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銀行就職はやめとけ!|将来性のないオワコンな大量の理由

銀行就職はやめとけ!

 「銀行就職はやめとけ!」と強くいうのは、将来性がないオワコンな上に八方ふさがりで、 かつブラックな職場で友達もなくす、リストラもあるという「地獄」だからです。 今は給料が高いですが、それもいつまでもつかわかりません。

この記事の要点

  1. 銀行には将来性がない
  2. 大規模リストラが待ち受け、待遇悪化の可能性が否めない
  3. デメリットは健在、厳しいノルマ・パワハラ・友達をなくすなど!
  4. ただし転職に有利なスキルは身につく
  5. 一方で就職難易度は上がっている!


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銀行に将来性がない理由

 銀行が将来性のないオワコンな理由は、次の5つです。

 銀行が今後どうなるかというと、 「年収など待遇は悪化し、リストラで首切りに遭い、銀行の規模は縮小していく」でしょう。 「銀行が将来なくなる」ことはありませんが、銀行の抱える問題はそれほど致命的で、暗い未来しか見えてきません。

 かつては「理想の就職先」でしたが、今では見る影もありません。 銀行は、バブル崩壊後もはや後戻りできない段階にまで来てしまいました。 顧客の銀行に対する目が変わり、政府には厳しい規制が敷かれ、経営者は銀行改革に消極的です。

 現時点ですでに「消費者金融」と「投資信託でボッタくる」金融屋と化しており、「企業の成長を助ける」本来の役目が失われつつあります。 実はバブルの負の遺産を一番多く抱えているのが銀行です。バブル時代に調子に乗りすぎた反動ですから、自業自得とも言えます。 世間で言われているような理想の就職先とはとても言えません。

 銀行に将来性がない理由を1つずつ解説していきます。

 

1.本業で儲からない

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融資の借り手がいない!

 なぜ銀行に将来性がないのかその最大の理由が、本業である「企業への融資」が儲からないことです。 儲からないのは、借り手がいないからです。バブル経済の遺産で、日本人には「借金が嫌い」という風潮が根付いてしまいました。 これでは「終わってしまったコンテンツ」と言わざるを得ません。

 その証拠が「預貸率」という数値になって表れています。

 銀行の経営指標のひとつで、預金に対する貸出金(融資)の比率。 銀行が集めた預金がどれだけ融資に回っているかを示すもので、一般に預貸率の低下は、景気にマイナスの影響を及ぼすとされています。 バブル崩壊後の日本では、銀行の預貸率の低下が景気低迷の長期化につながったひとつの要因とされています。

預貸率の解説:三井住友DSアセットマネジメント

 預貸率は「貸出金÷総預金」で算出でき、銀行の預かったお金の何%が貸し出しに回されているかという指標ですが、 以下の表の通り、20年で半減という猛スピードで減少しています。

メガバンク預貸率の推移
時期預貸率総預金貸出金
2002年1月95.8%2,139,3012,048,970
2007年1月77.9%2,415,3281,881,119
2012年1月66.3%2,659,2381,763,847
2017年1月56.8%3,329,1161,890,478
2021年1月50.8%4,165,9532,116,255
※データは全国銀行協会の統計資料を参照

 簡単に説明すると、「預金は倍増しているのに、貸出はほぼ変わっていない」のです。 アベノミクス以来、増収増益を重ねる企業は増えていますが、設備投資も稼いだ利益から出し(内部留保)、むしろ積極的に借金の返済をするという状況になっています。 銀行にとっては、貸出金は期限よりはやく返されてしまう上に、新たに借りてもらえないという厳しい状況なのです。

 日本経済の成熟・停滞に伴って、企業が大規模な設備投資をする機会は減っており、 また資金調達には「新株発行」や「エンジェル投資家」「投資ファンド」を利用するなど、「銀行からの借金」が必ずしも企業に必要ではなくなってきています。

 商品が売れなくて在庫が積みあがっていくと、安売りするしかありませんよね。 これが現在の「低金利」の原因であり、銀行が儲からない証拠です。

 銀行の収益源としてもう1つ重要なのは、投資業務です。

 利用者から預かった預金をまず、企業に融資します。 それで余ったお金は「日銀に預ける」「国債を買う」「株式投資をする」ことで利益を出すのです。 ですが、低金利政策のため、投資業務でも利益が出せません。

