カフェテリアプランとは?|使いにくい福利厚生
よくある福利厚生「カフェテリアプラン」とは何でしょうか。実は「使いにくい」という問題があり、 特に新入社員など若手には「使えない」場合すらあります。実態がどうなのか、詳しく解説します。
この記事の要点
- カフェテリアプランは、自分で選ぶ福利厚生!
- 若い間はほとんど使えない!
- 実は1人1000円程度の激安アウトソーシングに過ぎない
- 独身寮や家賃手当のほうがよっぽど重要
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カフェテリアプランとは
カフェテリアプランとは、自分で選ぶ福利厚生!
カフェテリアプランとは、数あるサービスのうち、勤続年数や職能資格に応じて付与されるポイントの分だけ、 好きな福利厚生を選んで受給できる福利厚生制度のひとつです。
福利厚生の中には持株会や宿泊施設利用権などがありますが、必ずしも使いたい制度ばかりとは限りません。 使わない福利厚生もたくさんあるわけです。どうでもいい福利厚生ばかりだとがっかりしますよね。 しかし、カフェテリアプランなら自分で利用する福利厚生を選べるのです。
例えばNTT東日本のカフェテリアプランでは、育児支援サービス、教育融資、食事補助、リゾート施設利用、 フィットネス施設利用、独身寮、住宅補助、財形貯蓄などがあります。
「もっとリゾート施設を使いたい。使わない育児支援サービスや教育融資の分をリゾート施設利用権に変えられたらいいのに・・・」 という悩みを解決してくれるのがカフェテリアプランなのです。
社員には勤続年数や職能資格によってポイントが付与されます。 カフェテリアプランの福利厚生にはそれぞれポイントが設定されており、 自分の持っているポイントの限り、好きな福利厚生を選んで利用することができるのです。
JRやNTT、JTなど、旧国営企業はカフェテリアプランを採用していることが多いです。 というのも「儲かっているので給料を出したいけど、国営企業なので給料を高くできない」 ために福利厚生という現物支給をせざるを得なかった名残であると考えられます。
しかし、カフェテリアプランは、決して素晴らしいものではありません。
カフェテリアプランは使いにくい
若い間は、勤続ポイントが足りなくて使えない!
結論を言うと、カフェテリアプランは使いにくい福利厚生で、特に若い間はメリットがほとんどありません。 就職先を選ぶ際にこの制度の有無を判断基準に含めるのは、まったく意味がないのでやめましょう。
安いものには必ず裏があります。 1人あたりたった1000円しかかからないカフェテリアプランには、どんな罠が含まれているのでしょうか。
実は、この制度で提供されるクーポンや割引チケットは、直接会員登録したほうがお得な場合が多いのです。 居酒屋やカラオケの割引券といった類のものですね。さらに、カフェテリアプランはポイント制ですので、 独身寮や家賃補助をもらうとポイントが残らない、勤続年数が短い間はポイントが足りないという問題があるのです。
遊びたい盛の20代ではほとんどカフェテリアプランが利用できず、落ち着いてきた30代、40代になって初めて、 いろんな福利厚生を受けることができるようになるのです。つまりは使えないわけです。
「生命保険」と同じシステムで、「使わない人」が多いからこそ、使う人が大きなメリットを享受できるのです。 しかし、「使う人」というのは勤続年数が長く、休みが取れて、年の割に元気な人です。
カフェテリアプランの福利厚生は種類が多いですから、その数ある福利厚生に惑わされて、 他の福利厚生を見落としてしまうこともあります。 カフェテリアプランとは別に、家賃手当や独身寮の制度があるかは必ず確認しましょう。
激安アウトソーシングに過ぎない
1人1000円程度の価値しかない!
カフェテリアプランが使いにくい最大の原因が、激安のアウトソーシングであることです。 次の、代表的なカフェテリアプランの「企業向け」料金表をご覧ください。
カフェテリアプランの企業向け料金表 | |
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提供会社名 | 社員1人当たりの料金 |
リロクラブ | 550~1000円 |
ベネフィット・ワン | 600円 |
JTBベネフィット | 350~800円 |
カフェテリアプランの業務委託料は、実は社員1人あたり月額1000円が相場です。
カラオケ割引だったり、レストランクーポン券だったり、宿泊施設利用権だったり、 カフェテリアプランの福利厚生は多種多様です。大変魅力的な名前の福利厚生が多いです。 それでもたった1000円なのです。
福利厚生企業はたくさんの会社にカフェテリアプランを提供することにより、 福利厚生のまとめ買いができるのです。これにより1人あたりの福利厚生費を安く抑え、利益を出しています。 とはいえ、いくら魅力的なサービスが揃っていても、平均して1人1000円くらいのサービスしか受けられないということになります。
カフェテリアプランを導入している企業
カフェテリアプランを導入している企業は多いです。 ここではカフェテリアプランを導入している企業を紹介します。
- NTTグループ
- JR東日本
- JT
- 大阪ガス
- みずほ銀行
- 商工中金
- アイシン
- JTB
- トヨタ自動車
- マツダ
- 三菱電機
- 富士フイルム
- 日本製鉄
- 神戸製鋼
- 資生堂
- 野村不動産
- 全日空
- 電通
- ソフトバンク
- 中部電力
- JR東海
- 三井住友銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- 三井住友カード
- 日立製作所
- 三菱商事
- リコー
- パナソニック
- 東京海上日動
カフェテリアプランを提供している福利厚生会社は主に、リロクラブ、ベネフィット・ワン、JTBベネフィットです。 あなたの志望する会社のカフェテリアプランはどの福利厚生代行業者のカフェテリアプランなのでしょうか。 説明会やリクルーターなどで社員を捕まえて聞いてみましょう。
また、使いにくい制度と言えば「フレックスタイム制度」がありますね。 これについても専用の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
→フレックスタイム制度って何?|出勤時刻を少し変えられるだけ
もっと大事な福利厚生がある
独身寮や家賃手当のほうがよっぽど重要!
本当に「福利厚生の良い会社」とは、どのようなものでしょうか。 就活をしているとカフェテリアプランが魅力的に見えますが、 実はカフェテリアプランは福利厚生のうち大事ではありません。
福利厚生で重要なものは、独身寮や家賃補助です。昼食補助やリフレッシュ休暇など、 現金あるいは時間が手に入る福利厚生こそ、重視すべき福利厚生です。
独身寮や住宅手当、財形貯蓄や社内預金制度のある会社は福利厚生が充実していると言えます。 また景気が上向きの時や、会社が絶対に伸びると思った時は、持株会のある会社が良いでしょう。 持株会は単に株を買うだけでなく、奨励金が支給され、出した分より余分に株を買える制度である場合が多いです。
たしかに旅行に行くときにカフェテリアプランの宿泊施設利用券が使えたらうれしいですが、 家賃や昼食代を犠牲にするほどのメリットではありません。 カフェテリアプランに踊らされずに、本当に必要な福利厚生を見直してみましょう。
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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