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【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!

エントリーシートの書き方

 エントリーシートについて、165社の面接で「実際にされた深掘り質問」を分析し、その対策を搭載した書き方を解説します。 結論から言うと、ESは「就職活動の軸」で統一し、「『将来の夢』実現ストーリー」にする必要があります。



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基本方針

ポイント夢の実現ストーリー

 エントリーシートは、ストーリー化しましょう。例えば次のようなストーリーです。

 私は交通事故ゼロのために生きています。幼少期に交通安全に目覚め、学生時代は交通安全のボランティアに取り組みました。 「交通事故ゼロ」を掲げる貴社に入社し、その暁には交通事故ゼロを実現します。

 このように、「過去」「現在」「未来」に渡って「夢を実現する」というストーリーを書きます。 なぜなら、面接での深掘り質問で「各項目が『就職活動の軸』で統一されていること」を確認されるからです。

 以下では、エントリーシートの定番設問に沿って「ストーリーの作り方」「実際に面接でされる深掘り質問」について解説していきます。

 

エントリーシートに書かされる項目は?

 エントリーシートの項目は、次の6つに分類されます。

 

就職活動の軸

ポイント軸と社風の一致

 就職活動の軸とは、「将来の夢」のことです。

 例えば「交通事故をゼロにしたい」「価値創造で社会貢献がしたい」といったもので、 選考ではES・面接を通じて「軸と社風の一致」をアピールすることになります。

 これ以降の項目の深掘り質問は、およそ就職活動の軸との関連性を問うものですので、必ず準備しなければなりません。

【関連記事】 【就職活動の軸とは?】例の一覧118選と決め方

 また、「メーカー志望の場合」「ものづくりをテーマに書く場合」それぞれの専用記事も用意しています。

【関連記事】 【就活の軸】メーカーのESに使える例文24選|業界別おすすめ 【関連記事】 【就活の軸】まちづくりの例文12選|地域密着をアピールする  

学生時代頑張ったこと

ポイント6つの要素が必須

 学生時代頑張ったことについては、次のような深掘り質問がされます。

深掘り質問

 このように、「チームでの取り組み経験」は非常に多くの会社で問われます。 これら深掘り質問を踏まえた「ガクチカに盛り込むべき要素」とその例は次のようになります。

結論例:サークルでのゲーム制作の経験
動機就職活動の軸
例:価値創造への熱意(就職活動の軸)
目標チームの目標
例:大学祭の来場者数200人を目標として設定した。
工夫意見対立などの困難と解決法
例:意見対立という困難に直面したが、データをもとに最適解の選択へと誘導した。また反対意見にも共感を示し、衝突を防ぐことを意識した。
結果例:目標にあと一歩及ばず悔しい思いをした。
学び身に着いた学びと能力
例:潜在ニーズを探る重要性を学び、メンバーに対する気配りが身に着いた。

 以上をまとめた例文は、次の通りです。

ガクチカの例文

 私は学生時代、ゲーム制作を頑張りました。なぜなら、ゼロからイチを生む価値創造に相応しいと考えたためです。

 大学祭でのプレイ人数200人を目標に設定しました。 この数値は大学人口の5%に相当し、各サークルブースの過去の来場者数と比較して「シェア1位」を名乗れるためです。

 活動では「ゲーム性を重視する」か「ストーリー性を重視する」か、意見対立が発生しました。 これに対し、私は近年の「流行ったゲーム」について「ゲーム性」「ストーリー性」のどちらが評価されているか、SNSを通じて調査しました。 調査結果を踏まえて論理的に結論を出すと同時に、反対意見にも共感を示すことを意識しました。

 その結果、大きな衝突に至らず意見対立を解消でき、「若者ウケの良いストーリー」をテーマに制作活動に集中することができました。

 大学祭での来場者数は180人と、目標に対し一歩及ばず悔しい思いをしました。 しかしこの経験が活力の源泉となり、サークル全体で「市場調査を重視する姿勢」を持つようになりました。

 この取り組みでは「自分たちの『好き』」だけでなく「潜在顧客が真に何を求めているか」を盛り込む重要性を学び、 またメンバーに対する気配りが身に着きました。この経験を活かし、貴社への入社後は「提案営業による価値創造」で活躍したいと考えています。

 書き方の詳細については、次の関連記事で解説しています。

【関連記事】 【例文】学生時代頑張ったことの書き方|面接の定番質問に対応!