 以前は利用客からの預金を、日銀に預けておくだけで利息がもらえました。 預金を集めれば集めるほど、日銀にもらう金利と利用者に払う金利の差額で儲かったのです。

 ですが、バブル崩壊後は日銀から利息がほとんどもらえなくなりました。 マイナス金利政策が解除されたものの、日銀からお小遣いがもらえるだけの話であり、 銀行の将来性が回復したわけではありません。

 そこで銀行は代わりに「国債」を買って利息をもらおうとしますが、 銀行や保険会社が買いまくるのでやはり国債の値段が上がり、国債の利息もうまみがなくなってしまいました

 「でも金利が上がればまだワンチャンあるから…」と言う人もいます。

 ですが、金利の上昇は期待できません。 というのも、そもそも借り手がいなくて困っているのに、金利が上がればますます借り手がいなくなってしまうからです。

 銀行は、お金を借りてもらえない分の穴埋めとして、劣後債を購入したり、国債を購入したり、投資信託を販売したり、 カードローンで消費者金融を始めたりと苦肉の策を打っていますが、 カードローン以外は特に儲かっていません

 もはやメガバンクすら詰んでいるような状況ですが、地銀はもっと大変な事態に陥っています。 →地銀とメガバンクの違い~ヤバすぎる地銀の現状という記事で詳しく解説していますので、参照してください。

 

2.大規模リストラが待ち受けている

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人手が余りすぎている!

 将来性のなさは「人員削減」にも表れています。 みずほ銀行は2026年度末までにグループの従業員数を現在の約7万9000人から6万人に減らす方針を発表しました。(日経新聞) AIを使った効率化で業務量を減らし、店舗も2割削減するとのことです。 また三菱UFJ銀行もグループ全体で10年程度で1万人の人員削減を予定しています。

 AIやロボットを導入して銀行業務を自動化し、社員や店舗を減らして利益を確保しようというのが人員削減の真意です。 輝く未来を見据えた発表ではないということですね。

 今後は銀行の大量採用も影をひそめる可能性もあり、また「肩たたき」のように早期退職を促されたり、 配置転換でグループ他社に出向になる可能性もあるということです。

 しかし、リストラに踏み切る決意が遅すぎますし、10年で1万人というのは銀行の窮状に比べてのんびりすぎます。

 成長性が見いだせない以上、即座に規模を縮小すべきです。 ですが、バブル時代に栄華を誇った銀行時代に入行した現在の経営者にとって、銀行改革は苦渋の選択です。 さらに大規模リストラを実行しても、効果が出るのは自分が引退したずっと後です。

 そのため銀行改革が遅々として進まず、ジワジワと弱っていくことが予想されます。

 

3.メガバンク3行は大幅採用減

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大量採用はすっかり過去のもの!

 メガバンクは毎年のように採用人数を減少させています。 これは「事業の成長性がない」ことを自白しているようなもので、これまでのように社員を養う余裕はないというわけです。

 産経新聞によれば、 2020卒の入社は三菱UFJ銀行は530人、住友銀行は600人、みずほ銀行は600人と、大幅減を報じています。 従来の大量採用を修正し、上述のように自然減少による人員削減が狙いと思われます。

 比較的好景気だった2016卒からの移り変わりを見てみましょう。

メガバンクの採用人数の推移
卒業年度2016卒2020卒
三菱UFJ銀行1386人530人
三井住友銀行1920人600人
みずほ銀行1916人600人

 かつてはメガバンク3行で5000人以上も採用してきたわけですが、 どんどん採用人数を減らし、ついに1700人と「5年間で3分の1」にまで減少しました。

 採用人数が1000人を切って大ニュースになっていたと思ったら、もう1行500人程度にまで落ち込んでいます。 「銀行は採用人数多いからとりあえず受けておこう」 「他で内定がもらえなかったときのためのすべり止めとして受けておこう」という考えも通用しなくなるということです。

 旧帝大などの高学歴で体育会系の就活生にとっては比較的内定のもらいやすかった銀行ですが、 採用人数を絞るということは、就活生にもそれなりの将来性を求めるということになります。 後述しますが、就職活動の軸が明確でかつそれが銀行のビジネスに合致していないと内定はもらえなくなるでしょう。

 採用人数の内訳はまだ公表されていませんが、おそらく一般職が大幅に減ると考えられます。 しかし、1万~2万人という人員削減を予定しているメガバンクですから、 総合職も今後減少に向かうはずです。

 ですが、リストラにしても採用減にしても、銀行の抱える窮状に比べてスピード感が皆無です。 銀行改革は遅々として進みません。これには深い事情があります。

 

4.法的規制のため身動きが取れない

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新規事業ができない!

