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残業は嫌だ

 就活では「残業は嫌だ」「残業がない会社はホワイト企業だ」「残業がある会社はブラック企業だ」 と言われます。しかし、実際に就職してみると残業がないほうがツライです。 残業がないということは、残業代がつかないということだからです。

 しかし、残業が多すぎると今度は身体を壊しますし、命を削ります。そんな残業について論じていきます。 

 

残業は嫌だ

 「残業は嫌だ」と私も思っていた時期がありました。 学生時代は「就職しても残業は嫌だ。さっさと帰りたい。遊びたい。」と思っていました。 しかし、残業なしには意外とお金がないことに気づいたのです。

 多くの学生は「残業=悪」と捉えていると思います。できれば平日も早く帰宅して遊びたいですし、 あたりが真っ暗になってから帰宅するのも嫌です。ましてや終電で帰宅だなんてもってのほかですね。 会社に時間を奪われたくないという思いです。

 実際のところ、残業が少ない部署、残業が少ない会社はあります。 私も今、残業の多い部署にいます。多い月では残業時間は60時間程度です。 しかし前の部署では、少ない月ではたったの5時間でした。

 残業60時間がツライかというと、時間自体はつらくありませんでした。 忙しく上司に詰められるというストレスはありましたが、早く帰って遊ぶくらいなら、 残業代をガッポリもらって休日に遊びまくったほうがオトクだと思ったのです。

 60時間も残業をすれば、残業代は10万円近くになります。基本給ギリギリいっぱいの生活をしていたとしても、 10万円のお小遣いが発生するわけです。どうせ一緒に遊ぶ友達も「平日は無理」と言うに決まっています。 ならば残業して給料を増やし、休日にパーッと使ったほうが楽しいと思い至ったわけです。

 まさに「現金」なもので、最初は「今月残業多すぎてツライ」などとツイッターにつぶやいていましたが、 給与明細の金額を見て「来月も同じくらい残業できたらいいな!」などと思う始末です。 今は「残業は嫌だ」と思っていても、入社すると残業の考え方も変わるでしょう。

 私の友人たちも、「残業がないのは金銭的にツライ」と言いますし、 「残業は最低でも月20時間はしたい」とも言っています。

 

残業代は大きな収入源

 新入社員にとって、残業代は大きな収入源です。 基本給にもよりますが、大卒総合職の残業代は1時間1600円~1800円です。 仮に残業代が1時間1800円で、月40時間の残業をすると7万2000円になります。

 初任給が20万円でも、月40時間の残業があれば月収27万円になるわけです。 この7万円を軽く見てはいけません。

 まず、1年間毎月40時間残業したとすると、年収86万4000円の増となります。 年次が上がって基本給が高くなればなるほど、もらえる残業代は増えていきます。 残業が増えると年収はどんどん増えていきます。

 例えば初任給22万円の会社で、ボーナスが4ヶ月分出るとしましょう。 残業が全くない人は22万円×(12ヶ月+4ヶ月)=352万円なので、年収352万円です。

 一方で毎月40時間の残業をしている人は、残業代年間86万4000円が加算されます。 この場合、年収438万円です。

 こうしてみると、かなり大きな差となります。 同じ会社でも、残業のある部署、残業のない部署でこんなに年収に差が出るのです。

 私は残業が月20時間程度の部署におり、入社2年目の年収が450万円でした。 一方で残業が月40~80時間の部署にいる同期は、年収が530万円です。 私は大卒ですが、高専卒の同期入社の人より年収が低い始末です。

 私よりもっと残業の多い高専卒の同期は、入社2年目でスポーツカーを購入したり、 家賃の高い都心のマンションに引越したりしています。

 かといって月80時間の残業をしたいかというと、私はそうは思いませんが、 残業が全くないのも考え物です

 

仕事が暇なのが一番ツライ

 残業が多すぎる会社は確かにブラック企業ですし、残業が少ない企業はホワイト企業と言えるかもしれません。 残業が少ないということは、社員を酷使せず、社員の一人当たりの仕事量がうまく配分されているということですので、 ホワイト企業に分類されるでしょう。

 しかし、残業が全くないとき、就業時間内も暇なことが多いです。 毎日残業時間が1時間だったり2時間だったり、残業なしだったりするように、 毎日仕事が8時間ちょうどで終わるということはまず、ありません

 仕事が残って翌日に持ち越すのであればともかく、困るのは早く終わってしまった時です。 数十分だけ暇なのならともかく、何時間も何日も余らせてしまったときはどうしましょうか。

 仕事は属人性が強く、突然「先輩!仕事をください!」といったところで仕事がもらえる可能性は低いです。 「仕事は自分で探せ」と言われるのがオチです(もちろん『仕事をください』と言うべきですが)。

