学歴フィルターはどこから?かからない大学と業界の一覧
「学歴フィルターはどこからかかるのか」「学歴が関係ない企業はどこか」について、採用実績校を元に解説します。 結論、有利なのは国立大学で、その他年輩社員に通じやすい大学ほど足切りを喰らいにくくなります。
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学歴フィルターとは
学歴フィルターとは、選考や就活イベントの応募に際して、大学名だけを理由に不合格にされることを言います。
書類選考はもちろんのこと、インターンシップや会社説明会すら「学歴フィルター」によって落とされる場合があります。 基本的には応募の殺到する企業で使われがちで、そうでない企業でも二次募集・三次募集では「学歴フィルター」が使われることがあります。
理系 | 学歴フィルターなし |
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原則として適用されるのは文系のみで、理系は学歴フィルターがありません。 そもそも理系人口が少なく、有名企業・大手企業であっても理系の採用倍率は1桁台です。 採用実績校も幅広く、理系の枠に応募する限り、総合商社やコンサルにも内定が取れます。
一方で、文系の枠に応募する場合は文系と同様の学歴フィルターがかかります。
高学歴はどこから?
高学歴 | 年輩社員の基準 |
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就活における高学歴は、MARCH・関関同立以上の大学を出ている場合と言えます。 詳しくは次の学歴フィルターの一覧の項目で解説しますが、MARCH・関関同立以上の学歴ではどの企業にも採用実績があります。
就職に有利な学歴とは、厳密な偏差値ではなく、役員・部長級に通じやすい大学です。 基本的に旧帝大など戦前からある大学が有利で、同時に早慶・上智・ICU・MARCH・関関同立が年輩社員にも伝わりやすいです。
なぜなら「内定」を決定するのは人事部ではなく、社長や人事担当役員だからです。 決定権者は細かい偏差値の差を見ているわけではないため、社長や役員など60~70代が感心する大学が「高学歴」です。
私のいた会社でも、二次募集の際には人事課長が「国立大の学生に声をかけて」と言っていました。 国立もピンキリですが、人事部長・役員に「国立大の学生を面接に呼びます」と言えば聞こえがいいため、優遇されます。
学歴フィルターの一覧
大学群ごとに、学歴フィルターにかからない大学・かかる大学を一覧にして解説します。 これは「就職活動」におけるランキングであり、「入試の偏差値」とは少し異なっています。
かからない大学
Sランク | 【国公立】 東京大・京都大・一橋大・東京科学大・大阪大・名古屋大・東北大・北海道大・九州大 【私立】 慶應義塾大・早稲田大 |
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Aランク | 【国公立】 神戸大・筑波大・横浜国立大・東京外国語大・お茶の水女子大・大阪公立大・国際教養大・東京都立大 【私立】 上智大・ICU・東京理科大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大・学習院大・関西大・関西学院大・同志社大・立命館大 |
上記大学群は、学歴フィルターにかかりません。 総合商社・コンサル・マスコミ・プラント業界・鉄道業界など、難関大出身者で固められる企業群でも例年、内定者がいます。
ただし、インターン選考では国公立が優遇されます。 私が参加したインフラ企業のインターンでは、「東京大・京都大・大阪大・神戸大」の4校しかいませんでした。 人事は「母数の問題」と言っていましたが、旧帝大のほうが人口が少ないはずなので明らかなウソです。
かかりにくい大学
Bランク | 【国公立】 千葉大・名古屋工業大・電気通信大・東京農工大・京都工芸繊維大・岡山大・広島大・金沢大・東京学芸大・奈良女子大・熊本大・九州工業大・横浜市立大・名古屋市立大・京都府立大・神戸市外国語大 【私立】 豊田工業大・芝浦工業大 |
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Cランク | 【国公立】 小樽商科大・東京海洋大・埼玉大・新潟大・信州大・静岡大・滋賀大・岐阜大・三重大・岩手大・宇都宮大・群馬大・和歌山大・徳島大・長崎大・愛知県立大・兵庫県立大・山形大・富山大・山梨大・山口大・秋田大・宮城教育大・茨城大・福島大・福井大・愛知教育大・京都教育大・大阪教育大・香川大・愛媛大・鳥取大・鹿児島大・豊橋技術科学大・長岡技術科学大・高崎経済大・都留文科大・佐賀大・島根大・北海道教育大・室蘭工業大・北見工業大・弘前大・奈良教育大・高知大・福岡教育大・大分大・宮崎大 【私立】 津田塾大・東京電機大・東京都市大・工学院・南山大・西南学院大 |
上記大学群は、総合商社・コンサル・テレビ・出版・プラント業界・大手電機メーカーなどで学歴フィルターにかかります。