 銀行の将来性がない理由の1つに、規制が多すぎるというものがあります。 特にメガバンクでは100兆円を超える預金を誇っており、その莫大すぎる資金力を背景にいろんな業界で独占企業になってしまう可能性があるためです。 そのため、銀行は他の業界には進出できないように規制がされています。

 例えばセブンイレブンはセブン銀行で銀行業に進出しました。 ですが、三菱UFJ銀行はコンビニ業に進出できません。規制のためです。

 「なら規制緩和をすればいいじゃないか」という話ですが、業界最大手のセブンアイホールディングスでさえ、 売上高は5兆円に過ぎません。そこに現金で100兆円を持つ銀行が参入してきたら、 既存コンビニがすべて銀行に負けるのは容易に想像できますよね。

 そのため、国による規制緩和にはほとんど期待できません。

 銀行改革が進まないのはこのように、できる新規事業が限られているところにも原因があります。 これは「銀行が悪い」とは言いにくいのですが、「融資や投資信託で稼ぐしかない」状況では、将来性がないと言わざるを得ません。

 

5.銀行改革を妨げるセーフティネットの存在

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国が助けてくれるし、まあいっか・・・

 銀行の将来性を奪い、オワコンに陥れた元凶には、「政府の用意したセーフティネット」にもその一端があります。 新規事業ができないといっても、リストラや採用減はもっと大胆に行えるはずです。 危機的状況に陥っているのに、なぜ改革がのんびりしすぎているのでしょうか。

 それが「預金保険法」というセーフティネットの存在のせいです。

 預金保険法は、銀行が倒産しかかったときに国が資金を注入する銀行救済策です。 銀行が破たんしてしまうと国民はパニックに陥ります。経済活動が停止し、 リーマンショックのような悲劇を呼びます。

 金融危機を回避するため、預金保険法で「最悪の場合は国が助ける」というセーフティネットを張っているのです。

 ですが、国際的な流れは逆です。リーマンショック後、国際合意によって「G-SIBs」に指定された銀行には、 国は救済措置を取らないことが決まりました。これは「金融危機が起こってもいい」と考えているのではなく、 むしろ「国は助けないから銀行はもっと責任をもって経営しろよ」という意味です。

 しかし日本では三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行がG-SIBsに指定されているにも関わらず、 預金保険法のセーフティネットは外していません。そのため海外からは「ダブルスタンダードだ」と批判されています。

 このセーフティネットの存在は、銀行のモラルの低下を招きます。 要は「国がなんとかしてくれるから大丈夫さ!HAHAHA」というわけです。 これで倒産したのがリーマンブラザーズです。

 銀行の経営者はリストラを行って「悪者」になってしまうのを嫌がります。 できればリストラはしたくないもの。「自然減」という誰も怒らないやり方でお茶を濁しつつ、 最悪の場合は国に助けてもらえばいいのです。

 もちろん公的資金の注入を受けたらタダでは済みません。ですが、そうなるころには、今の経営者は年を取って引退しています。 「10年後につぶれようが関係ねえ!だって俺いないし!」というわけです。 だから銀行改革が進まないのです。

 こういう状況ですから、銀行は将来性がないという他ありません。

 

銀行に就職するデメリット

 銀行へ就職するデメリットは次の7点です。

 あまりにも致命的なものが多く、メリットとバランスが取れていません。 特に「銀行にホワイト企業などない」ことだけは覚えておいてください。

 確かに「給料が高い」などのメリットもあるものの、それを差し引いても余りあるデメリットの大きさです。 銀行マンになるには、人生のいろいろなものを諦めざるを得ません。 これらデメリットをよく検討したうえで、それでも銀行に就職したいという熱意をもった人だけが就職するようにしましょう。

 

1.銀行はパワハラ地獄でブラックな職場

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想像を絶するブラックぶり!