 仕事が早く終わってしまい、やることがなくなってしまったとき、 「仕事をしているフリをする」という必要が生じてしまいます。 これがとんでもなく苦痛で、退屈で、ツライのです。

 忙しいときは1日など一瞬で終わっていきますが、やることがないときは時間の流れが遅く、 何度も時計をチラ見しながら「早く終業時刻になれ」と祈り続け、むやみにエクセルを開いたり閉じたり、 ロッカーや机の整理をしてみたり、文章を消したり書き直したりするのです。

 「働かなくても給料がもらえるなんて最高だな!」と思うかもしれません。 しかし、会社で働かないわけにもいきませんし、罪悪感と戦いながら、 それでいてやることがなく、退屈な長い時間を過ごさなければなりません。

 仕事が暇なのはとてもツライということは覚えておいてください。

 

ところが残業は命を削る

 とはいえ、長時間残業命を削ります。 「命を削る」とまで言うには2つ理由があります。

 まず1つは「精神的に疲れて病んでしまう」という理由です。

 私の経験ですが、上述の残業60時間の月の途中から病み始めました。タイムカード上の残業時間は60時間でしたが、 私は営業なので実際に「自由でない時間」はもっと長かったのです。昼間外回りをして夜に会社に戻り、毎日23時~0時まで会社にいて、 土曜日も出勤するような生活をしていました。

 もっと拘束時間の長い人はたくさんいるでしょうが、病むかどうかは個人差があります。 私はあまりリソースの多い方ではなかったようです。 だんだん集中力がなくなり、今ではめまいや動悸・不安感・焦燥感・倦怠感・手のしびれなどに悩まされています。

 残業のピークのころに症状が出始め、残業が落ち着いた今でも悪化を続けています。 まさか自分がこうなるとは思ってもいませんでした。

 もう1つは「はした金で人生を売り払っている」という理由です。

 「大きな収入源」と言ったあとで矛盾するようですが、残業代などたかだか1時間2000円弱です。アルバイトの時給に比べるととても高いですが、 アルバイトとは受けるストレスが比べ物になりませんし、少なくとも「快適な時間」ではありません。

 人生は有限です。月に60時間も残業すれば、普段起きている時間を16時間だとしても4日分近く会社にささげているわけです。 特に若いころの時間は貴重で、人生を通してバイタリティが高く、なんでも楽しめて、決して取り戻せない時間を、 たかだか1時間2000円弱で大安売りしてしまうわけです。

 40代、50代になって2000円を払っても、20代の1時間は買えません。 それだけ時間は貴重なのです。もてあました時間を残業にあてる程度ならともかく、 長時間の残業、ましてや休日出勤などは命を削っているといっても過言ではありません

 かといってまったく残業がないのでは収入が少ないですし、難しいところです。

 

残業して20時退社がちょうどいい

 残業少なすぎても暇で退屈で、収入も劣るので良くありませんが、 残業多すぎると逆に疲れてしまいます

 深夜0時は極端にしても、会社説明会などで「17時退社」と言われるようなら注意が必要です。 逆に「20時退社」で驚く必要はありません。残業して20時退社くらいがちょうどいいのです

 一時期「キラキラ20時退社」という言葉が女子大生の間で流行りましたが、 わりと的を得た言葉です。20時退社だと、残業は2時間ほどですね。 毎日20時退社なら月の残業時間は40時間です。

 40時間ということは、月収が7万円増えるということです。この7万円を使って休日にキラキラ遊ぶのです。

 20時退社なら「家に帰って寝るだけ」というほどではありませんし、 たっぷり睡眠時間を確保することもできます。帰りに飲食店に寄ったり、スーパーで買い物をしたりすることもできます。 1日2時間程度の残業は、健康的な残業といえます

 私も就活をしていたころは、18時に帰りたいとか、19時には帰りたいと思っていました。

 しかし、学生時代と違って家賃や光熱費、食費といったあらゆる一人暮らし費用がのしかかってきます。 学生時代より生活レベルを上げようと思うと、月に20万円あっても足りないくらいなのです。

 車も買いたいですし、良い家に住みたいですし、家具もきれいなものに買い換えて、 最新のパソコンを買い、新しい趣味を始め、なおかつ貯金もしたいというのが実情です。

 そんなとき、残業がまったくないと日々の生活でいっぱいいっぱいになってしまい、 他のことにお金を使う余裕がなくなってしまいます。 月20~40時間の残業は、今は嫌でも、就職すれば必ずやりたくなるものです。

 もちろん残業代がきちんと支払われる前提ではありますが。