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【公務員】AA採用-女性枠

 公務員試験で耳にするAA採用について解説します。 AA採用とは「アファーマティブアクション(Affirmative Action)採用」の略で、 弱者を積極的に救済しようというアファーマティブアクションの考えが取り入れられた採用方式です。

 公務員の男女比が大きく男性側に偏っている現状を打破し、女性比率を高めるためにAA採用が取り入れられました。 従来、公務員試験・面接の成績順に採用していたのですが、女性枠を設け、 女性が一定人数採用されるように、成績が劣っていても男性に優先して女性が採用されるという仕組みです。 

 

「AA採用」の意味

 AA採用意味は「アファーマティブアクション」です。

 アファーマティブアクション(AA)はアメリカの大学に始まります。 アメリカでは人種によって大学進学率が大きく異なるという問題がありました。 そこで取り入れられたのがアファーマティブアクションです。

 人種ごとに合格人数を割り当て、その枠を同じ人種だけで争う方式です。 これと同じことが公務員試験の世界で行われています。

 国家公務員の採用者の女性比率は20%程度で、管理職に至っては数%しか女性はいません。 そのため「日本は男女差別が根強い国」と指摘されることがあります。

 そこで安倍政権は、「国家公務員の女性比率を30%にアップ」することを宣言しました。

 AA採用とは、公務員試験の成績・面接の結果、上位にランクインした受験者のうち、 女性枠30%が埋まるまで優先的に女性を採用し、残った70%の枠を男性で争わせるものです。

 AA採用によって公務員の女性比率が高まり、男女の格差を是正し、 男女平等社会が到来する!・・・というわけではありません

 AA採用は「逆差別」の側面を持っており、「法の下の平等」という憲法に違反する制度です。 次は、AA採用の問題点を解説してきます。

 

「AA採用」の問題点

 AA採用問題点は、逆差別であるということです

 AA採用は女性比率を高めるのに一見合理的な制度に見えますが、そうではありません。

 例えば大学の定員が100人で、これまで合格者は1位から90位までが白人で、 91位から120位までがアジア人だったとしましょう。もちろん101位~120位のアジア人は不合格です。

 ここで、アジア人へのアファーマティブアクションで「アジア人枠」が30人分設けられました。

 こうなると白人は70位までしか合格できません。71位から90位の白人は不合格になり、 その代わりに101位から120位のアジア人が晴れて合格します。 これでこの大学は、白人90%→70%になり、代わりにアジア人10%→30%になります。

 おかしいと思いませんか?確かにアジア人比率は高まり、いかにもアジア人と白人が共存共栄する大学のように見えます。 しかし、合格できる実力の持ち主だった71位~90位の白人は、「白人だから」という理由で不合格にされているのです。

 公務員試験のAA採用でも同じです。これまで試験・面接の成績順に採用されていたのが、 無理やり女性枠を設けることで、本来なら合格するはずだった受験者たちは 「男性だから」という理由で不合格にされ、点数が足りない女性が「女性だから」と合格になるのです

 純粋に成績・面接の結果で合否を判断していたのが、 「男性だから不合格、女性だから合格」という非常に差別的な制度になってしまうわけです。

 日本国憲法14条は「法の下の平等」を定めており、性別による差別は禁止されています。 国家公務員試験でAA採用を行うことは、完全に平等原則に違反しており、憲法違反なわけです。

 しかし人権団体は基本的に女性の味方ですので、 男性差別が行われても特にクレームをつけません。 公務員試験で男性が損をする時代が来ているのです。

 AA採用問題点男性差別に留まりません。 公務員の質の低下という重大な問題をはらんでいます。

 AA採用によって、不合格の点数だった成績下位者が公務員として採用されるわけです。 実力のない人がなぜか採用されるというわけです。

 AA採用はいずれは「女性管理職を増やす」ことにつながりますから、 不合格点だった人がなぜか採用されて、そのまま管理職になっていくわけです。

 不合格だったのに成績上位者を押しのけて合格した上に、 管理職にまでなってしまうのですから大変です。

 

母数に着目しよう

 男女比を検討する前に、母数に着目するべきです。 国家公務員の合格者は、東京大学の学生が大半を占めますので、東大生の男女比に着目しましょう。 特に国家公務員を受験するのは法学部と経済学部ですので、法学部と経済学部の男女比を検討します。

 東大法学部の女性比率は20%、東大経済学部の女性比率は19%です。

 これを見る限り、国家公務員試験に合格できる実力の持ち主は、 東大では男性80%、女性20%くらいだと想定できますね。

 仮に東大生しか国家公務員に合格できないとした場合、 国家公務員の男女比はおよそ80:20になるはずです。

 しかし、安倍政権が「国家公務員の女性比率を30%に高める」と宣言する前の、 2013年度採用の国家公務員の女性比率は26.8%です。 東大女性の20%に比べたらむしろ高い割合です。

 国家公務員試験に合格するような旧帝大、旧官立大の男女比はおよそ男7:女3であり、 特に合格者の圧倒的多数を占める東大では男8:女2なわけですから、 国家公務員の採用者のうち、女性が20%しかいないのは自然なことです

 女性差別によって女性比率が20%しかないのではありません。 そもそも国家公務員になれるような実力の持ち主が、男性80%で女性が20%だっただけという話なのです。

 これを「女性差別で女性比率が低い」と勘違いした人に批判され、 女性優遇枠を設けて男性の採用を抑えるのでは、頑張った男性が損をするだけです。

 国家公務員の女性比率を高めたければ、もっとたくさんの女性が東大に入れるくらい勉強をさせればよいのです。 頑張ってきた東大男性の努力を無駄にしてはいけません。

 

AA採用はパフォーマンス?

 とはいえ、AA採用はそこまで危険視しなくてもよさそうです。 AA採用の問題点を官僚が把握していないわけがありません。

 その証拠は2014年度の国家公務員採用者の男女比に現れています。

 2013年度の女性比率が26.8%だったのに対し、2014年度の女性比率は26.7%と、 ほとんど変わっていないのです。

 安倍政権は「女性比率30%以上を目標」と宣言しましたが、 具体的に「AA採用」の制度を定めたわけではありません。 「30%は女性にしなければならない」というルールができたわけではないのです。

 つまり、女性比率を高めるという目標こそ掲げたものの、 無理やり女性比率を高める気はさらさらないのです

 本当に制度化してしまったら明らかな憲法違反ですし、 公務員の質の低下も招きますから、AA採用は政権どころか日本を揺るがす由々しき問題なのです。

 いくら政権が「30%」と宣言したからといっても、憲法違反なんて官僚がやっていいものではないのです。

 当然政権も憲法違反をして良い組織ではありませんから、 強制的に女性比率を高める制度をつくったりはしません。

 要は「自民党政権は女性の社会進出を応援しています」というパフォーマンスにすぎないというわけです。