 まず1つ目の、銀行のイヤなところはパワハラ地獄であることです。 不正融資問題に揺れるスルガ銀行では、第三者委員会がパワハラの実態を公表しました。

参考:スルガ銀行第三者委員会報告書

 以下は、第三者委員会報告書からの抜粋で、行員がアンケートに回答した生々しい原文です。

  • 毎月、月末近くになってノルマが出来ていないと応接室に呼び出されて(バカヤロー)と、 机を蹴ったり、テーブルを叩いたり、1時間、2時間と永遠に続く。給料返せなどと、どなられる。
  • ノルマが出来ないと夜の10時過ぎても帰れない。残業代など支払われるはずがない。
  • 「なぜできないんだ、案件を取れるまで帰ってくるな」といわれる。首を掴まれ壁に押し当てられ、 顔の横の壁を殴った。
  • 数字ができないなら、ビルから飛び降りろと言われた。
  • チーム全体を前に立たせ、できない理由を言わされた。時間は2時間以上にのぼり支店の社員の前で給与額を言われそれに見合っていない旨の指摘を受け、 週末に自身の進退(退職)を考え報告を求められた。
  • 上司の机の前に起立し、恫喝される。机を殴る、蹴る。持って行った稟議書を破られて投げつけられる。
  • ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、お前の家族皆殺しにしてやるといわれた。

※いずれも上記リンク先の「第三者委員会調査報告書(全文)」173-176頁(PDFファイルを開く

 こういったパワハラはスルガ銀行特有の問題とは言い切れません。 メガバンク、地銀、比較的ホワイトだと言われる政府系銀行ですら同じようなことが行われています。 「パソコンにログイン履歴を残さないため」にパソコンを使わずにサービス残業をするという話もあります。

 そもそも借り手が減少している現代社会ですから、行員を根性論で動かしたところで借り手が増えるわけがないですよね。 合理的に考えればパワハラは不正融資の温床になるだけですから、 問題化していない他行ではここまでヒドイ環境ではないかもしれないともいうことができます。

銀行はブラック企業か?|最悪の就職先

 

2.プライベートがない

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銀行マンに休日はない!

 2つ目のデメリットがプライベートがないことです。 銀行では資格ごとにポイントが設定され、「入行何年目までに資格ポイントをいくつ稼がなければならない」と決まっています。 もし残業が早く終われば無給の勉強会に参加させられ、帰れても資格の勉強に時間を取られます。

 さらに土日の片方は「社内イベント」でゴルフなりボウリングなり飲み会なりが開催され、強制参加です。 空いたほうの休日も資格の勉強ですから、プライベートな時間は事実上、ありません。

 

3.友達をなくす

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友達を売るのが通過儀礼!

 3つ目のデメリットが友達をなくすというデメリットです。本業の法人融資で稼げない銀行は今、 消費者金融投資信託の販売で稼いでいます。 さすがに友達にカードローンをすすめることはありませんが、投資信託は販売ノルマがあります

 投資家の世界では、「銀行や証券会社で投資信託を買ってはいけない」ことはもはや常識になっています。 というのも、銀行は「販売手数料を稼げる金融商品」を売るのであって、「顧客が儲かる金融商品」を売るわけではないからです。 販売手数料が高い金融商品は、その手数料の分、最初から投資家が損をすることが決まっているのです。

 特に「海外通貨」「海外株式」の組み合わせで高利回りをうたう商品は「情弱御用達」で、 買った時点でほぼ負けが確定するようなヒドイ商品です。 勉強不足の投資家は銀行にすすめられるまま買ってしまい、大損を食らうのです。

 そんなヒドイ金融商品を、ノルマ達成のために友達に売りつけなければなりません

 ただし、2019年度、三井住友銀行はメガバンクで唯一、投資信託や保険の販売の個人ノルマを廃止しました。 詳しくは三井住友銀行の企業研究を参照してください。

 

4.将来性がない

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明るい未来が見通せない!