一方で三大重工業ではBランクの内定者もみられ、Cランクもその他の大手メーカーに内定者がいます。 また中部地方に本社を置く企業では南山大、九州地方では西南学院大がそれぞれMARCH級の扱いになります。
かかりやすい大学
Dランク | 【国公立】 公立はこだて未来大・秋田県大・会津大・群馬県立女子大・前橋工科大・新潟県立大・石川県立大・福井県立大・静岡県立大・滋賀県立大・県立広島大・広島市大・高知工科大・北九州市立大・福岡女子大・熊本県立大・宮城大・岩手県立大・山梨県立大・富山県立大・奈良県立大・島根県立大・岡山県立大・福山市立大・尾道市立大・山口県立大・下関市大・高知県立大・福岡県立大・宮崎公立大・長崎県立大 【私立】 成蹊大・成城大・明治学院大・獨協大・國學院大・武蔵大・日本大・東洋大・駒沢大・専修大・東京農業大・北里大・東邦大・京都産業大・近畿大・甲南大・龍谷大・名城大・愛知大・中京大・金沢工業大・大阪工業大・東京経済大・千葉工業大・立命館APU・福岡大 |
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Dランク | 【国公立】 琉球大・帯広畜産大・上越教育大・兵庫教育大・鳴門教育大・筑波技術大・釧路公立大・公立千歳科学技術大・札幌市立大・青森公立大・三条市立大・公立小松大・公立諏訪東京理科大・長野大・長野県立大・福知山公立大・公立鳥取環境大・叡啓大・ 【私立】東京女子大・日本女子大・京都女子大・同志社女子大・学習院女子大・昭和女子大・共立女子大・武庫川女子大・神戸女学院大・京都外国語大・大阪経済大・佛教大・北海学園大・東北学院大・神田外語大・玉川大・立正大・東海大・聖心女子大・大妻女子大・清泉女子大・愛知淑徳大・愛知工業大・神戸女子大・ノートルダム清心女子 |
Eランク | 【私立】 大東文化大・亜細亜大・帝京大・国士舘大・摂南大・神戸学院大・追手門学院大・桃山学院大・北星学園大・東北福祉大・新潟国際情報大・金沢星稜大・白鴎大・埼玉工業大・秀明大・武蔵野大・拓殖大・東京工科大・日本社会事業大・明星大・桜美林大・東京家政大・跡見学園女子大・実践女子大・白百合女子大・関東学院大・産業能率大・フェリス女学院大・千葉商科大・常葉大・愛知学院大・名古屋外国語大・名古屋学芸大・中部大・皇學館大・椙山女学園大・金城学院大・岐阜聖徳学園大・京都橘大・四天王寺大・畿央大・甲南女子大・就実大・安田女子大・広島修道大・広島工業大・大松山大・久留米大・福岡工業大・中村学園大 |
上記大学群は、大手企業のボーダーラインになります。 Dランクでは総合電機・総合化学・三大重工業・高炉メーカー・自動車メーカー・スーパーゼネコン・電力・ガス業界で「内定者がいる場合」「いない場合」のそれぞれが散見されます。
一方で準大手ゼネコン・石油元売り・食品・電炉・非鉄金属・中堅化学・電子部品・機械・専門商社などにはDランク・Eランクともに例年内定者がいます。
学歴に厳しい業界ランキング
内定者が高学歴ばかりに偏っている企業群を紹介します。 学歴フィルターが厳しいのか、筆記試験が厳しいのか、ES内容の一貫性なのかははっきりしませんが、採用大学が難関大に限られている業界です。
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1位
総合商社
採用大学はAランク以上。OB訪問を繰り返すことで選考が始まる特殊な業界ですが、AランクですらOBが会社にあまりいないため、その意味でSランク有利です。ただし、インターンに参加して「OBではないけど社員を紹介してもらう」という裏技があり、Aランクも内定は不可能ではありません。
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2位
プラント業界
採用大学はAランク以上。内定者の多くが旧帝一工早慶で、MARCH・関関同立が少数派です。その中でも海外留学を経験した学生が多いです。ですが、Aランクの採用がないわけではなく、JFEエンジニアリングのように幅広く採用している会社もあります。
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3位
テレビ・出版
採用大学はAランク以上。ただし、採用人数が少ないだけで明確な「学歴フィルター」があるとは限りません。会社によってはC~Eランクの採用実績もありますので、エントリーシートの完成度次第の可能性もあります。
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4位
鉄道業界
採用大学はAランク以上。文系採用人数が20人程度と少ない一方で応募者が殺到します。内定者はほぼAランク以上ですが、京成電鉄・小田急電鉄・富士急行・京阪電鉄の他、大阪・名古屋を除いた地方のJR・私鉄ではB~Eランクの採用もあります。
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5位
総合電機
採用大学はAランク以上。日立製作所・富士通・NECの採用大学のボリュームゾーンは旧帝一工・早慶ですが、三菱電機のように学歴フィルターのない会社もあります。
