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人手不足による倒産

 人手不足による倒産が相次いでいるそうです。 モロに建設業界の話ですね。目の前に仕事はたくさんあるのに、 働いてくれる人がいないために仕事ができず倒産するのです。 

 「コンクリートから人へ」などというわけのわからない政策によって公共工事が激減し、 建設業界は縮小していたわけですが、東日本大震災、東京オリンピック招致により仕事が増えました。 しかし時すでに遅し。建設業界は縮小しているわけです。急に仕事が増えても対応できません。

 危険、汚い、キツイの「3K」などと言われて職人や技術者の数は減り、 仕事が増えて求人を出しても、人が集まらない。 公共工事もやってくれる会社がなく、公共施設の老朽化が進んでいくのです。

 建設業界の人手不足は建設業界が作り出したものではありません。 公共施設、例えば役所のビルだとか、公衆トイレだとか、公園だとか、道路だとか、 そういったものは国が発注しなければつくられないのです。

 国が発注したり、しなかったりするせいで安定して雇用を継続することができないのです。 仕事がない時期に大量の人は雇えません。今回の建設ラッシュでもそうです。 今は仕事が多くても、いずれは建設ラッシュも終わります。

 建設ラッシュが終わった時に雇用を継続できるかというと、まったくわかりません。 将来国が仕事を発注するかは、誰にもわからないのです

 建設業界は、職人や技術者にけっこうな給料を支払っています。 しかし、数年後に仕事があるかはわかりません。 これは国の仕事の発注の不安定さが生み出した建設不安です。 本来、建設ラッシュなど作らず、安定継続して毎年同じだけの工事を発注すべきなのです。

 

中小企業が人手不足で倒産する

 飲食業や中小企業でも、人手不足による倒産がよくみられるそうです。 理由は人件費の上昇。人件費が上がって給料が支払えず、人手が足りないのに人を雇うことができないというのです。

 今まで働いていた人も、給料が安いので、他で給料が高い仕事をみつけて転職してしまうのです。 近年はブラック企業が流行っていますが、残業代を払わないだとか、 残業が多すぎるだとか、労働環境の悪い企業がたくさんあるわけです。

 労働環境の良い会社があれば、そちらに人は流れていきます。 労働環境の悪い会社は人手を集めることができず、倒産していくのです。

 これって何が問題なのでしょうか? 今まで人件費が安かったために低賃金で人をコキ使えただけというものです。 本来、人を雇えるほど儲かる仕事ではなかっただけの話ではないでしょうか。

 例えばラーメン1杯500円で経営しているラーメン屋が、バイトを時給800円で雇っていたとします。 しかし時給800円では人が雇えなくなりました。そこでラーメン屋はどうするべきか。

1.時給を上げてラーメンの値段も上げる
2.時給だけ上げる
3.時給はそのままで人手不足だと嘆く

 3を選んでいるラーメン屋は経営能力が足りません。 倒産してしかるべきです。倒産するべきです。

 材料費が高騰すれば商品の値段を上げるのが常識なのに、 人件費が上がったら値上げができないなんてそんなバカな話はありません。 それだけ人件費を商品の原価として考えていない証拠です。

 商品の値段を上げたくないために従業員の給料を増やさない。 人件費を抑えるために雇用は増やさずサービス残業をさせる。 給料を固定費とは思っておらず、簡単に削れるものだと思っている。

 そんな会社は従業員についての考え方が甘いです。 労働者が逃げていくのも仕方がありません。顧客が良いものを求めるのと同様、 従業員も良い労働環境を求めます。人手不足の会社は雇用競争に負けただけです

 

人手不足の原因

 人手不足原因は、 人件費の上昇少子高齢化とされています。 しかしそれは人手不足を表面的にとらえているにすぎません。

 一番の原因は、人件費を商品・サービスの原価として考えていないところにあります。 材料の値段が上がれば商品の値段も上がる。人件費が上がれば商品の値段も上がる。 当然のことです。

 しかし、人件費が上がった時だけ会社は値上げを嫌がります。 なんとか元の人件費に抑えて、商品・サービスの値上げを防ごうとするのです。 正社員を減らして非正規雇用を増やしたり、リストラで人を減らしたりするのです。

 それで人手不足だなんて当たり前です。 鶏肉の値段が上がったからといって、から揚げを3分の1切り落として売れるわけがないのです。 鶏肉の値段が上がればから揚げの値段も上がります。

 から揚げ職人の人件費が上がれば、から揚げの値段も上がります。 これが当たり前のことです。人件費をケチろうとするからいけないのです

 小麦粉の値段が上がったら仕方なくパンを値上げするくせに、 人件費が上がるのは許せないのです。人を軽視している証拠です。

 「だって値上げしたら買ってくれないじゃないじゃあそのままつぶれたらいいんじゃないですかね?

 私だって時給300円で人が雇えるなら、3時間2000円の清掃事業を始めますよ。 しかしこのビジネスは成り立ちません。なぜなら時給300円では人が雇えず、 3時間2000円のお掃除サービスなんて提供できないからです。

 それでも2000円のサービスを維持したいと思うのはただのわがままです。 原価を計算する能力がありません。倒産してしかるべきです。

 そもそも「低価格」は、仕事がなくて人件費が安かった時代に運よくできたもので、 正当な賃金を支払いながらできるサービスではなかったというもの。 要は人をゴミみたいな値段で使えたから安かったというだけで、 本来あるべきビジネスではなかったということです。

 しかし、これもまだ本質を見ていない考えです。 人件費が上がったから仕方なく商品の値段を上げたなんて言っているようではいけません。

 そもそも人件費が上がったら、その従業員の購買力は上がるわけです。 毎日500円のラーメンしか食べられなかった人は、600円のラーメンを食べることができるのです。 そのときに500円のラーメンにこだわって600円を高いと思う消費者もダメです

 給料が上がったらその分、物価も上がっていると考えなくてはなりません。 特別すごい仕事をしたわけでもないのに、給料だけ勝手に上がっていくなんてことはありません。 給料が上がったのは単に物価が上がっただけです。

 500円のラーメンが600円になったからといって文句を言っている場合ではありません。 その分誰かの給料が上がっているのです。給料が上がった人がどこかで買い物をする。 するとそのお店の人の給料も上がる。こうして循環し、自分の給料も上がる。 これくらい考えて、むしろラーメンの値上げを喜ばなければなりません。

 消費者も同じで、「小麦粉の値段が上がったからパンが高くなった」は納得するくせに、 「パン職人の給料が増えたからパンが高くなった」は許せないのです。 消費者も人を軽視しすぎです

 おかしな話ですね。普段は自分も低賃金に悩んでいるのに、 誰かの給料が上がるのは許せないのです。望みどおりに誰の給料も上がらなかったら、 自分の給料が上がることもありえません。

 まあ確かに、自分の給料が上がる前に物価ばかり上がっていくと生活は一時的に苦しくなります。 今でもギリギリの生活をしているのに、さらに物価が上がればもっと苦しくなります。 いつもの値段で物が買えなくなるのは辛いことです。

 しかし物価が上がらなければ給料も増えません。 このことは経営者だけでなく、消費者もよく理解しなければならないところです。