 詳しくは上述の銀行に将来性がないの項目でも解説しましたが、 銀行に就職するデメリットとしても挙げておきます。

 はっきり言って銀行には将来性がありません。バブルの遺産で日本人には「借金嫌い」が根付いてしまい、 企業は株式上場による直接金融、または稼いだ利益(内部留保)で資金をなんとかする傾向にあり、 特に国内の経済成長が見込めない中、もはや融資が増えることは期待できません。

 金融リテラシーや幅広い顧客網を活かした「企業へのコンサルティング」「ビジネスマッチング」などの新規事業に本腰を入れるべきですが、 「消費者金融」で食いつないでいるのが銀行の現状です。

 しかし「預金保険法」という公的資金注入制度があるため銀行は危機感が薄く、 銀行改革は遅々として進みません。特に店舗や支店の削減は急務であるにも関わらず、 「今後10年間で」というノロノロっぷりです。

 それでもまだメガバンクは優良顧客を抱えていて、預金規模も圧倒的ですから地銀よりはマシです。 今就職する皆さんは40年間耐えられる可能性もあります。

 

5.リストラや待遇悪化が容易に予想される

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年収1000万円も過去のものに!?

 業績の悪化、将来性のなさから今後は銀行のリストラや給料カットなどの待遇悪化が予想されます。 というより、本来はすでにやっていないとおかしいのですが、まだまだ進んでいません。

 リストラはメガバンクであればグループ会社への出向という形でその後の生活も保障されますが、 地銀ではそれがないため人生がどうなるか不明です。 いずれにしても銀行マンとしての人生を送れるかどうかは、非常に厳しいと言えるでしょう。

 いずれ「銀行マンの高収入」も過去の話になります。縮小していく銀行ビジネスで、 今の待遇を維持することは不可能です。銀行の数少ないメリットがなくなっていくのです。

 メガバンク3行は大幅採用減で解説していますが、すでに一般職の採用は激減しています。 現在はまだ総合職の採用人数は減っていませんが、これが総合職に及ぶのも時間の問題です。

 

6.出世ができない

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出世の枠が空いていない!

 銀行就職のデメリットでは、「出世ができない」ことも深刻です。 銀行は、店舗や支店の削減によるコストカットを打ち出しています。これは社員にとって「ポストが消える」ことに他なりません。 加えて銀行はいまだに人気の高い就職先ですから、東大や京大をはじめとした高学歴エリートが集結します。

 出世競争で最初に目指すポストが「課長」ですが、これは前後5年に入行した人たち全員との競争になります。 課長の席が減る上に、ライバルは大量の東大生というわけです。 彼らに勝つ自信はありますか?私はありません。

 加えて2010年代までは大量採用をしていた上に、まだリストラに着手していません。 つまり上の世代はたくさんいるということになります。 課長以上のポストは埋まっており、部長になどなれる余地がありません。

 大半の銀行員は、課長にもなれずにグループ会社に片道切符で出向し、そこで一生を終えることになります。 これまで何千人、何万人という就活生が銀行に夢を見て、就職し、絶望し、退職していきました。 確かに銀行に就職すれば、その瞬間は地位も名誉もお金も手に入ります。しかし、本当に銀行で生き残れるかどうかをよく考える必要があります。

会社での出世には期待できない|高学歴でも課長になれない

 

7.ノルマがヤバい

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押しつぶされて退職者多数!

 給料は高いのですが、激務というだけでなく、銀行は上司からの罵倒、叱責がものすごく多いのです。 ノルマ未達成時の罵倒は想像を絶するものです。説明会では「ノルマはなくて、目標があるんだよ」 などと言われるでしょうが、事実上ノルマも目標も同じものです。

 友達に投資信託を買ってもらったり、定期預金をしてもらったりと、 友達を売る行為にまで手を染めなくてはなりません。

 激務なことと、精神的な負担が大きいことは、銀行員にとって給料よりも重いようです。 政府系金融機関に就職した友達から「先輩はみんな転職サイトに登録してる」「「辞めたい」が口癖の人が多い」 と聞いています。

 さて、ノルマ自体はどんな会社にもあります。売上高から売上原価を差し引いた「売上総利益」が稼げなければ、 給料も払えませんし会社自体が存続できないからです。最低限倒産しない金額は稼がないと、つぶれてしまいます。