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6位
コンサル
採用大学はBランク以上。採用大学のボリュームゾーンは早慶・MARCH・関関同立で、会社によってはBランクからの採用がないところもあります。一方で日本総合研究所のように、Dランクからの採用実績のある会社もあります。
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7位
三大重工業
採用大学はBランク以上。三菱重工業・川崎重工業・IHIは、Aランク以上がボリュームゾーンですが、Bランクからの採用実績もあります。学歴フィルターにはかかっていないため、ESをしっかり作り込んでいきましょう。
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8位
総合化学
採用大学はBランク以上。財閥系はBランク以上の採用が目立ちますが、それ以外ではCランクからの採用もあります。レゾナック・UBE・デンカ・トクヤマは学歴フィルターのない穴場になっています。
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9位
高炉(鉄鋼)
採用大学はCランク以上。日本製鉄・JFEスチールはリクルーター面接による学内選抜を行っており、学歴の偏りが小さめです。ですが、Dランク以下では厳しい戦いが強いられます。
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10位
自動車
採用大学はCランク以上。Aランク以上がボリュームゾーンですが、同様に学内選抜があるため偏りは小さめです。特にトヨタでは地元の南山大・愛知淑徳大・中京大の採用も目立ちますが、それ以外のDランク以下では厳しい戦いになります。
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11位
スーパーゼネコン
採用大学はDランク以上。そもそも応募者数が少なく、内定者はSランクからDランクまで幅広いです。特に大成建設・竹中工務店は学歴フィルターがなく、勝ち組の割に内定が取りやすい穴場です。
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12位
電力・ガス
採用大学はDランク以上。リクルーター面接による学内選抜を行っており、採用大学の偏りは小さめです。電源開発を除き、地元の私立大学からの採用実績が目立ちます。ただし、海外大学出身者も多いため就職難易度が低いわけではありません。
→インフラ業界49社!就職難易度や勝ち組企業などの業界研究
学歴フィルターのない業界
学歴フィルターがない業界を紹介します。
基本的に、足切り制度は「有名企業」「就職人気の高い企業」に限られます。 特にBtoB業界では応募者が少なく、大手でも穴場の企業が多いのが特徴です。
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1
専門商社
学歴フィルターなし。地方女子大の採用も多いです。それでいて平均年収は800~1300万円と高く、採用倍率も10~30倍と、就職難易度が低い穴場になっています。
→穴場!専門商社への就職|100社の業界研究・志望動機・平均年収 -
2
準大手ゼネコン
学歴フィルターなし。平均年収は800~1000万円と大手メーカーを上回る高待遇にも関わらず、採用倍率も10~30倍と、就職難易度が低い穴場になっています。
→穴場!準大手ゼネコン10社の比較|年収も将来性も高い理由 -
3
電炉(鉄鋼)
学歴フィルターなし。平均年収は800~950万円と大手メーカーに匹敵する高待遇です。採用倍率は10~30倍と、就職難易度が低い穴場になっています。
→鉄鋼業界への就職19社|難易度と勝ち組ランキング -
4
機械
学歴フィルターなし。平均年収は700~850万円ですが、中には1000万円企業もあります。採用倍率は15~40倍と、就職難易度が低い穴場になっています。
→機械メーカーがすごすぎる!50社の業界研究・志望動機・平均年収 -
5
非鉄金属
学歴フィルターなし。平均年収は730~840万円で、財閥系すら穴場です。採用倍率は20~40倍と低く、三菱・三井・住友に入るならこの業界。
→大手でも穴場!非鉄金属への就職|勝ち組ホワイト企業群 -
6
中堅化学
学歴フィルターなし。平均年収は760~900万円で、ホワイト企業だらけだと話題になったこともあり、応募者は多めです。ただし企業数も多く、中には採用倍率40倍を下回る穴場企業もあります。
→超優良!化学メーカーへの就職は難しい?63社の業界研究
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
→Xのアカウントページ
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