 また、テーマ別の例文も用意していますので、書きたいガクチカの内容にあわせてご覧ください。

【関連記事】 【ガクチカ】アルバイトで説得力を出す構成と例文7選! 【関連記事】 【ガクチカ】学業での書き方と例文7選|深掘り質問に対応! 【関連記事】 【ガクチカがない】それでも受かる大手企業の選び方と戦略  

自己PR

ポイント強みとガクチカ

 自己PRは「強みとそれを象徴するエピソード」を書くものです。

 エピソード自体はガクチカから関連するものを抜き出して書きます。 こうすることで、深掘り質問を防止できるとともに、話に一貫性も生まれます。

 一方で自己PRをESで問わない会社でも、面接では次のような質問がされます。

深掘り質問

 ゆえに、自己PRを問われない場合も準備だけはしておきましょう。 以下は、その例文です。

自己PRの例文

 私の強みは、「アイデア出しが得意なところ」です。

 大学時代、私はゲーム制作サークルでテーマ設定が難航した際、まずターゲットユーザーのニーズを徹底的にリサーチしました。 その結果を基に「ストーリー性を重視したシンプルなゲーム性」を提案し、チームの方向性をまとめることに成功しました。

 このゲームは学内コンテストで優秀賞を受賞し、多くの方から高い評価をいただきました。 この経験を通じて、リサーチを基に価値あるアイデアを提案する力を身につけました。

 この強みを活かし、貴社では、現地のニーズやトレンドを的確に捉え、社会課題を解決する新たな価値を創造したいと考えています。

 次の関連記事では詳しい書き方とともに、400字・1000字の例文を紹介しています。

【関連記事】 【新卒】自己PRは何を答えればいい?|1000文字分の例文で解説!  

弱み

ポイント克服する姿勢が必須

 弱みについては、ごまかさずに本当に困る弱みを選びましょう。 なぜなら、ごまかすと「ミスを隠す悪い新人」を彷彿とさせるからです。 「どうでもいい弱み」を選びたくなってしまいますが、しっかりガマンしてください。

 そして、「克服する姿勢」を見せることで「向上心」をアピールしましょう。 これで「弱みを正直に話し、克服しようと努力する理想の新人」です。

深掘り質問

 これらの深掘り質問を取り入れた例文は、次の通りです。

弱みの例文

 私の弱みは、完璧主義なところです。ゲーム制作の取り組みでは、完璧を求めるあまり納期に遅れそうになることがしばしばありました。 これに対して、メンバーとスケジュールを共同管理し、「優先順位をつける」ことを習慣化しようと取り組んでいます。

 また次の関連記事では、長所と短所の選び方を解説しています。

【関連記事】 【例文】長所と短所の一覧|「おっ!」と思わせる回答例

 似た質問として「得意科目」「苦手科目」という設問が課される場合もあります。 これも同様に正直に答えるのがポイントですが、詳しくは次の関連記事をご覧ください。

【関連記事】 【例文】エントリーシート「得意科目・苦手科目」の書き方  

志望動機

ポイント社風への共感

 志望動機は、「社風への共感」を結論にすることをおすすめしています。 なぜなら、次のように「社風に共感しているかどうか」を確認する企業が多いためです。

深掘り質問

 これらはすべて「就職活動の軸と社風の一致」を問う深掘り質問です。 同業他社との比較といっても、どこも同じ事業をしていますし、売上や利益は変動します。 すると、他社との決定的な違いは社風しかないのです。企業はこれらの質問で「社風です」という答えを待っています。

 つまり、最初から「軸と社風の一致」を志望動機に書いておけば、これらの深掘り質問は防止できるというわけです。 以下は、これを前提にした例文です。

志望動機の例文

 私が貴社を選んだ理由は、「価値創造による社会貢献」を重視する社風に共感したためです。

 私はこれまで、ゲーム制作の経験を通じて、人々に楽しさや新しい体験を提供することの意義を学びました。 自分の手で生み出したものが誰かの喜びにつながる瞬間に、大きなやりがいを感じました。

 貴社は、新たな価値を生み出し、社会に大きな影響を与えることを重視している点に魅力を感じています。 単なる製品やサービスの提供にとどまらず、ユーザーの体験を豊かにすることを追求している姿勢に共感しました。 加えて、社員一人ひとりが創造性を発揮しながら働ける風土があることも、私の目指すキャリアと合致しています。

 私は貴社で、自らのアイデアや技術を活かしながら、価値創造を通じて社会に貢献していきたいと考えています。 貴社の環境の中で挑戦し、成長しながら、より多くの人々に新たな価値を届ける仕事がしたいと思い、志望いたしました。

 次の関連記事では書き方の詳細や、他の例文も紹介しています。

【関連記事】 【新卒】なぜこの会社を選んだのか|例文5つと書き方を解説  

入社後に挑戦したいこと

ポイント軸の実現

 入社後に挑戦したいことは、軸の実現です。

 ここまで「ガクチカ」で「就職活動の軸」との関連性を問われ、「ガクチカに関連した強みを会社で活かす」ことも求められています。 以上を解釈すると、「入社後は強みを活かして軸の実現に取り組む」という答えが期待されているというわけです。

 また、「挑戦したいこと」を直接聞かない会社でも、次のような深掘り質問があります。

深掘り質問

 以上より、ESで問われない場合も準備だけはしておく必要があります。 以下は、これらを踏まえた例文です。

挑戦したいことの例文

 私が入社後に挑戦したいことは、顧客との密なコミュニケーションを通じて潜在ニーズを探り、新素材や新用途の提案を行うことです。

 学生時代、サークルでのゲーム制作を通じて、ユーザーの視点に立ち、楽しさや利便性を生み出すことの重要性を学びました。 この経験から、価値創造の本質は「相手が求めるものを深く理解し、それを形にすること」にあると考えています。