 それ以上の数値目標は「実現すべき理想の社会」のために設定されるべきものです。 会社とは、「社会に存在する問題を自ら解決する人の集合体」であり、 「ビジョン」がまずあって、その実現手段として「数値目標」があるのです。

 ところが、「お金儲け」しか見えなくなってしまった会社は「ビジョン」を見失い、 純粋に「お金儲け」のためだけに数値目標を設定し、株主のご機嫌を取ります。 そして、「数値目標以上に稼ぐ」ことが至上命題になってしまいます。

 こういった会社では朝から晩まで、365日無機質な数字に追われ続けることになります。

 銀行の本質は資金を融通し、産業の発展を助けるところにあります。 本来であれば「顧客企業の成長」こそが至上命題であるはずなのですが、 現在の銀行はとにかく「稼ぐ」ことばかり重視していて、「ビジョン」を見失っています。

 要するに銀行はやりがいがないというわけです。

 

銀行に就職するメリット

 銀行に就職するメリットは次の3点です。

 ストレス耐性が高く、プライベートの時間を犠牲にしてでも銀行で働きたい強い意志を持った人にはメリットのある業界です。 特に「起業したい」「次のステップに向けて銀行の経験が必要」という場合には、勉強するのにいい業界です。

 ですが、デメリットのほうが大きすぎるので私はおすすめしません。 もし40年間を銀行で過ごすつもりなら、メリットとデメリットを比較して検討してください。

 

1.年収が高い

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今はまだ年収が高い!

 銀行に就職するメリットの1つに「年収が高い」ことが挙げられます。昇給額がとても大きく、 30代で年収1000万円というのも珍しくありません。昇進を重ねていけば2000万円も可能です。

 ですが、これは現時点での話です。上述のように銀行は大規模リストラを控えています。 このまま日本経済が「安定成長」を続ける限りはこれ以上待遇が良くなるということは考えにくいです。

 銀行に成長性がない以上、いつ給料がカットされてもおかしくありません。 江崎グリコのように儲かっていても「新賃金制度」に移行して事実上の給与カットをする会社すらあるくらいです。 「銀行の給料が下がらない」というのも、思い込みに過ぎないのです。

 

2.「天下り」ができる

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メガバンクならグループ企業で好待遇な余生!

 2つ目のメリットが「天下り」です。特にメガバンクでは出世競争に敗れるとグループ会社に出向させられるのですが、 出向先での待遇が良く、「働かずに雑談だけして帰る部長」のようになれます。 銀行内でどこまで昇進したかによって天下り先も変わり、銀行でエラかった人ほど有利になります。

 ただしこれはメガバンク限定で、巨大な財閥グループを築いている三菱UFJ銀行、三井住友銀行以外では期待できないでしょう。 一方でこの2行は財閥グループに大勢の取締役・監査役・部長クラスを派遣しています。 財閥ヒエラルキーについては財閥系企業への就職に「待った!」の記事をご覧ください。

 また融資先の経営が悪化した場合、銀行マンが社長として乗り込んで経営再建させる場合もありますし、 取引先から「経営者として来てくれ」とヘッドハンティングされる場合もあります。

 「銀行で出世する」以外のキャリアの道もあるのは銀行に就職するメリットの1つと言えるでしょう。

 

3.金融リテラシーがつき転職や独立に有利

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身につくスキルは一級品!

 3つ目のメリットが「転職や独立に有利」ということです。銀行に就職すると、 顧客企業の有価証券報告書や決算書を読み、会社の業績を診断できるようになる他、 銀行から資金を調達するコツも知っています。

 いろんな会社を深く知ることができますから、成功例や失敗例をまとめて勉強することで、 コンサルタントとして独立する人もいれば、企業の財務担当者としてヘッドハンティングされる場合もあります。 銀行出身の起業家も多いですね。

 取引先の「社外取締役」「社外監査役」として招かれることも多く、 職に困ることはないでしょう。

 

なぜ銀行は人気なのか

 なぜ銀行の就職人気が高いのかは、次の3つの理由があります。

 これほどまでに過酷で厳しい業界であると言われているにも関わらず、銀行人気はなかなか冷めません。 「みんなにすごいと言ってもらえるから」ではなく、本当に自分に向いているかをよく検討してから就職先を選ぶべきです。 もし以下のヨコシマな理由で志望しているなら、やめましょう。

 

理由1:世間体が良い

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誰にでも自慢できる!

