な収入源であった「特許権」も次々に失効を迎えています。 研究開発費を確保するため業界再編が著しい速度で進行し、急激に企業数を減らしています。
非常にリスクの高い業界ですので、安易におすすめできません。
その他の切り口で業界を探す
各業界を研究しても、どうしても大手企業に目が行ってしまうという問題があります。 筆者の私の場合、大手企業ばかりに応募して「すべて不合格になった」という苦い経験がありますが、 問題はそれ以上に「社会に出てから優良企業をたくさん見つけてしまったこと」です。
「売上規模のランキングではなく、将来性やホワイト企業でまとめた一覧がほしかった」という思いから、 次のようなまとめ方をした記事を用意しています。
様々な切り口での業界研究
1.隠れ優良企業
就職活動では、大手企業の影に隠れた「学生が見落としがちな優良企業」が多数存在しています。 年収や休日など待遇面はもちろんのこと、高い利益を実現できる理由やビジネス誌で賞賛されているなど、 社会人目線で「ここに入社したかった」と思う企業を、「何がすごいのか」の解説つきで次の記事でまとめています。
2.厚生労働省認定のホワイト企業
筆者の私は、「インフラ企業はホワイトだろう」という思い込みで多数応募した経験がありますが、後によく調べてみると、現実は真逆でした。 「ブラック企業」が話題になってから厚生労働省が「働き方改革」の推進とともに、優良企業と認定した企業を多数公表してます。 次の記事ではそんな「厚生労働省認定のホワイト企業」を60社まとめています。
3.将来性の高い業界
業界研究、企業研究を進めるにあたって「将来性を調べる」と教えられることが多いです。 ですが、学生にとっては「将来性の調べ方がわからない」という問題があります。 そこでMY就活ネットでは主にビジネス誌や株式市場の動向をもとに、将来性の高い業界を理由つきでまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
4.文系におすすめの業界
「文系にメーカーは無理」「活躍できるスキルがない」と悩んではいませんか? 実は、どんな業界も文系が活躍できる場面があります。 MY就活ネットでは「文系にはどんな業界がおすすめなのか」「具体的にどんな活躍ができるのか」について解説しています。
5.スキルが身につく業界
「人生100年時代」「生成AIで仕事がなくなる」と言われる昨今、「何か一生モノのスキルがほしい」と思う学生も多いでしょう。 そこで「特別なスキルが身につく業界」を紹介する記事を作成しました。 「スキル」はビジネス誌等で話題になったものを厳選しており、貴重な人材になることができるでしょう。
6.参入障壁の高い業界
就職活動をする上で心配なのが、企業の安定性です。 その安定性を担保する理由の1つが「参入障壁」で、これらの企業に入社すれば「一生安泰だ」と思う方も多いでしょう。 ですが、その参入障壁は必ずしも永遠のものではありません。情報を整理して、どんな企業なら安泰なのかまとめました。
7.「やめとけ」シリーズ
私が学生当時「良い業界・企業だ」と思っていたものの、ビジネスに携わり知見を深めていくにつれて、 「入社しなくてよかった」「選ばなくてよかった」と思った業界、企業、またはその選び方について、 「やめとけシリーズ」として記事を作成しています。次の関連記事から、ぜひ参照してください。
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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