 貴社は、単なる製品提供にとどまらず、顧客とともに新たな価値を生み出す姿勢を大切にしており、その考え方に強く共感しました。 入社後は、顧客の要望や課題を丁寧にヒアリングし、技術や素材の可能性を広げる提案に挑戦したいと考えています。

 また、既存の枠にとらわれず、新たな市場開拓や用途開発にも積極的に取り組み、貴社の価値創造に貢献したいです。 顧客とともに新しい可能性を探り、社会に役立つ価値を生み出せるよう、挑戦を続けていきます。

 次の関連記事では、詳しい書き方は他の例文も用意しています。

【関連記事】 【例文】会社に入って挑戦したいこと|「おっ」と思わせる!

 また、少数ではありますが、次のような質問をする会社もあります。

あなたにとって働くとはなんですか?(東洋エンジニアリング/プラント

 こちらの回答も同様に、結論は「軸の実現」です。詳しい書き方や例文は、次の関連記事で解説しています。

【関連記事】 【就活】働く意味とは|ES・面接用の例文6つと考え方  

自分史を用意しよう

ポイント軸をもったきっかけ

 ESの回答とは別に、自分史を用意しておきましょう。なぜなら、面接で次のような質問がされるからです。 特に日本製鉄のグループ会社(日鉄エンジニアリング・日鉄鉱業・日鉄物産など)では、毎年この質問があります。

自分史の質問

 自分史とは、「就職活動の軸」について幼少期にまでさかのぼって、それに関連するエピソードを求められるものです。 例えば「価値創造」の例では、次のような回答になります。

幼少期従来の遊びに飽きたころ、新しい遊びを提案したら仲間が活気づいた経験をした。このころから価値創造に熱意を持つようになった。
中学生web上で配布されているゲームのプログラムを改造して公開するという価値創造をしていた。
高校生webサイト制作・イラスト制作などに挑戦し、誰かを喜ばせることに熱中していた。
大学生サークルでのゲーム制作の経験。

 このように、「就職活動の軸」に関するターニングポイントとなる出来事や、価値観が変わるきっかけを書きます。 書き方の詳細や考え方は、次の関連記事で解説しています。

【関連記事】 【就活】逆算の自己分析|志望動機ファーストのやり方を解説!  

志望動機は三段階で用意しよう

ポイント3段階で絞り込む

 志望動機は三段階で用意しましょう。一段目は「就職活動の軸」、二段目は「業界の志望動機」、三段目が「当社の志望動機」です。 その理由は、次のように「業界の志望動機」を問う深掘り質問が非常に多いためです。

深掘り質問

 以上を踏まえると、次のように三段階の志望動機が必要になります。

就職活動の軸価値創造を重視する会社を志望します。
業界の志望動機素材メーカーを志望します。なぜなら、素材は用途が幅広く、さまざまな分野に価値創造で貢献できるためです。
当社の志望動機価値創造を重視する社風に共感したため。

 次の関連記事では、メーカーという「業界の志望動機」について書き方と例文を紹介しています。

【関連記事】 【文系】なぜメーカーなのか|「業界の」志望動機の例文6選

 ちなみに、私の知る限りは日本製鉄が最も深掘り質問されます。 同社では「就職活動の軸」「素材メーカーを選ぶ理由」「その中でも鉄を選ぶ理由」「JFEスチールや神戸製鋼所でなく日本製鉄を選ぶ理由」と、四段階の志望動機が問われます。

 

質問欄も効果的に活用しよう

ポイント入社意欲をアピール

 企業によってはエントリーシートに「質問欄」を設けている場合があります。 この際、空欄のまま提出するべきではなく、入社意欲を効果的にアピールするために活用しましょう。 特に「入社後」のことを想像し、「学生の間にできることをやりたい」という姿勢を見せるとよいでしょう。

【関連記事】 エントリーシートの質問欄で人事を「おっ」と言わせる方法  

自己添削をしてみよう

ポイント自分で圧迫面接する

 提出日までに何度も自己添削を繰り返しましょう。

 書類選考に合格した場合は面接に進むことになりますが、 この際にESの完成度が低いと、次のような圧迫面接を受ける原因になってしまいます。

圧迫質問の例

  • 学生時代、なんでそれを頑張ろうと思ったの?
  • 頑張ったっていうけど、目標とかなかったの?
  • それを頑張って将来どうしたいの?
  • その短所って致命的じゃない?
  • その長所って何の役に立つの?
  • それってうちの会社じゃなくても実現できるんじゃない?
  • 簡単に実現できそうだけど、その後はどうするの?

 本番でこのような事態を招かないためには、予め自分自身にこれらの質問を問いかけてみることが有効です。

【関連記事】 ES添削のやり方|誰に依頼するべき?自己PRや志望動機を今すぐチェック!  

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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。 →Xのアカウントページ




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