 銀行の就職人気の理由には、まず世間体が良いという事情があります。 名門大学を卒業して、銀行に就職して、華やかな人生を送るという世間の思い込みです。 経済学部で金融を学んだら銀行へ就職というのがひとつの固定観念になっているのです。

 銀行に就職すれば「すごい」と言ってもらえる。これが人気の理由です。

 3大メガバンク、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行は知名度が圧倒的で、 日本人なら知らない人はいない銀行です。特に三菱や三井住友は財閥グループの中核を担う銀行であり、 お年寄り世代からの支持は圧倒的です。

 つまり、家族や親戚、友達、恋人、合コンとあらゆる人に自慢できるのが銀行就職なのです。

 確かに高度経済成長からバブル期にかけて、ビジネスの主役は銀行でした。 株式などの金融市場が未発達な日本社会においては、企業にお金を融通する役割はほぼ銀行が担っていたといっても過言ではありません。

 貯金が大好きな日本人の預金を、メーカー企業に融通することで大規模な設備投資を可能にし、 いろんな分野の産業を発展させてきました。間違いなく過去には「銀行はすごい」時代があったのです。 ですから、家族や親戚は昭和の感覚のまま「銀行はすごい」と言います。

 ですが、そんな銀行黄金時代はバブルとともに終わりました。 バブルの遺産を整理する「失われた30年間」で企業は銀行からお金を借りられない苦境にあえぎ、 景気が回復すると銀行融資ではなく、利益から設備投資代を出すという対策を取り始めました。

 もはや銀行からお金を借りたくないのです。 みなさんの周りでも、「借金への恐怖」は非常に大きいのではないでしょうか。

 実は私は銀行から6700万円の融資を受け、残債が6500万円ほどありますが、この話をするとみんな驚きます。 それくらい「借金」への嫌悪感はすごく、なるべく借金をしないように過ごそうとするわけですから、 銀行の市場は縮小していることも実感できると思います。

 

理由2:給料が高い

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今はまだ高収入!

 銀行の人気の高さを維持しているのは、年収が高いのも大きな理由の1つです。 サラリーマンの平均年収は400万円と言われており、バブル期を過ぎて会社が倒産した人も多ければ、給料が激減した人も多いでしょう。 しかし、銀行なら年収はすぐに1000万円を超え、2000万円近くまで伸び続けます。

 他の業界と比べて給料がべらぼうに高く、合コンや婚活パーティなどで「銀行員です」 などと言おうものならモテる可能性は高いです。

 何より大きいのは、どうせ会社なんてブラックばかりなんだから、 どうせブラックなら給料が高いところ行こうという考えでしょう。

 しかしブラック企業にも程度があります。ときどきサービス残業を求められる程度のブラック企業なのか、 毎日精神的に追い詰められながらのブラック企業では圧倒的に前者のほうが居心地がいいです。

 ホワイト企業は激レアで、どの会社もたいていブラック性は持ち合わせています。 しかし、残業代や休日出勤手当が出るならブラックではないと安心しきってしまうのも考え物です。 お金を払えばいくらでも残業させていいというものではないのです。

 人格を否定するような罵倒、叱責、プライベートのなさ、お金以外の全てを諦める覚悟、 これらを納得の上でそれでも銀行に就職したいと思うのであれば、就職するべきでしょう。 「あれ?」と思ったなら、考え直してみましょう。

 

理由3:銀行はつぶれない「安定性」がある

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良くも悪くもつぶれない!

