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企業の女性活用の課題

 女性活用が流行っています。 アベノミクスにおいて、女性活用は成長戦略の柱の一つと位置づけられています。 この影響で経団連は、女性活用の自主行動計画をまとめました。 

 女性活用の自主行動計画を発表した企業は以下の通りです。 これらの企業は女性活用企業といえるでしょう。

 総合商社
伊藤忠商事、丸紅、三井物産、三菱商事

 メーカー
 旭化成、旭硝子、王子ホールディングス、キヤノン、東芝、東レ、 JXホールディングス、資生堂、トヨタ自動車、日産自動車、 パナソニック、日立製作所、ボッシュ、三菱重工業、 アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス

 不動産
 三井不動産

 素材メーカー
 新日鐵住金、三菱マテリアル

 化学メーカー
 住友化学

 ガス
 東京ガス

 建設
清水建設、大成建設、

 建設機械
小松製作所

 住宅メーカー
積水ハウス

 空輸、海運、陸運
セブン&アイ・ホールディングス、高島屋、藤田観光 全日本空輸、商船三井、日本郵船、東日本旅客鉄道、

 金融(証券、保険、銀行)
大和証券、野村ホールディングス 損害保険ジャパン、第一生命保険、東京海上日動火災保険、日本生命保険、明治安田生命保険 三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行

 

企業の女性活用事例

 企業女性活用事例を紹介します。 例えばキリンホールディングス。女性管理職の比率を引き上げると明言していますが、 KWNという制度をつくって女性のキャリア支援を行っています。

 主にトップダウン、ボトムアップにおいて女性社員の意見を聴いたり、 女性社員のキャリア支援のための研修が行われたりといったものです。 社員研修を通じて教育し、女性社員が出世できるように手助けするわけですね。

 キリンビールでは総務部などに女性管理職が配置されており、完全な男性社会というわけではありません。 商品開発や営業などで女性が活躍している企業です。

 また富士フイルムでは化粧品を扱っていることもあり、女性総合職の採用が多いです。 法律で制度が確立される前から育児休暇制度を採用していたり、 育児休暇後も問題なく職場に復帰できるように研修制度が整っていたりと、女性の働きやすい職場環境が整えられています。

 このようにビール、食品、飲料水、化粧品など、女性の消費者が多い業界では女性活用が行われており、 女性の職場環境を整えるのに積極的です。

 一方で建設会社はもともと女性の少ない業界で、力仕事や現場仕事に至っては女性がほぼいません。 そもそも建設業界は女性からのイメージが悪く、キツイ、汚い、危険の3Kとして敬遠されてきた経緯もあります。 現場のトイレや着替えは男女共用というか、そもそも男性が使うことのみ予定されています。

 今では「ドボジョ」という言葉ができたように、建設業界でも女性活用をしようという動きがあります。 国の発注する土木工事では、女性技術者を配置することで受注できる可能性を引き上げたり、 工事成績に反映されたりという特典をつける試行がされています。

 ここでいうドボジョは現場作業員ではなく、現場監督のことです。 大学や大学院、高専を卒業して建設会社に入社し、現場監督をするのです。

 しかしゼネコンやスペコンなど元請企業として工事を行う場合、 現場に配置される技術者は下請けの屈強な現場作業員を従えなければなりません。 現場では作業員にナメられたら終わりです。

 そのため気が強く、アニキ気質をもった男性が配置されることが通常です。 大学院や高専を卒業し、ヒゲを生やして肌は黒く焼け、筋骨隆々で声の大きいおじさんが現場で指揮を執っているのです。

 もちろん女性の現場監督もいないわけではありません。 しかし女性の現場監督はたいてい気が強く、声も大きく、女王様気質をもった女性であることが多いです。 おとなしい女性ではなかなか務まりにくいかと思います。

 声に張りがあって、男性でも思わず従ってしまいそうな女性はそれほど多くはありませんから、非常に稀です。

 

企業の女性活用の問題点

 企業女性活用問題点は、 当の女性にやる気がないことです。20代女性の中で専業主婦を希望している女性は30%を超えています。 いくら企業が女性を活用しようにも、活用される気がない女性がとても多いのです。

 政府の言う女性活用とは、単に会社に女性を増やすという意味ではありません。 総合職で女性を入社させて、バリバリ働かせていずれは管理職にするという意味です。 一般職を増やすという意味ではありませんし、パートやアルバイトを促進するわけでもありません。