 そしてつぶれないという安定性も銀行人気の理由の一つです。銀行はめったなことではつぶれません。 いくら仮想通貨が流行っても、いくら銀行からお金を借りなくなっても、 日本円が流通している限り金庫として、住宅ローンの貸し手として銀行は必要です。

 恐慌が起こっても、銀行がつぶれるとパニックになり、経済は危機的状況に陥ります。

 そこで、銀行がつぶれかかると政府が資金を注入します。 「預金保険法」という銀行救済のセーフティネットがあり、 これがあるからには銀行がつぶれることはまずありません。

 また、歴史的に高学歴で優秀な人材を採用してきた銀行が、現在置かれた状況に危機感を持っていないわけがありません。 銀行業務の自動化、仮想通貨領域への進出、銀行法を改正してもらってさまざまな事業に乗り出すといった解決策はあります。 なにも「フィンテックで銀行はオワコン」というわけではないのです。

 ですが、その生き残りのための犠牲になるのは行員です。銀行に就職して、 果たして「リストラの対象にならない」ほどお金の稼げる優秀な行員になれるでしょうか。 ライバルは東大生です。うーん、私は無理ですね。

 

銀行就職は難しい

就職難易度は、非常に高い!

 銀行の就職難易度は、非常に高いです。 かつての大量採用は終焉を迎え、現在は採用人数が激減した一方で就職人気が未だ高く、採用倍率は100倍を超えます

 採用大学は東京大学・京都大学をはじめとした旧帝大・難関私大などが中心で、 かつ留学経験、NPO法人や事業を興しての起業経験があるといった「バイタリティのある学生」も多く、 いわゆる「意識が高くて行動も伴っている就活生」であふれています。

 そんな中で生き抜いて「勝ち組になりたい」という方に向けて、次の記事を用意しています。 ここまで読んでなお銀行就職を目指すあなたは銀行マンの才能があります。ぜひこの金融業界を変えてください。

【関連記事】 銀行就職で勝ち組になるには?|難易度や志望動機など

 また、MY就活ネットではメガバンクの企業研究も用意しています。 各行の特徴を踏まえて「就職活動の軸」と結びつけるのに役立ててください。

 

絶対にアカン!「メガバンクに落ちたら地銀に行こう」

地銀はもっとヤバい!

 銀行を志望する就活生はそのほとんどがメガバンクと地銀を併願します。 しかし、なんの考えもなしにメガバンクと地銀を併願することだけは、絶対にやってはいけません地銀だけは絶対にやめとけとはっきり言えます。

 詳しくは地銀とメガバンクの違い~ヤバすぎる地銀の現状の記事で解説していますが、 規模、客層、将来性すべてにおいてわけが違います。 いくらメガバンクのことを調べても、地銀の危険な現状を知らなければ確実に地獄を見ます

 地銀はメガバンクより先に危機的状況に陥っており、メガバンクより先に人員削減・店舗削減を実行しなければなりません。 しかし、銀行改革がほとんど進んでいないという現状があります。 預金保険法というセーフティネットがあるためすぐにつぶれるということはありませんが、 入社すると大変な目にあうのは目に見えています。

 危機的状況を乗り越え、地銀だからこそできるサービスを実現したいという強い思いを持った人だけが、 地銀を志望するべきでしょう。

 

銀行の業界研究におすすめの本

 メガバンク・地銀を志望する方におすすめの書籍は「銀行不要時代(著者:吉澤亮二氏)」です。

 私は銀行就職反対派です。反対派の私が選ぶ本ですから、銀行について非常に厳しく書かれた本です。 海外各国の銀行と比較して、メガバンク・地銀の抱える問題を提起しており、 特に地銀のヤバすぎる現状を詳細に分析しています。

 この本を読めば「銀行に対する夢やあこがれ」はすべて幻想だったことがわかり、 銀行に就職するのがいかにいばらの道で、地銀に就職するなど愚の骨頂であることがわかります。

 もしまだあなたが銀行への就職を考えているなら、一度この本を読んで現実を見極めてください。 それでも就職したいと思えるなら、銀行マンの才能があるかもしれません。 少なくとも銀行のヤバさを理解しないまま就職するのは、絶対にやめてください。

 これは私もこの記事を書く際に参考にした書籍ですが、著者の本業が銀行の分析であり、 著者自身も銀行での勤務経験を持つため銀行の内情がよくわかります。 志望企業の選択、エントリーシートの作成にも役立つと思います。

 難易度の高めの書籍ではありますが、逆に言えばこれくらいがわからないと銀行には就職すべきではないと思います。

→「メガバンクと地銀の違い」も確認する

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志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)

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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。 →Xのアカウントページ