 厚生労働省の調査によると、総合職のうち女性はたったの5.6%しかいないようです。 さらに、女性総合職は入社10年以内に65%が退職してしまうのです。

 これを問題視し、政府や経団連では女性管理職の割合を増やそうとしているのです。 管理職の内、女性管理職の割合を30%に引き上げようと目標を設定する企業もあれば、 「女性管理職を5倍にする」と宣言する企業もいます。

 女性管理職の比率を無理やり高める目標は、アファーマティブアクションといえます。 なかなか会社で出世できない女性を、無理やり管理職にすることで、 女性管理職の割合を高めようとするものです。

 そもそも女性管理職の割合を問題視すること自体が間違っていると思います。

 偏差値の高い高校、偏差値の高い大学では、女子生徒、女子学生の割合は低いものです。 私の大学でも男女比は大きくバランスを欠いており、法学部でも男子7割、女子3割でした。 経済学部では男子8割、女子2割。工学部に至っては男子9割、女子1割でした。

 大学を卒業して総合職で働こうという大学生のうち、女性は半分もいないわけです。 今や早稲田や慶應、旧帝大を卒業しても一般職で就職する女性が増えています。 そもそも総合職で就職しようとする母数が少ないのです。

 そして総合職で入社しても、結婚して退職する女性も多いです。 入社10年以内に会社を辞める社員が、男性では30%なのに対して、女性は65%もいるわけです。 せっかく総合職で入社しても、管理職になる前に大半が辞めてしまうのです。

 男性95%、女性5%の会社で女性管理職を30%にする!なんて宣言がされたとすると、 明らかに人数バランスがおかしくなってしまいます。性別ごとに均等に優秀な人材がいるとすると、 女性管理職は5%いれば十分なはずです。

 女性管理職が5%なのが問題なのではありません。 女性の中で管理職になれる割合が、男性の中で管理職になれる割合より低い場合にはじめて、 女性差別だ!と言えるものです。

 女性の人気のない業界では、内定者の100%が男性だなんてこともよくあります。

 10人(男8人、女2人)の採用があったとして、管理職になれる人数は3人だったとします。 会社は「女性管理職を30%!」と目標を掲げていますので、1人の女性は管理職になれます。 また管理職率を引き上げるため、もう1人も管理職になれるでしょう。

 残った管理職の席は1つです。この1つのイスをめぐって男性8人で争うことになります。

 おかしいですよね。

 女性管理職の割合を無理やり30%に引き上げるということは、本来管理職になりうる優秀な男性社員が、 女性社員に管理職の座を譲ることで、管理職になれなくなるのです。 アファーマティブアクションの危険性はここにあります。

 つまりは男性への逆差別です。

 

女性活用の課題

 女性活用には様々な課題があります。 一つは、上で述べたようにそもそも総合職で働こうとする女性が少ないことです。 勉強して、良い高校、良い大学へ進学し、総合職でバリバリ働こうという女性が増えない限り、 無理やり女性管理職を増やすというだけでは意味がありません。

 そのためには、一般職という選択肢をなくすというのも一つの手段です。 「一般職でお茶くみとかやればいいから大学受験は頑張らなくてもいいや」 という思考を排除する必要があります。

 女性には様々な働き方、会社で働かないという生き方など、選択肢が多い一方で、 男性には総合職か現業職という選択肢しかありません。

 それゆえ総合職を目指して中学、高校と勉強を頑張るわけです。 頑張った結果、会社でも重宝されます。通常、男性は結婚して退職ということもまずありません。 一生働くわけですから、その分会社への帰属意識も強まり、業績を上げるのです。

 女性にも「頑張る」ではなく「頑張らなければならない」という環境を作り出せば、 女性管理職の割合は自然と高まっていくはずです。

 しかしながら、女性には「出産」があります。 会社に通勤して8時間会社に居続けるという今のスタイルが変わらない限り、 どうしても働けない時期が女性にはあります。

 1年会社を休めば、同期の男性との差は1年分開きます。 1年先を行っている男性のほうが出世しやすいのは当然のことです。 これを是正しなくてはなりません。

 考えられる対策は、出産期の女性社員に在宅ワークを認めることでしょう。

 面と向かって話をすることは大事です。しかし、面と向かわなければ仕事ができないわけではありません。 今の時代、会社のデスクでないと仕事ができないなんてことはないのです。 仕事の話は電話とメールでできますし、会議はインターネットを使ってビデオチャットをすればいいのです。

 こういった課題が解決されない限り、女性活用と叫んだところで、 逆差別によって男性がやる気をなくすだけです。 そもそも女性総合職を増やすことを考えなければなりません。